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下衣
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したぎ
ふりがな文庫
“
下衣
(
したぎ
)” の例文
夜分は自分の着て居る袈裟と
下衣
(
したぎ
)
とが夜着であって、その上に一枚の
古毛布
(
ふるけっと
)
でもあれば余程よいのですが、それもないのが多い。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
辻の
風説
(
うわさ
)
、会うものごとに申し伝えて、時計の針が一つ一つ
生命
(
いのち
)
を削りますようで、皆、
下衣
(
したぎ
)
の襟を開けるほど、胸が苦しゅうござりましたわ。
わか紫
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
その
娘
(
こ
)
はよほど
良
(
よ
)
い
家柄
(
いえがら
)
の
生
(
うま
)
れらしく、
丸
(
まる
)
ポチャの
愛
(
あい
)
くるしい
顔
(
かお
)
にはどことなく
気品
(
きひん
)
が
備
(
そな
)
わって
居
(
お
)
り、
白練
(
しろねり
)
の
下衣
(
したぎ
)
に
薄
(
うす
)
い
薄
(
うす
)
い
肉色
(
にくいろ
)
の
上衣
(
うわぎ
)
を
襲
(
かさ
)
ね
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
粗末
(
そまつ
)
な
布
(
きれ
)
の
下衣
(
したぎ
)
しか
着
(
き
)
てゐないで、
足
(
あし
)
には
何
(
なに
)
も
履
(
は
)
かず、
眼
(
め
)
は
落着
(
おちつ
)
いてゐて、
別
(
べつ
)
に
驚
(
おどろ
)
いた
風
(
ふう
)
も
無
(
な
)
く、こちらを
見上
(
みあ
)
げた。
癩病やみの話
(新字旧仮名)
/
マルセル・シュウォッブ
(著)
芳村伊織は溺れそうになった人間のように、激しく
喘
(
あえ
)
ぎながらおりうの帯を解き、着物をぬがせ
下衣
(
したぎ
)
を
剥
(
は
)
いだ。しかし彼にはそこまでしかできなかった。
滝口
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
▼ もっと見る
「杖一つのほかは何をも持たず、
糧
(
かて
)
も
嚢
(
ふくろ
)
も、帯の中に銭をも持たず、ただ
草鞋
(
わらじ
)
ばかりをはきて、二つの
下衣
(
したぎ
)
をも着ざることを命じ給えり」とあります(六の八、九)。
イエス伝:マルコ伝による
(新字新仮名)
/
矢内原忠雄
(著)
四月八日の
仏生日
(
たんじょうび
)
が来た。許宣は
興
(
きょう
)
が
湧
(
わ
)
いたので
承天寺
(
しょうてんじ
)
へ往って
仏生会
(
たんじょうえ
)
を見ようと白娘子に話した。白娘子は新らしい
上衣
(
うわぎ
)
と
下衣
(
したぎ
)
を出してそれを着せ、
金扇
(
きんせん
)
を持って来た。
蛇性の婬 :雷峰怪蹟
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
彼女が
靴足袋
(
くつたび
)
したる両足をば膝の上までも
現
(
あらは
)
し、其の片足を片膝の上に組み載せ、
下衣
(
したぎ
)
の胸ひろく、乳を見せたる半身を
後
(
うしろ
)
に
反
(
そら
)
し、あらはなる腕を上げて両手に後頭部を支へ
夜あるき
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
浮世を忍ぶ
旅路
(
たびぢ
)
なればにや、一人は
深編笠
(
ふかあみがさ
)
に
面
(
おもて
)
を隱して、
顏容
(
かほかたち
)
知
(
し
)
るに由なけれども、其の裝束は世の常ならず、
古錦襴
(
こきんらん
)
の
下衣
(
したぎ
)
に、
紅梅萌黄
(
こうばいもえぎ
)
の
浮文
(
うきあや
)
に
張裏
(
はりうら
)
したる
狩衣
(
かりぎぬ
)
を着け、
紫裾濃
(
むらさきすそご
)
の袴腰
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
罌粟色
(
けしいろ
)
の
薔薇
(
ばら
)
の花、
藥局
(
やくきよく
)
の花、あやしい
媚藥
(
びやく
)
を呑んだ時の夢心地、
贋
(
にせ
)
の
方士
(
はうし
)
が
被
(
かぶ
)
る
頭巾
(
づきん
)
のやうな
薄紅
