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しばらく
ふりがな文庫
“
霎時
(
しばらく
)” の例文
霎時
(
しばらく
)
聞かせたまへ。我今
仮
(
かり
)
に
化
(
かたち
)
をあらはして
話
(
かた
)
るといへども、神にあらず仏にあらず、もと
一〇五
非情
(
ひじやう
)
の物なれば人と異なる
慮
(
こころ
)
あり。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
先方
(
むこう
)
でも声に応じて駈けて来た。が、惨憺たる
此場
(
このば
)
の
光景
(
ありさま
)
を見て、
何
(
いず
)
れも
霎時
(
しばらく
)
は
呆気
(
あっけ
)
に取られた。巡査は
剣鞘
(
けんざや
)
を握って進み出た。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
彼は裏口から𢌞つて
霎時
(
しばらく
)
お利代と話した。そして、石炭酸臭い一封の手紙を渡された、それは智惠子が鉛筆の走り書。——恁う書いてあつた。
鳥影
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
薄い藤紫の
覆布
(
かさ
)
をかけた電燈の光が、柔く部屋の中に溢れている。
霎時
(
しばらく
)
するとビアトレスが扉をあけて入ってきた。
P丘の殺人事件
(新字新仮名)
/
松本泰
(著)
語るものはわがこの夏
霎時
(
しばらく
)
の仮の
宿
(
やどり
)
とたのみし家の隣に住みし
按摩
(
あんま
)
男なり。ありし事がらは、そがまうへなる禅寺の墓地にして、頃は
去歳
(
こぞ
)
の初秋とか言へり。
鬼心非鬼心:(実聞)
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
▼ もっと見る
仕つりぬ
只今
(
たゞいま
)
藥研
(
やげん
)
に掛ます
間
(
あひだ
)
霎時
(
しばらく
)
お待ち下されと云つゝ夫を和吉に
遞與
(
わたし
)
製造
(
せいざう
)
方へ廻させしは多少を
論
(
ろん
)
ぜぬ
商個
(
あきうど
)
の是ぞ實に
招牌
(
かんばん
)
なる
可
(
べ
)
し
偖
(
さて
)
細末
(
さいまつ
)
の出來る間と元益に
四方八方
(
よもやま
)
の話しを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
それからは
霎時
(
しばらく
)
遠
(
とほ
)
ざかつて
居
(
ゐ
)
たが、四十一
年
(
ねん
)
六
月
(
ぐわつ
)
四
日
(
か
)
に、
一人
(
ひとり
)
で
寺尾
(
てらを
)
、
子安
(
こやす
)
、
篠原
(
しのはら
)
、
大網
(
おほあみ
)
、
樽
(
たる
)
、
駒岡
(
こまをか
)
の
諸遺跡
(
しよゐせき
)
を
過
(
す
)
ぎて、
末吉
(
すゑよし
)
に
掛
(
かゝ
)
つて
來
(
く
)
ると、
這
(
こ
)
は
抑
(
そ
)
も
如何
(
いか
)
に、
這
(
こ
)
は
如何
(
いか
)
にである。
探検実記 地中の秘密:07 末吉の貝塚
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
霎時
(
しばらく
)
にして海上を見渡せば、日は
已
(
すで
)
に没し、海波暗くして怒濤砂を
捲
(
ま
)
き、遥か沖合には
漁火
(
いさりび
)
二、三。我々はこの
行
(
こう
)
を
了
(
おわ
)
りてこの無限の太洋に面す。限りなき喜悦は胸にあふれて快たとえ難し。
本州横断 痛快徒歩旅行
(新字新仮名)
/
押川春浪
、
井沢衣水
(著)
自分は今、茲に
霎時
(
しばらく
)
、五年前の昔に立返らねばならぬ。時は神無月末の或る朝まだき、處は矢張此の新山祠畔の伯母が家。
葬列
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
塚田巡査は
歯噛
(
はがみ
)
をした。
微傷
(
かすりきず
)
ではあるが、
其
(
そ
)
の手首からは血が流れていた。
他
(
た
)
の二三人も顔や手の傷を眺めながら、失望と疲労との為に
霎時
(
しばらく
)
は
茫然
(
ぼんやり
)
と立っていた。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
なして
舊
(
もと
)
の如く風呂敷に押包せ
丁稚
(
でつち
)
に
脊負
(
せおは
)
せ
勇
(
いさみ
)
進
(
すゝ
)
んで歸りけるが和吉は
霎時
(
しばらく
)
側
(
かたへ
)
に在て
二個
(
ふたり
)
が話しを
熟々
(
つく/″\
)
聞
(
きゝ
)
主個
(
あるじ
)
の息子が
昨日
(
きのふ
)
茲
(
こゝ
)
より歸りし
譯
(
わけ
)
も今日は又
態々
(
わざ/\
)
爰
(
こゝ
)
まで忠兵衞が來りて
汚
(
むさ
)
き
家
(
うち
)
をも
厭
(
いと
)
はず酒を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
二人は別々の事を考えながら、
霎時
(
しばらく
)
黙って椅子にかけていた。
P丘の殺人事件
(新字新仮名)
/
松本泰
(著)
自分は今、茲に
霎時
(
しばらく
)
、五
年前
(
ねんぜん
)
の昔に立返らねばならぬ。時は神無月末の或る朝まだき、処は矢張此の新山祠畔の伯母が家。
葬列
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
「
取替
(
とりか
)
えて貰おう。」と、
霎時
(
しばらく
)
