“きせい”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
稀世21.0%
奇声11.1%
祈誓9.9%
帰省9.9%
気勢9.9%
既成7.4%
祈晴3.7%
歸省2.5%
希世2.5%
奇聲2.5%
季世2.5%
寄生2.5%
祈請2.5%
奇世1.2%
寄棲1.2%
旗旌1.2%
棊声1.2%
棋聖1.2%
碁聖1.2%
紀清1.2%
記性1.2%
起誓1.2%
鬼声1.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
其後そのご一週間いつしゆうかんむなしく※去すぎさつたならば、櫻木大佐さくらぎたいさつひには覺悟かくごさだめて、稀世きせい海底戰鬪艇かいていせんとうていともに、うみ藻屑もくづえてしまうことであらう。
廊下ろうか欄間らんまへしのびこんだあやしき諜者ちょうじゃが、いきなり、奇声きせいをあげて長安ながやすかたへとびついた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
福徳の大神おほかみ祈誓きせいをかけたからで、その証拠にはあの男が絵を描いてゐる所を、そつと物陰ものかげから覗いて見ると、必ず陰々として霊狐の姿が、一匹ならず前後左右に
地獄変 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
尚お能く先生方の言う事を聞き、勉強を専一にし、寒いから風邪をひかぬようにしろ。そして試験休暇やすみには帰省きせいを待っているとしてあった。
いたずら小僧日記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
山はどころどころに白い雲を靡かせて此方こちらから向うへと連りわたつてゐた。ふとかれはそのうしろに軽い足音を感じた。サラサラと半ば解けたやうな帯の気勢きせいを感じた。
浴室 (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
ことに、既成きせい政治家の張りめぐらした奸悪かんあくな組織や習慣を一つ一つ破砕はさいして行くことは、子路に、今まで知らなかった一種の生甲斐いきがいを感じさせる。
弟子 (新字新仮名) / 中島敦(著)
初三句は極めて拙き句なれども其一直線に言ひ下して拙き處却て其眞率僞りなきを示して祈晴きせいの歌などには最も適當致居候。
歌よみに与ふる書 (旧字旧仮名) / 正岡子規(著)
それからすぐに和歌山わかやまられてつて、ひさしくくにかへることもしませんでした。加納家かのうけみこんでから、はじめて遠江とほたふみはゝのところへ歸省きせいしたことがあります。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
これを文としてることをゆるす人でも、古言をその中に用いたのを見たら、希世きせいの宝が粗暴な手によってこぼたれたのを惜しんで、作者をろうとせずにはいぬであろう。
空車 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
よゝつツと、宙外君ちうぐわいくんまらず奇聲きせいふのをげるにれて、一同いちどうが、……おめでたうととなへた。
春着 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
公子のほうは平安朝季世きせいの、自信と自尊心を身につけた藤原一門の才女の典型で、膚の色は深く沈んで眉毛が黒々と際立ち、眼は淀まぬ色をたたえて従容と見ひらかれている。
無月物語 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
見ると驚いたことに、博雄は顔から色素しきそが抜けてしまったように青白くなって、寄生きせい植物にゆうれい草と名付けるのがあるが、それとそっくりであった。腕が細く、頭が大きくて目立つ。
親は眺めて考えている (新字新仮名) / 金森徳次郎(著)
四郎がたとえこの町へ帰って来てもどうなるものではない。馬鹿を悧巧にしてやることが出来るというでもないがしかしとにかく、早く帰って来て欲しいと神仏へ祈請きせいもした。
みちのく (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
云立いひたて九條家を退しりぞき浪人らうにんして近頃美濃國の山中にかくれ住ければ折節をりふしこの常樂院へ來り近しくまじはる人なり此人奇世きせい豪傑がうけつにて大器量だいきりやうあれば常樂院の天忠和尚も此山内伊賀亮を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
そうして、その日から、さちよの寄棲きせい生活がはじまった。年の瀬、お正月、これといういいこともなくするする過ぎた。みぞれの降る夜、ふたりは、電気を消して、まっくらい部屋で寝ながら話した。
火の鳥 (新字新仮名) / 太宰治(著)
今まで駄々をこねて居た信長は流石名将だけに、直に政綱の言に従って善照寺には若干兵を止め旗旌きせいを多くして擬兵たらしめ、自らは間道より田楽狭間に向って進んだ。
桶狭間合戦 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
読書木魚もくぎょ琴瑟きんしつ等ノ声もっとも然リトナス。鳩ノ雨ヲ林中ニビ、雁ノ霜ヲ月辺ニ警シメ、棊声きせいノ竹ヲ隔テ、雪声ノ窓ヲ隔ツ。皆愛スベキナリ。山行伐木ノ声、渓行水車ノ声ともニ遠ク聴クベシ。
向嶋 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
昔のさる学深い棋聖きせいは当時の天文学? を下界の盤上へひきおろしてその第一石をいわゆる天元てんげんに置いたという。
独り碁 (新字新仮名) / 中勘助(著)
尼奥様は碁聖きせい上人になって自慢をしようとは思いませんが、あなたの碁には負けないでしょうとお言いになりまして、勝負をお始めになりますと、そのとおりに僧都様が二目にもくお負けになりました。
源氏物語:55 手習 (新字新仮名) / 紫式部(著)
従う紀清きせい両党の兵は、宇都宮累世養うところのもの、戦場において命を棄つること、塵埃じんあいの如く思いおるともがらじゃ。
赤坂城の謀略 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
宗右衛門はまだ七歳のせんに読書を授け、この子が大きくなったならさむらい女房にょうぼうにするといっていた。銓は記性きせいがあって、書を善く読んだ。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
互に生死も不明のまま、七年目七年めの七月七日に、忘れなく三国ヶ嶽で——会う。かならず、会う。こういう三羽烏の生命いのちをかけた起誓きせいである。
煩悩秘文書 (新字新仮名) / 林不忘(著)
けれど武技腕力にかけて絶倫な黄信が、みずからその警備軍の長を買って出て「——我れ出でて三ざん鬼声きせいなし」と大言を払ったところから、人呼んで鎮三山のあだ名がていせられたわけである。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)