(
うすあか
)
い花、
罌粟色
(
けしいろ
)
の
薔薇
(
ばら
)
の花、馬鹿者どもの手がおまへの
下衣
(
したぎ
)
の
襞
(
ひだ
)
に
觸
(
さは
)
つて
顫
(
ふる
)
へることもある
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
彼女のスカートには、まだ男喰いの獣性が、垢臭く匂っているかに思われたが、それはとうに外されていて、今ではコルセットも
下衣
(
したぎ
)
もなく、こうして彼女は、男の前で真裸にされたのである。
潜航艇「鷹の城」
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
帯
(
おび
)
のなかに
金
(
きん
)
・
銀
(
ぎん
)
または
銭
(
ぜに
)
を
持
(
も
)
つな。
旅
(
たび
)
の
嚢
(
ふくろ
)
も、
二枚
(
にまい
)
の
下衣
(
したぎ
)
も、
鞋
(
くつ
)
も、
杖
(
つえ
)
も
持
(
も
)
つな。
視
(
み
)
よ、
我
(
われ
)
なんじらを
遣
(
つかわ
)
すは、
羊
(
ひつじ
)
を
豺狼
(
おおかみ
)
のなかに
入
(
い
)
るるが
如
(
ごと
)
し。この
故
(
ゆえ
)
に
蛇
(
へび
)
のごとく
慧
(
さと
)
く、
鴿
(
はと
)
のごとく
素直
(
すなお
)
なれ。
斜陽
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
その身に付けた
下衣
(
したぎ
)
までが、
殺戮者
(
さつりくしゃ
)
に対する貢物として、自分の目の前に
晒
(
さら
)
されているのを見ながら、なおその飽き足らない欲心は、さすが悪人の市九郎の目をこぼれた頭のものにまで及んでいる
恩讐の彼方に
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
そのときふと見ると、私の
下衣
(
したぎ
)
のボタンに女の長い髪の毛がいっぱいにからみついているではありませんか。わたしはふるえる指さきで、一つ一つにその毛を摘み取って、窓の外へ投げ捨てました。
世界怪談名作集:15 幽霊
(新字新仮名)
/
ギ・ド・モーパッサン
(著)
下衣
(
したぎ
)
を
剥
(
ぬ
)
がせて地にひき伏せ、
鞭
(
むち
)
をあげて打ち据えるのである。
中国怪奇小説集:17 閲微草堂筆記(清)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
御召物
(
おめしもの
)
は、これは
又
(
また
)
私
(
わたくし
)
どもの
服装
(
ふくそう
)
とはよほど
異
(
ちが
)
いまして、
上衣
(
うわぎ
)
はやや
広
(
ひろ
)
い
筒袖
(
つつそで
)
で、
色合
(
いろあ
)
いは
紫
(
むらさき
)
がかって
居
(
お
)
りました、
下衣
(
したぎ
)
は
白地
(
しろじ
)
で、
上衣
(
うわぎ
)
より二三
寸
(
ずん
)
下
(
した
)
に
延
(
の
)
び
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
安二郎の手であらあらしく胸がひらかれ、伸ばした両足を左右にひろげて、裾が
捲
(
まく
)
られ
下衣
(
したぎ
)
が捲られた。
榎物語
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
高品さん夫妻にさえ話さず、売り残って半ば不用の本の詰った四つの本箱や、机や、やぶれ
蒲団
(
ぶとん
)
や穴だらけの
蚊屋
(
かや
)
。よごれたまま押入へ突込んである
下衣
(
したぎ
)
や足袋類。
青べか物語
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
よごれたまま押入へ突込んである
下衣
(
したぎ
)
や足袋類。
青べか物語
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
“下衣(ボトムス)”の解説
ボトムス(en: bottoms)は、下半身に着る服である。日本語の「下衣(かい)」に相当する。対義語は「トップス」。
上記の意味になるのは複数形のbottomsのみであり、単数形のbottomはその限りではない。なお、下衣をしたごろもと読むと下着を指す。
(出典:Wikipedia)
下
常用漢字
小1
部首:⼀
3画
衣
常用漢字
小4
部首:⾐
6画
“下”で始まる語句
下
下手
下駄
下手人
下谷
下婢
下総
下司
下野
下僕