“時雲”の読み方と例文
読み方割合
じうん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
時雲じうんじょうじて、大坂城のあるじとなり、意志のまま、私生活も、政治上の理想も、やや行い得る身になってみると、自分以外の、同じ月日の下の人間たちが、なおさら不愍でならなくなった。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
城園じょうえんの奥に、毘沙門堂びしゃもんどうがあった。ふたりは、月もる濡れ縁に腰かけて、天下の人物を論じ、時雲じうんを語りあい、また若い生命をこのときにうけた身を祝福しあって、夜のくるのもわすれていた。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)