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へえ
ふりがな文庫
“
入
(
へえ
)” の例文
「そっちの来るのが遅いために、船から玉を上げていると、この先の河原で、飛んだ無茶な侍が邪魔に
入
(
へえ
)
ってしまったじゃねえか」
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
お道どん、お前の
前
(
まい
)
だけれどもう思い切ってるんだからね、人の
入
(
へえ
)
らねえ処だし、お前、
対手
(
あいて
)
はかよわいや。そこでもってからに
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
子供じゃあるが、ペンキみてえにはしっこい。それは君が初めて
入
(
へえ
)
って来た時に俺にゃあちゃんとわかってるんだ。で、こういう訳だよ。
宝島:02 宝島
(新字新仮名)
/
ロバート・ルイス・スティーブンソン
(著)
おいらが若え時分にはな、日が
入
(
へえ
)
って寺の鐘が鳴るまじゃあ、仕事を止めなかったもんだ。坊様がなんで鐘をつかさるか、お前は知るめえ。
土地
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
正坊が中学へ
入
(
へえ
)
るっていうのにいつまで親父が……いつまでそんな親父が飲んだくれてばかりいられる? ——それを思って俺ァ止めたんだ。
春泥
(新字新仮名)
/
久保田万太郎
(著)
▼ もっと見る
「
吝嗇漢
(
しは(わ)んぼ
)
に茄子は買は(わ)すな日本橋——か、ハッハッハッハ、こいつは面白い、逆さに読んでも同じだ、落首もこれ位になると点に
入
(
へえ
)
るよ」
礫心中
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「おい、だれか見とるといけんから、早く、早く! だれも見とらんか、見とらんか? さ、急いで
入
(
へえ
)
れ!急いで!」
仁王門
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
「
錫
(
ティン
)
なんて
(7)
あいつにゃあちっとも
入
(
へえ
)
っていねえんでがす、ウィル旦那。わっしは
前
(
めえ
)
から言ってるんでがすが」
黄金虫
(新字新仮名)
/
エドガー・アラン・ポー
(著)
お
前
(
まえ
)
さんは知らないのだから、おい兄イそんな事を云っても仕方がねえ、人間を打殺して下手人になっても人が
入
(
へえ
)
れば
内済
(
ねえせい
)
にしねえものでもねえから
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「ぶく/\やりたけりや
入
(
へえ
)
つた
方
(
はう
)
がえゝや」
船頭
(
せんどう
)
はそつけなくいつて
徐
(
おもむ
)
ろに
棹
(
さを
)
を
立
(
た
)
てる。
船底
(
ふなぞこ
)
が
觸
(
さは
)
つて
立
(
た
)
つて
居
(
ゐ
)
る
身體
(
からだ
)
がぐらりと
後
(
うしろ
)
へ
倒
(
たふ
)
れ
相
(
さう
)
に
成
(
な
)
つた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
よウし! なにが
入
(
へえ
)
ってるか、一つ見てやれ——と与吉は、本郷への途中、壺を開きかけると、あ! いけねえ!
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
あアお
午後
(
ひるから
)
ぶらぶらと向を出て八時なら八時に数寄屋橋まで
著
(
つ
)
けろと云や、
丁
(
ちゃん
)
と其時間に
入
(
へえ
)
ったんでさ。……ああ、面白えこともあった。苦しいこともあった。
躯
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
「なぜってべら棒め、あの侍は盗難保険に
入
(
へえ
)
ってるんだ、ここで脱いでゆきゃあ三千両取れる」
だだら団兵衛
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「うぬは、もう、素浪人だぞっ。土足のまま人の家へ
入
(
へえ
)
りゃあがって、この泥棒め。勝手に、人の宅へ入りゃあ、引っ捕えて、自身番へ渡されるのを知らねえか。この野郎」
南国太平記
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
おい熊吉!
