僕等ぼくら)” の例文
ぼくおもふに、いつたい僕等ぼくら日本人にほんじん麻雀マージヤンあそかた神經質しんけいしつぎる。あるひ末梢的まつせうてきぎる。勿論もちろんあらそひ、とらへ、相手あひてねら勝負事しようぶごとだ。
麻雀を語る (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
玄関番げんくわんばん書生しよせい不作法ぶさはふ取扱とりあつかひけると、其処そこ主人迄しゆじんまでがいやになる。著米ちやくべい早々さう/\始末しまつは、すくなからず僕等ぼくら不快ふくわいあたへた。(四月三日)
検疫と荷物検査 (新字旧仮名) / 杉村楚人冠(著)
変って居るのは唯々ただ何時いつもの通り夜になると不動様を拝むことだけで、僕等ぼくらもこれは最早もはや見慣れて居るからしいて気にもかゝりませんでした。
運命論者 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
僕等ぼくらはもう廣小路ひろこうぢの「常盤ときわ」にあのわんになみなみとつた「おきな」をあぢはふことは出來できない。これは僕等ぼくら下戸仲間げこなかまためにはすくなからぬ損失そんしつである。
しるこ (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
ホラ、小学校時代僕等ぼくらがよくいたずらをした、あの美しい優等生の女の子さ。たしか、僕達より三年ばかり下の級だったが
(新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
「そんなら結構だ、さあもう兄さんたちはよくおやすみだ。ならノ木大学士と云うやつもよくねむっている。さっきから僕等ぼくらゆめを見ているんだぜ。」
楢ノ木大学士の野宿 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
「腕なんぞで、君、何が出来るかネ。僕等ぼくらよりズットえらい人だって、腕なんかがアテになるものじゃあるまい。」
鵞鳥 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
うも杉山すぎやまえらい者ぢやの、うもこの行文かうぶん簡単かんたんにしての意味深く僕等ぼくらの遠くおよところではない、つてみなめてつたぜ、あとほう松嶋まつしまの詩があつたの
世辞屋 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
其にしても君、僕等ぼくら一生いつしよかんがへて見れば、あの勞働者なんかと餘りちがやしないな。
虚弱 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
だれと指すと、その人の名誉に関係するから云えない。また判然と証拠しょうこのない事だから云うとこっちの落度になる。とにかく、せっかく君が来たもんだから、ここで失敗しちゃ僕等ぼくらも君を
坊っちゃん (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
僕等ぼくらもポンプへ行かう!」
怪艦ウルフ号 (新字旧仮名) / 宮原晃一郎(著)
おそらくこれいてのかんじがわかるといふだけでも僕等ぼくら日本人にほんじん歐米人達おうべいじんたちよりもずつとずつと麻雀マアジヤンあぢはたのしみかたふかいだらうと想像さうざうされる。
麻雀を語る (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
「だからどうだって云うのだい。僕等ぼくらにして見れば、そんな暢気らしい理窟りくつを云っている場合ではないんだが」
灰神楽 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
大島小學校おほしませうがくかうたものが、いま東京とうきやう三人さんにんます。これがぼく同窓どうさうです。此三人このさんにんあつまるくわい僕等ぼくら同窓會どうさうくわいです。其一人そのひとり三田みた卒業そつげふしていま郵船會社いうせんぐわいしやます。
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
それも「常盤ときわ」の「しるこ」に匹敵ひつてきするほどの珈琲コーヒーませるカツフエでもあれば、まだ僕等ぼくら仕合しあはせであらう。が、かう珈琲コーヒーむことも現在げんざいではちよつと不可能ふかのうである。
しるこ (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
そして僕等ぼくらつき一度いちど同窓會どうさうくわいひらいて一夕いつせきもつときよく、もつとたのしくかたあそぶのです。
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
わたしはいつもっていたことですが、滝田たきたさんは、徳富蘇峰とくとみそほう三宅雄二郎みやけゆうじろう諸氏しょしからずっとくだって僕等ぼくらよりもっととしわかひとにまで原稿げんこうつうじて交渉こうしょうがあって、色々いろいろ作家さっか逸話いつわっていられるので
夏目先生と滝田さん (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
のみならず僕等ぼくら東京とうきやうためにもやはりすくなからぬ損失そんしつである。
しるこ (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)