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乗
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じょう
ふりがな文庫
“
乗
(
じょう
)” の例文
旧字:
乘
ジュリアは
夜陰
(
やいん
)
に
乗
(
じょう
)
じてポントスの寝室を襲い、まずナイフで一撃を加え、それからあのレコードで『赤い苺の実』を鳴らしたんです。
恐怖の口笛
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
むろんそれは、
手組
(
てぐみ
)
の
筏
(
いかだ
)
にのって
濠
(
ほり
)
をこえ、
館
(
たち
)
のそうどうに
乗
(
じょう
)
じて、ここへ
潜入
(
せんにゅう
)
してきた、
木隠龍太郎
(
こがくれりゅうたろう
)
と
巽小文治
(
たつみこぶんじ
)
のふたりである。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
余は
興
(
きょう
)
に
乗
(
じょう
)
じた。運転手台に前途を
睥睨
(
へいげい
)
して
傲然
(
ごうぜん
)
として腰かけた。道があろうと、無かろうと、斯速力で世界の果まで
驀地
(
まっしぐら
)
に駈けて見たくなった。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
而
(
しこう
)
して露国またその
虚
(
きょ
)
に
乗
(
じょう
)
ぜんとす。その
危機
(
きき
)
実に
一髪
(
いっぱつ
)
と
謂
(
い
)
わざるべからず。
若
(
も
)
し幕府にして
戦端
(
せんたん
)
を開かば、その
底止
(
ていし
)
するところ
何
(
いずれ
)
の
辺
(
へん
)
に在るべき。
瘠我慢の説:04 瘠我慢の説に対する評論について
(新字新仮名)
/
石河幹明
(著)
そうして、騒ぎが静まるのを待ち、人知れず上陸して、
夜陰
(
やいん
)
に
乗
(
じょう
)
じて逃亡しようという企らみであったに相違ない。
黄金仮面
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
▼ もっと見る
武者之助はキッと鋭い眼で右門の様子を打ち見守り、
乗
(
じょう
)
ずべき隙がちょっとでもあったら飛びかかろうと身構えた。
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
若い地鶏は、勝に
乗
(
じょう
)
じてそのあとを追ったが、やがて、築山の頂に立って大きな羽ばたきをした。そして牝鶏の群を見おろしながら、たかだかと
喉笛
(
のどぶえ
)
を鳴らした。
次郎物語:01 第一部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
多勢が四方から、
咳
(
せ
)
き入る先生をなでるやら、
擦
(
さす
)
るやら、
半暗
(
はんあん
)
のひと
間
(
ま
)
のうちが、ざわざわ騒ぎたったすきに
乗
(
じょう
)
じて、お蓮さまはするりと脱け出て、廊下に立ちいでた。
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
いろ/\の話の中に英人が薩摩湾に
碇泊
(
ていはく
)
中
菓物
(
くだもの
)
が欲しいと云うと、薩摩人が之を進上する風をしてその機に
乗
(
じょう
)
じて
斬込
(
きりこ
)
もうとして出来なかったと云うような
種々
(
しゅじゅ
)
様々な話がありますが
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
万一の場合を
慮
(
おもんぱか
)
りてあるいは
貯蓄
(
ちょちく
)
するなり、あるいは新事業に手を出すことを
慎
(
つつし
)
むなり、あるいは繁昌に
乗
(
じょう
)
じて
驕奢
(
きょうしゃ
)
を極むることを
矯
(
た
)
めたりすれば、不幸にして利あらぬ事ありとするも
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
摩訶止観
(
まかしかん
)
とか止観十
乗
(
じょう
)
とかいって、観法というのはむずかしいものなんだ。
予言
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
その時、
興
(
きょう
)
に
乗
(
じょう
)
じて左の
拙句
(
せっく
)
を
吐
(
は
)
いてみた。
植物知識
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
かねがね電話使用を禁じたのは、例の時限爆弾のことで、博士に面会しようという
輩
(
やから
)
に
乗
(
じょう
)
ぜられるのを恐れてのことであった。
時限爆弾奇譚:――金博士シリーズ・8――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
英邁
(
えいまい
)
ではあらせられるが、一面のご気性には、周囲の虚勢、排他、利害などの私心に
乗
(
じょう
)
じられるおそれも多分にないではない。
私本太平記:09 建武らくがき帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
右のごとき
始末
(
しまつ
)
にして、外国政府が日本の内乱に
乗
(
じょう
)
じ
兵力
(
へいりょく
)
を用いて
大
(
おおい
)
に
干渉
(
かんしょう
)
を試みんとするの
意志
(
いし
)
を
懐
(
いだ
)
きたるなど
到底
(
とうてい
)
思
(
おも
)
いも寄らざるところなれども
瘠我慢の説:04 瘠我慢の説に対する評論について
(新字新仮名)
/
石河幹明
(著)
右のごとく上士の気風は少しく
退却
(
たいきゃく
)
の
痕
(
あと
)
を
顕
(
あら
)
わし、下士の力は
漸
(
ようや
)
く進歩の路に在り。一方に
釁
(
きん
)
の
乗
(
じょう
)
ずべきものあれば、他の一方においてこれを
黙
(
もく
)
せざるもまた自然の
勢
(
いきおい
)
、これを
如何
(
いかん
)
ともすべからず。
旧藩情
