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傲然
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がうぜん
ふりがな文庫
“
傲然
(
がうぜん
)” の例文
大膽な
執念深
(
しふねんぶか
)
い、
傲然
(
がうぜん
)
とした一個の紳士が、何だか、自分の雇人の中でも一番
賤
(
いや
)
しいものに左右せられてゐるやうに思はれるのだ。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
左に
雛妓
(
すうぎ
)
を従へ、
猥褻
(
わいせつ
)
聞くに堪へざるの俚歌を高吟しつつ、
傲然
(
がうぜん
)
として
涼棚
(
りやうはう
)
の上に
酣酔
(
かんすゐ
)
したる、かの肥大
豕
(
ゐ
)
の如き満村恭平をも記憶す可し。
開化の殺人
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
旦那
(
だんな
)
は
徐羣夫
(
じよぐんふ
)
と
云
(
い
)
ふ
田舍大盡
(
ゐなかだいじん
)
。
忘其郡邑矣
(
そのぐんいうをわする
)
、とあるから
何處
(
どこ
)
のものとも
知
(
し
)
れぬが、
案
(
あん
)
ずるに
金丸商店
(
かねまるしやうてん
)
仕入
(
しい
)
れの
弗箱
(
どるばこ
)
を
背負
(
しよ
)
つて、
傲然
(
がうぜん
)
と
控
(
ひか
)
へる
人體
(
じんてい
)
。
画の裡
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
平たき
面
(
おもて
)
に半白の
疎髯
(
そぜん
)
ヒネリつゝ
傲然
(
がうぜん
)
として乗り入る
後
(
うし
)
ろより、
未
(
ま
)
だ十七八の盛装せる
島田髷
(
しまだまげ
)
の少女、
肥満
(
ふとつちよう
)
なる体をゆすぶりつゝ
笑
(
ゑみ
)
傾
(
かたむ
)
けて従へり
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
又
薄菊石
(
うすあばた
)
の五十格好の男のやうに、吊皮に揺られて居る老婆を
傲然
(
がうぜん
)
と睥睨しながらふんぞり返つて居る方が、何れほど男らしいか分らないと思つた。
我鬼
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
▼ もっと見る
もう大ていいゝだらうと思ってうしろをちょっと振り返って見たらその若者はみちのまん中に
傲然
(
がうぜん
)
と立ってまるでにらみ殺すやうにこっちを見てゐた。
税務署長の冒険
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
あの立派な
髯
(
ひげ
)
を
生
(
は
)
やして
傲然
(
がうぜん
)
と構へてゐるパリの紳士が、信仰のことで奥さんにたしなめられてゐるのです。
亜剌比亜人エルアフイ
(新字旧仮名)
/
犬養健
(著)
彼れは其学識を
衒
(
てら
)
ひて、ミル、スペンサー、ベンダム、ハックスレー、何でも御座れと並べ立てゝ
傲然
(
がうぜん
)
たること
猶
(
なほ
)
今の井上博士が仏人、独逸人、魯人、以太利人
明治文学史
(新字旧仮名)
/
山路愛山
(著)
昔者
(
むかしは
)
カーライル、弊衣を着、破帽をいたゞいて、一日馬車を
竜動
(
ロンドン
)
街頭に
駆
(
か
)
る。一市民見て声をあげて笑ふて曰く、かの
乞丐
(
かたゐ
)
の如くして
傲然
(
がうぜん
)
車上にあるは誰ぞ、と。
閑天地
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
そして、
傲然
(
がうぜん
)
と、河岸のアラビア人の家をたゝきおこし、トルコ軍の火薬庫へ重要貨物をはこぶについて、数人の人夫がいる、すぐにそろへ集めろと命令しました。
勇士ウ※[#小書き片仮名ヲ]ルター(実話)
(新字旧仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
船橋
(
せんけう
)
の
上
(
うへ
)
にはビール
樽
(
だる
)
のやうに
肥滿
(
ひまん
)
した
船長
(
せんちやう
)
が、
赤
(
あか
)
き
頬髯
(
ほゝひげ
)
を
捻
(
ひね
)
りつゝ
傲然
(
がうぜん
)
と四
方
(
はう
)
を
睥睨
(
へいげい
)
して
居
(
を
)
る。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
小豆澤小六郎は八五郎に見護られながら、それでも肩を
聳
(
そび
)
やかして、
傲然
(
がうぜん
)
と平次に從ひます。
銭形平次捕物控:164 幽霊の手紙