して重太郎は自分の枝を出した。お葉も自分の枝を出した。
春待顔
(
はるまちがお
)
に紅い蕾を着けた椿の
二枝
(
ふたえだ
)
は、二人の手に
因
(
よっ
)
て交換されたのである。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
ムヽ五兩と云ては
吾儕
(
おれ
)
の身では大金ながら
後刻
(
のち
)
までに
急度
(
きつと
)
調達
(
こしらへ
)
持
(
もつ
)
て
來
(
くる
)
が然して金の入用と
邪魔
(
じやま
)
の手段は如何いふ
解
(
わけ
)
か安心するため聞せてと云ば元益庄兵衞の耳の
邊
(
ほとり
)
へ口さし寄せ何事やらん
稍
(
やゝ
)
霎時
(
しばらく
)
私語
(
さゝやき
)
示
(
しめ
)
すを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
二人は
霎時
(
しばらく
)
の間、
片唾
(
かたず
)
をのんで鸚鵡の言葉を聞いた。
P丘の殺人事件
(新字新仮名)
/
松本泰
(著)
松太郎は何がなしに生き甲斐がある樣な氣がして、深く深く、杉の
樹脂
(
やに
)
の香る空氣を吸つた。が、
霎時
(
しばらく
)
經つと眩い光に眼が疲れてか、氣が少し焦立つて來た。
赤痢
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
荒神様へ
詣
(
まい
)
るもよい。
序
(
ついで
)
にここを通ったらば、
霎時
(
しばらく
)
この海岸に立って、諸君が祖先の労苦を
忍
(
しの
)
んでもらいたい。しかし電車で
帰宅
(
かえり
)
を急ぐ諸君は、暗い海上などを振向いても見まい。
一日一筆
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
松太郎は、何がなしに生甲斐がある様な気がして、深く深く、杉の
樹脂
(
やに
)
の香る空気を吸つた。が、
霎時
(
しばらく
)
経つと
眩
(
まぶし
)
い光に眼が疲れてか、気が少し、焦立つて来た。
赤痢
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
必らずしも雨霰の如くに
小歇
(
おや
)
なくバラバラ降るのではなく
何処
(
いずく
)
よりとも知らず時々にバラリバラリと
三個
(
みつ
)
四個
(
よつ
)
飛び落ちて
霎時
(
しばらく
)
歇
(
や
)
み、また少しく時を経て思い出したようにバラリバラリと落ちる。
池袋の怪
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
その縁側の邊から、富江の聲が
霎時
(
しばらく
)
聞えてゐたが、何やら鋭く笑ひ捨てゝ、縁側傳ひに足音が此方へ來る。
鳥影
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
室内昼の如くに
照
(
てら
)
させて
四辺
(
あたり
)
隈
(
くま
)
なく穿索したが
固
(
もと
)
より何物を見出そう筈もなく、
動悸
(
どうき
)
の波うつ胸を抱えて、私は
霎時
(
しばらく
)
夢のように
佇立
(
たたず
)
んでいたが、この
夜中
(
やちゅう
)
に
未
(
ま
)
だ
馴染
(
なじみ
)
も薄い番人を
呼起
(
よびおこ
)
すのも
如何
(
いかが
)
と
画工と幽霊
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
信吾は
霎時
(
しばらく
)
庭を眺めてゐたが、『まあ可いさ。休暇中に決めて了つたら可いでせう?』と言つて立上る。
鳥影
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
長野の眞赤にした大きい顏が、
霎時
(
しばらく
)
渠の眼を去らないで、悠然として笑を續けさせて居た。
病院の窓
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
『ハア。』と聞えぬ程低く云つたが、
霎時
(
しばらく
)
して又、『二面の方ですか、三面の方ですか?』
病院の窓
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
『怒ツたツて仕様が無い。』と、稍
霎時
(
しばらく
)
してから、忠志君が横向いて云ツた。
漂泊
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
渠は
卓子
(
テーブル
)
に左の手をかけて、立つた儘
霎時
(
しばらく
)
火の無い
煖爐
(
ストーブ
)
を見て居たが
病院の窓
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
渠は卓子に左の手をかけて、立つた儘
霎時
(
しばらく
)
火の無い暖炉を見て居たが
病院の窓
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
自分の問に對して、三秒か五秒の間答がなかつたが、
霎時
(
しばらく
)
して
葬列
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
自分の問に対して、三秒か五秒の間答がなかつたが、
霎時
(
しばらく
)
して
葬列
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
信吾は
霎時
(
しばらく
)
庭を眺めてゐたが
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
霎
漢検1級
部首:⾬
16画
時
常用漢字
小2
部首:⽇
10画
“霎”で始まる語句
霎
霎雨