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
火事の騒ぎに
乗
(
じょう
)
じて、彼女を奪い返そうと企てたのだ。
妖虫
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
蜂矢は、その
機
(
き
)
に
乗
(
じょう
)
じて、長い繃帯をといた。なるほど、繃帯はどこもまっ白で血に
染
(
そま
)
っているところは見あたらなかった。
金属人間
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
一つ 混乱に
乗
(
じょう
)
じて、部下の兇兵を
使嗾
(
しそう
)
し、宮に害刃を加えたてまつる。天人ともに憎むところ。その罪の八。
私本太平記:10 風花帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
或
(
あるい
)
は商人のごときは
兵乱
(
へいらん
)
のために
兵器
(
へいき
)
を
売付
(
うりつ
)
くるの道を得てひそかに
喜
(
よろこ
)
びたるものありしならんといえども、その
隙
(
すき
)
に
乗
(
じょう
)
じて政治的
干渉
(
かんしょう
)
を
試
(
こころ
)
みるなど
企
(
くわだ
)
てたるものはあるべからず。
瘠我慢の説:04 瘠我慢の説に対する評論について
(新字新仮名)
/
石河幹明
(著)
宮廷内の割れ目や、新政府不信の民心に
乗
(
じょう
)
じて、がぜん、諸国に高まってきた春早々からの
兆候
(
ちょうこう
)
はそれだった。
私本太平記:09 建武らくがき帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「オイみんな。元気を出せ」と警部が低いが
底力
(
そこぢから
)
のある声で云いました。「この機に
乗
(
じょう
)
じて一同前進ッ」
崩れる鬼影
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
鹿之介ほどの人物にも、
乗
(
じょう
)
じられる隙はあった。骨肉の情には、つい心のすべてを、奪われていたとみえる。
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
夫人を
美酒
(
びしゅ
)
に酔わせるか、
鴉片
(
あへん
)
をつめた水管の味に正体を失わせるか、それとも夫人の安心をかちえたエクスタシーの直後の
陶酔境
(
とうすいきょう
)
に
乗
(
じょう
)
じて、堕胎手術を加えようか
振動魔
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
西風に
乗
(
じょう
)
じて火をはなたば、前方の
嶮
(
けん
)
は
城兵
(
じょうへい
)
の
墓穴
(
はかあな
)
、とりでも
自滅
(
じめつ
)
のほかはあるまいと思うがいかに
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
この機会に
乗
(
じょう
)
じて、金博士の最近の発明兵器を調べておいてやろうと、たちまちチーア卿は先祖から継承の
海賊眼
(
かいぞくまなこ
)
を
炯々
(
らんらん
)
と輝かし、そこらをごそごそやりだしたことである。
共軛回転弾:――金博士シリーズ・11――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「何とか、筑前どのへ、お
取做
(
とりな
)
しをもって、主人成政の一命、お救い上げねがわしゅう存じまする。そのため、
夜陰
(
やいん
)
に
乗
(
じょう
)
じ、恥をしのんで、おすがりに参った次第で……」
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
おおむね、内に理由をもち、自壊に
乗
(
じょう
)
ぜられ、強力な野性に取って代られること、古今、歴史の
証
(
あか
)
すところです。これを、保元、平治の大乱にみても、例外ではありません。
随筆 新平家
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
時雲
(
じうん
)
に
乗
(
じょう
)
じて、大坂城のあるじとなり、意志のまま、私生活も、政治上の理想も、やや行い得る身になってみると、自分以外の、同じ月日の下の人間たちが、なおさら不愍でならなくなった。
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
たまたまの風雲に
乗
(
じょう
)
じ、関東の野より、俄に、
中原
(
ちゅうげん
)
へ兵馬を張って出た私への、かずかずなる
御寵恩
(
ごちょうおん
)
やら、また人をも超えた御信任を賜わったことなどは、日は
経
(
へ
)
ても、何で忘れておりましょう
私本太平記:12 湊川帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
うまうまと
乗
(
じょう
)
じられた
呂宋兵衛
(
るそんべえ
)
は、まったく
竹童
(
ちくどう
)
の
言
(
げん
)
に
惑酔
(
わくすい
)
して
穴山
(
あなやま
)
の
残党
(
ざんとう
)
がなんといおうと、
轟
(
とどろき
)
や
昌仙
(
しょうせん
)
のやからが
疑
(
うたが
)
わしげに反省をもとめても、
頑
(
がん
)
としてきかず、秘法の星まつりを行うべく
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と、みかどのお
怒
(
いか
)
りに
乗
(
じょう
)
じて、正成の処置を仰ぎに出たものだった。
私本太平記:11 筑紫帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「もし、
先
(
せん
)
を打たれて、宮のたくみに
乗
(
じょう
)
ぜられたら?」
私本太平記:09 建武らくがき帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
乗
常用漢字
小3
部首:⼃
9画
“乗”を含む語句
乗掛
乗馬
名乗
上乗
乗客
乗合自動車
乗合
船乗
合乗
相乗
乗組
乗組員
乗出
乗込
乗越
馬乗
便乗
岩乗
乗換
乗切
...