入
(
へえ
)
つてならんいふ田圃さなぜ
入
(
へえ
)
つた? 田圃さ入つてならんといふ法律なぜ破つた? 松本の旦那あお前から土地を引上げるいうてゐなさるんぢや。畦さ立つとる札を
黎明
(旧字旧仮名)
/
島木健作
(著)
「あの男なんかにゃあ弁護の口なんざ一つも手に
入
(
へえ
)
りっこねえってことにゃ、わっしは半ギニー賭けたっていいでさあ。一つだって手に
入
(
へえ
)
りそうな奴にゃ見えやしねえ。そうでしょう?」
二都物語:01 上巻
(新字新仮名)
/
チャールズ・ディケンズ
(著)
「この前きてくれた日本手づまの鈴川伝之丞さんのほうがよっぽど
入
(
へえ
)
ったよ」
小説 円朝
(新字新仮名)
/
正岡容
(著)
「さあ、いけねえ、友様、面倒だから、そこらへ
入
(
へえ
)
ってしまおう」
大菩薩峠:23 他生の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
道理こそ、いまし方天幕へ戻って来た時に、段々塗の
旗竿
(
はたざお
)
を、北極探検の浦島といった形で持っていて、かたりと立掛けて
入
(
へえ
)
んなすった。
唄立山心中一曲
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「奴らはたった今ここにいたんだ、——俺が
入
(
へえ
)
ろうとした時に戸に閂をさしていやがったんだ。おい、みんな、散らばって、奴らを見つけ出せ。」
宝島:02 宝島
(新字新仮名)
/
ロバート・ルイス・スティーブンソン
(著)
「それに、お客様は
跣足
(
はだし
)
だ。大玄関からは上がられませんよ——さア、遠慮はいらねえ、そこから
入
(
へえ
)
って来るがいい」
銭形平次捕物控:072 買った遺書
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
甚「ナニ、油紙がある、そりゃア模様物や
友禅
(
ゆうぜん
)
の染物が
入
(
へえ
)
ってるから雨が掛ってもいゝ様に手当がして
有
(
ある
)
んだ」
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「俺の耳へ
入
(
へえ
)
ったのは、この春頃からだが、村の奴は寄ると触ると、ヒソヒソそういう噂ばかりしとる……」
仁王門
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
そこがいまの大部屋と違うところで、その時分そんなことをいおうものなら、生意気な野郎だ、ふざけた畜生だで折角辛苦して
入
(
へえ
)
った一座をたちまちクビだ。
春泥
(新字新仮名)
/
久保田万太郎
(著)
寂しがりまして……それに、だんだん
産月
(
うみづき
)
も近づいて参りますと、気が
鬱
(
ふさ
)
ぐと見えまして、もう自分で穴掘って
入
(
へえ
)
るようなことばかり言っておるでござります。
新世帯
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
『そこじゃあ暑うござんす。こっちへお
入
(
へえ
)
いんなすって、
麦湯
(
むぎゆ
)
でも召上っておくんなさい』
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「どうしたんべ、
入
(
へえ
)
つちや
越
(
こ
)
せめえか」
船頭
(
せんどう
)
の
方
(
はう
)
を
向
(
む
)
いて
彼
(
かれ
)
はいつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
「
入
(
へえ
)
ったら——」
南国太平記
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
元気な小僧だし、己の若くっていい男だった時に
生写
(
いきうつ
)
しだからよ。いつも己はお前が仲間に
入
(
へえ
)
ってくれて、紳士で死んで
貰
(
もれ
)
えてえもんだと思ってた。
宝島:02 宝島
(新字新仮名)
/
ロバート・ルイス・スティーブンソン
(著)
「それに、お客樣は
跣足
(
はだし
)
だ。大玄關からは上られませんよ——さア、遠慮はいらねえ、其處から
入
(
へえ
)
つて來るが宜い」
銭形平次捕物控:072 買つた遺書
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
浮舟さんが
燗部屋
(
かんべや
)
に
下
(
さが
)
っていて、
七日
(
なぬか
)
ばかり腰が立たねえでさ、夏のこッた、湯へ
入
(
へえ
)
っちゃあ
不可
(
いけね
)
えと固く留められていたのを、
悪汗
(
わるあせ
)
が
酷
(
ひど
)
いといって
註文帳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
長「それも知らねいのだが、この拇指の
入
(
へえ
)
るくれえの穴がポカンと
開
(
あ
)
いていて、暑さ寒さに痛んで困るのよ」
名人長二
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「その代りには、あの男、生れてはじめて二千と三千
纏
(
まとま
)
ったものを握ったんだ。——門のある家へ
入
(
へえ
)
って急に三人と書生を置いたんだ。——いっそ思い置くことはあるめえ。」
春泥
(新字新仮名)
/
久保田万太郎
(著)
「じゃ船へ
入
(
へえ
)
るものはこれだけかい。何も他に忘れ物はあるめえな利助」
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
お
前
(
めえ
)
、滝の処はやっぱり
真暗
(
まっくら
)
だっさ。野郎とうとう、めんないちどりで、ふん
捕
(
づかめ
)
えて、口説こうと、ええ、そうさ、長い奴を一本
引提
(
ひっさ
)
