トップ
>
稀世
>
きせい
ふりがな文庫
“
稀世
(
きせい
)” の例文
いかに
頑愚
(
ぐわんぐ
)
の手にありしとはいひながら、
稀世
(
きせい
)
の宝玉
鄙人
(
ひじん
)
の
一槌
(
いつつゐ
)
をうけて
亡
(
ほろ
)
びたるは、玉も人も
倶
(
とも
)
に不幸といふべしと
語
(
かた
)
られき。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
其後
(
そのご
)
の
一週間
(
いつしゆうかん
)
も
空
(
むな
)
しく
※去
(
すぎさ
)
つたならば、
櫻木大佐
(
さくらぎたいさ
)
も
終
(
つひ
)
には
覺悟
(
かくご
)
を
定
(
さだ
)
めて、
稀世
(
きせい
)
の
海底戰鬪艇
(
かいていせんとうてい
)
と
共
(
とも
)
に、
海
(
うみ
)
の
藻屑
(
もくづ
)
と
消
(
き
)
えてしまう
事
(
こと
)
であらう。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
梅痴は安政五年九月九日に没した。そして明治二十四年枕山の没した後
稀世
(
きせい
)
の古硯はその子新吉の
売却
(
ばいきゃく
)
するところとなった。
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
大きさに於て
稀世
(
きせい
)
の逸品であるばかりでなく、世にも珍らしいブリューで、その色の美しさは譬うるに物がありません。
呪の金剛石
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
ちなみに宗眼日録は泰春院さま御一代の記録であって、御歴代の中興であると同時に、
稀世
(
きせい
)
の名君といわれる侯の、生涯と治績とが詳述されてある。
桑の木物語
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
▼ もっと見る
時には実験の心得について、
稀世
(
きせい
)
の名教訓が出たり、現代の物理学の限界を論ぜられたりすることもあった。
寺田先生の追憶:――大学卒業前後の思い出――
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
張角はしかし
稀世
(
きせい
)
の秀才と、郷土でいわれていた。その張角が、あるとき、山中へ薬をとりに入って、道で異相の
道士
(
どうし
)
に出会った。道士は手に
藜
(
あかざ
)
の杖をもち
三国志:02 桃園の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
藤吉郎こそ
稀世
(
きせい
)
の傑物、関白までも
経昇
(
へのぼ
)
る男、二重瞳孔に不思議はない! しかるに
汝
(
そなた
)
の才能は藤吉郎の
半
(
なかば
)
もなくて、しかも
悪虐
(
あくぎゃく
)
の性質は彼に百倍勝っている。
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
慕
(
したは
)
せ今に至るまでも名奉行と言る時は只に忠相ぬし一
個
(
にん
)
に
止
(
とゞま
)
るが如く思ひ大岡越前守の名は三歳の小兒といへども之を
知
(
しり
)
頻
(
しきり
)
に
明斷
(
めいだん
)
を
稱
(
たゝへ
)
るこそ
人傑
(
じんけつ
)
の
才
(
さい
)
稀世
(
きせい
)
の人といふ可し是等を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
守青年は、夜の更けるのを待ちかねて、この
稀世
(
きせい
)
の名探偵との初対面を、寧ろ喜び勇んで出かけて行った。彼の行手に、どんなに意外な恐ろしい運命が、待ち構えているかも知らないで。
妖虫
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
稀世
(
きせい
)
の女がたは、楽屋を出て行った。
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
いかに
頑愚
(
ぐわんぐ
)
の手にありしとはいひながら、
稀世
(
きせい
)
の宝玉
鄙人
(
ひじん
)
の
一槌
(
いつつゐ
)
をうけて
亡
(
ほろ
)
びたるは、玉も人も
倶
(
とも
)
に不幸といふべしと
語
(
かた
)
られき。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
神祖
偃武
(
えんぶ
)
以来の
曠
(
は
)
れ場所は実に今でなくて武士の一生涯にまたとあろうか——鐘巻自斎いかなる
稀世
(
きせい
)
の剣妙であるとも、勝たねばならぬ、撃ち込まねばならぬ。
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
しかしそれをなすには、
稀世
(
きせい
)
の天才を待つより仕方がない。しかし一歩下って、現在の科学だけに話を限定しても、なお比較科学論は成り立つように、私には思われる。
比較科学論
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
されど我らが義兄と立てる御嶽冠者と申す者は、年若けれど
稀世
(
きせい
)
の名将、智仁勇を兼ねた人傑でござれば、この者のためにその大砲をお造りくださることなりますまいか
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
稀世
(
きせい
)
の
海底戰鬪艇
(
かいていせんとうてい
)
の
事
(
こと
)
、
孤島
(
こたう
)
生活中
(
せいくわつちう
)
の
有樣
(
ありさま
)
、それから
四年
(
よねん
)
以前
(
いぜん
)
には、
穉氣
(
あどけ
)
なく
母君
(
はゝぎみ
)
と
別
(
わか
)
れたりし
日出雄少年
(
ひでをせうねん
)
の
今
(
いま
)
は
大
(
おほ
)
きくなりて、
三年
(
さんねん
)
の
間
(
あひだ
)
、
智勇
(
ちゆう
)
絶倫
(
ぜつりん
)
の
櫻木海軍大佐
(
さくらぎかいぐんたいさ
)
の
愛育
(
あいいく
)
の
下
(
した
)
に、
何
(
なに
)
から
何
(
なに
)
まで
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
「ウーム
怖
(
おそ
)
ろしい奴だ。いったい彼は、
稀世
(
きせい
)
の大馬鹿者か、それとも、天下の大智者か。江漢先生の裏を掻くほどの
代物
(
しろもの
)
じゃ、とてもおれの手におえんのは当りまえだ」
牢獄の花嫁
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
万古不朽
(
ばんこふきう
)
の
洪福
(
こうふく
)
を
保
(
たも
)
つ㕝奇妙
不思議
(
ふしぎ
)
の天幸なれば、
実
(
じつ
)
に
稀世
(
きせい
)
の
珍物
(
ちんぶつ
)
なり。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
「礼に欠ける。そんなことで、どうして、彼の如き
稀世
(
きせい
)
の賢人を、わが門へ迎えられよう」
三国志:06 孔明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
万古不朽
(
ばんこふきう
)
の
洪福
(
こうふく
)
を
保
(
たも
)
つ㕝奇妙
不思議
(
ふしぎ
)
の天幸なれば、
実
(
じつ
)
に
稀世
(
きせい
)
の
珍物
(
ちんぶつ
)
なり。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
はやくも見こんでいるとおり、後年
太閤
(
たいこう
)
が
阿弥陀峰頭
(
あみだほうとう
)
の土と
化
(
か
)
してのち、
孤立
(
こりつ
)
の
大坂城
(
おおさかじょう
)
をひとりで
背負
(
せお
)
って、
関東
(
かんとう
)
の
老獪将軍
(
ろうかいしょうぐん
)
大御所
(
おおごしょ
)
の
肝
(
きも
)
をしばしば
冷
(
ひ
)
やした、
稀世
(
きせい
)
の
大軍師
(
だいぐんし
)
真田幸村
(
さなだゆきむら
)
とは
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“稀世”の意味
《名詞》
稀世(きせい 「希世」に「同音の漢字による書きかえ」がなされる)
世にも稀なこと。稀代。
(出典:Wiktionary)
稀
漢検準1級
部首:⽲
12画
世
常用漢字
小3
部首:⼀
5画
“稀”で始まる語句
稀
稀有
稀代
稀薄
稀〻
稀々
稀覯
稀覯書
稀品
稀人