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
斯う言つて、音作は愚しい目付をしながら、
傲然
(
がうぜん
)
とした地主の顔色を
窺
(
うかゞ
)
ひ澄ましたのである。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
ふところ手して
傲然
(
がうぜん
)
とかまへてゐる大親分のやうにさへ見えたのであるが、私は、さう富士に頼んで、大いに安心し、気軽くなつて茶店の六歳の男の子と、ハチといふむく犬を連れ
富嶽百景
(新字旧仮名)
/
太宰治
(著)
凡
(
すべ
)
ての惨事は人間の愚かさと不注意と無自覚とに帰せしめてゐるかのやうに起重機は
傲然
(
がうぜん
)
と突つ立つてゐた。丸田は急いで通り過ぎた。嘉吉は其の先の石段を下りて小船に飛び乗つた。
煤煙の匂ひ
(新字旧仮名)
/
宮地嘉六
(著)
運よくして思ふこと図に当りなば
傲然
(
がうぜん
)
として人を
凌
(
しの
)
ぎ、運あしくして
躬
(
み
)
蹙
(
きはま
)
りなば憂悶して天を恨む。凌がるゝ人は凌ぐ人よりも真に愚かなりや、恨まるゝ天は恨む人の心を測り得べきや。
哀詞序
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
傲然
(
がうぜん
)
とただで
澄
(
す
)
ましかへつてはいつてゆくやうになる。
むぐらの吐息
(旧字旧仮名)
/
長谷川時雨
(著)
一方ブロクルハースト氏は、手を後に組んで、
爐邊
(
ろへん
)
に立ち、
傲然
(
がうぜん
)
と全生徒を見渡してゐた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
道連
(
みちづれ
)
になつた
上人
(
しやうにん
)
は、
名古屋
(
なごや
)
から
此
(
こ
)
の
越前
(
えちぜん
)
敦賀
(
つるが
)
の
旅籠屋
(
はたごや
)
に
来
(
き
)
て、
今
(
いま
)
しがた
枕
(
まくら
)
に
就
(
つ
)
いた
時
(
とき
)
まで、
私
(
わたし
)
が
知
(
し
)
つてる
限
(
かぎ
)
り
余
(
あま
)
り
仰向
(
あふむ
)
けになつたことのない、
詰
(
つま
)
り
傲然
(
がうぜん
)
として
物
(
もの
)
を
見
(
み
)
ない
質
(
たち
)
の
人物
(
じんぶつ
)
である。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
この時、我が帽子も亦我と共にこの名誉なる一商船の機関長閣下をも
憚
(
はばか
)
らず、
傲然
(
がうぜん
)
として笑へるが如くなりき。その夜、マストにかゝる
亥中
(
ゐなか
)
の月の、淋しくも凍れるが如き光にも我と共に浴びぬ。
閑天地
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
わたしに向つて
傲然
(
がうぜん
)
と構へてゐるのを見た時に——今になつて何もかもわたしの愚かさを正直に云ふのだが——わたしは三十余年前に、わたしがまだ私立大学の聴講生で下宿屋にゴロ/\してゐた頃
愚かな父
(新字旧仮名)
/
犬養健
(著)
よそ/\しい
會釋
(
ゑしやく
)
か冷淡な一瞥をくれたきりで、
傲然
(
がうぜん
)
として冷やかに私の傍を行き過ぎてしまふこともあつたし、また紳士らしい
愛想
(
あいそ
)
のよさで、
會釋
(
ゑしやく
)
したり微笑したりすることもあつた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
鼠
(
ねずみ
)
が
柱
(
はしら
)
に
隱
(
かく
)
れた。やがて、
呪
(
のろ
)
へる
日
(
ひ
)
の、
其
(
そ
)
の
七日前
(
なぬかまへ
)
に、
傲然
(
がうぜん
)
と
出
(
で
)
て
來
(
き
)
た。
間引菜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「
其
(
そ
)
の
通
(
とほ
)
り。」と
傲然
(
がうぜん
)
として、
坊主
(
ばうず
)
は
身構
(
みがま
)
へ
為
(
し
)
て
袖
(
そで
)
を
掲
(
かゝ
)
げた。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
『
知
(
し
)
るものか。』と
傲然
(
がうぜん
)
とした
調子
(
てうし
)
で
言
(
い
)
つた。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
傲
常用漢字
中学
部首:⼈
13画
然
常用漢字
小4
部首:⽕
12画
“傲”で始まる語句
傲慢
傲岸
傲
傲語
傲岸不遜
傲慢不遜
傲骨
傲岸不屈
傲慢無礼
傲遊