げて
入
(
へえ
)
ったって。
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
權「他に心得はねえが、
夜夜中
(
よるよなか
)
乱暴な奴が
入
(
へえ
)
るとなりませんから、
私
(
わし
)
ゃア寝ずに御殿の
周囲
(
まわり
)
を
内証
(
ないしょう
)
で見廻っていますよ、もし狐でも出れば
打殺
(
ぶっころ
)
そうと思ってます」
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
あわてるなよ、八、これから話が本筋に
入
(
へえ
)
るんだ、——叔母さんもそう言ったぜ、同じことなら八五郎の気に入ったのがよかろうと、な。よく解った話じゃないか。
銭形平次捕物控:086 縁結び
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
幾ら相場が狂ったって、日本橋から馬車に乗って、上野を
歩
(
てく
)
で、道端の井戸で
身体
(
からだ
)
を洗って、
蟋蟀
(
きりぎりす
)
の巣へ
入
(
へえ
)
ってさ、山出しにけんつくを喰って、不景気な。
三枚続
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
男「おい/\番頭さん見てやれ/\、長く湯に
入
(
へえ
)
っていたものだから眼が
眩
(
まわ
)
って
顛倒
(
ひっくりかえ
)
ったのだろう」
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「ね、親分、この不景気に、十二文の木戸を払ってこれだけ
入
(
へえ
)
るんだから——」
銭形平次捕物控:016 人魚の死
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
奴
(
やつこ
)
、
入
(
へえ
)
れ、さあ、
何
(
なに
)
が
熱
(
あつ
)
い、
何
(
なに
)
が
熱
(
あつ
)
いんだい。べらぼうめ、
弱
(
よわ
)
い
音
(
ね
)
を
吐
(
は
)
くねえ、
此
(
こ
)
の
小僧
(
こぞう
)
、
何
(
ど
)
うだ。」
銭湯
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
あい、はアー……あい/\……何だとえ、泥坊が
入
(
へい
)
ったとえあれま何うもはア油断のなんねえ、庭伝えに
入
(
へえ
)
ったか、
何
(
なん
)
にしろ暗くって仕様がねえ、店の方へ
往
(
い
)
って
灯
(
あかり
)
を
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「まア
入
(
へえ
)
んな、——お富、お富、俺の古馴染の東作さんだ。挨拶をするがいい」
銭形平次捕物控:075 巾着切りの娘
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
病院長の奥様より、馬小屋へ
入
(
へえ
)
っても、早瀬と世帯が持ちたいとよ。お菅さんにも聞いて見ねえ。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
此方からお手当を戴き嚊を
宅
(
うち
)
へ置いて看病をすると、
私
(
わっち
)
も堅気の職人ですから、そんな事が親方の耳へでも
入
(
へえ
)
れば、
手前
(
てめえ
)
は
遊
(
あす
)
んでいて他から銭を貰う、飛んでもねえ奴だ
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「まア
入
(
へえ
)
んな、——お富、お富、俺の古馴染の東作さんだ。挨拶をするがいゝ」
銭形平次捕物控:075 巾着切の娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
何でも徳川様
瓦解
(
がかい
)
の時分に、
父様
(
おとっさん
)
の方は上野へ
入
(
へえ
)
んなすって、お前、お嬢さんが
可哀
(
かわい
)
そうにお邸の前へ
茣蓙
(
ござ
)
を敷いて、
蒔絵
(
まきえ
)
の重箱だの、お
雛様
(
ひなさま
)
だの、
錦絵
(
にしきえ
)
だのを売ってござった
註文帳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
己
(
おら
)
が手に
入
(
へえ
)
るのは
罰
(
ばち
)
だ、
併
(
しか
)
しこれも世間へ出せねえ文、己ア娘の書いた此の文も世間へ出せねえ文だから、此の二通とも一緒にして囲炉裏の中へ
投焚
(
つッく
)
べて
反故
(
ほご
)
にすべえじゃねえか
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
仰せの通りだが、湯へ
入
(
へえ
)
っても、髪結床へ行っても、米の高え話を聴かされると、あっしのような不自由を知らねえ人間も、ツイ人付き合いに、同じせりふが言ってみたくなるじゃありませんか。
銭形平次捕物控:044 お民の死
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
己
(
おれ
)
が草を刈って来て喰わせる時も毒な草が
入
(
へえ
)
って居ちゃアいけねえからと思って、
茅草
(
かやぐさ
)
ばかり拾って喰わせるようにしたから、
汝
(
われ
)
も
大
(
でか
)
い坂を
越
(
こえ
)
るにも
艱
(
つれ
)
え顔を一つした事はねえで
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
入
常用漢字
小1
部首:⼊
2画
“入”を含む語句
這入
出入
入来
入用
入交
入替
収入
嫁入
入込
入牢
入費
混入
絶入
恐入
被入
侵入
御入来
入口
煙草入
押入
...