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谷間
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たにあひ
ふりがな文庫
“
谷間
(
たにあひ
)” の例文
檜木
(
ひのき
)
、
椹
(
さはら
)
、
明檜
(
あすひ
)
、
槇
(
まき
)
、
𣜌
(
ねず
)
——それを
木曾
(
きそ
)
の
方
(
はう
)
では
五木
(
ごぼく
)
といひまして、さういふ
木
(
き
)
の
生
(
は
)
えた
森
(
もり
)
や
林
(
はやし
)
があの
深
(
ふか
)
い
谷間
(
たにあひ
)
に
茂
(
しげ
)
つて
居
(
ゐ
)
るのです。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
そこン
処
(
とこ
)
は
梅林
(
ばいりん
)
で
上
(
うへ
)
の
山
(
やま
)
が
桜
(
さくら
)
の
名所
(
めいしよ
)
で、
其
(
その
)
下
(
した
)
に
桃谷
(
もゝたに
)
といふのがあつて、
谷間
(
たにあひ
)
の
小流
(
こながれ
)
には、
菖浦
(
あやめ
)
、
燕子花
(
かきつばた
)
が
一杯
(
いつぱい
)
咲
(
さ
)
く。
化鳥
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
谷間
(
たにあひ
)
ゆゑ雪のきゆるも里よりは
遅
(
おそ
)
くたゞ日のたつをのみうれしくありしに、
一日
(
あるひ
)
窟
(
あな
)
の口の日のあたる所に
虱
(
しらみ
)
を
捫
(
とり
)
て
居
(
ゐ
)
たりし時、熊
窟
(
あな
)
よりいで袖を
咥
(
くはへ
)
て引しゆゑ
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
信濃国大川原の
深山
(
みやま
)
の中に
庵
(
いほり
)
して住み
侍
(
はべ
)
りける
谷間
(
たにあひ
)
の月をみて〔李花集雑〕
私本太平記:13 黒白帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
雪空に澄みつつ白き山ふたつその
谷間
(
たにあひ
)
の火縄銃の音
文庫版『雀の卵』覚書
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
▼ もっと見る
伊香保は思つたほどの山の上でもなく、むしろ山の中腹の位置にあつて、直ぐにも親しめるやうな北向の
谷間
(
たにあひ
)
であるのもうれしかつた。
桃の雫
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
渠等
(
かれら
)
は
敢
(
あへ
)
て
鬼
(
おに
)
ではない、
食
(
じき
)
を
得
(
え
)
たれば
人心地
(
ひとごこち
)
になつて、
恰
(
あたか
)
も
可
(
よ
)
し、
谷間
(
たにあひ
)
から、いたはつて、
負
(
おぶ
)
つて
世
(
よ
)
に
出
(
で
)
た。
雪の翼
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
かくて
途
(
みち
)
も
梢々
(
やゝ
)
半にいたるころ、日ざしは七ツにちかし、竹助しばしとてみちのかたはらの石に
腰
(
こし
)
かけ
焼飯
(
やきめし
)
をくひゐたるに、
谷間
(
たにあひ
)
の
根笹
(
ねさゝ
)
をおしわけて
来
(
きた
)
る者あり
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
雪空に澄みつつ白き山ふたつその
谷間
(
たにあひ
)
の火縄銃の音
雀の卵
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
何
(
なん
)
といふ
深
(
ふか
)
い
山
(
やま
)
や
谷
(
たに
)
が
父
(
とう
)
さんの
行
(
ゆ
)
く
先
(
さき
)
にありましたらう。
父
(
とう
)
さんは
木曽川
(
きそがは
)
の
見
(
み
)
える
谷間
(
たにあひ
)
について、
林
(
はやし
)
の
中
(
なか
)
を
歩
(
ある
)
いて
行
(
ゆ
)
くやうなものでした。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
かくて
途
(
みち
)
も
梢々
(
やゝ
)
半にいたるころ、日ざしは七ツにちかし、竹助しばしとてみちのかたはらの石に
腰
(
こし
)
かけ
焼飯
(
やきめし
)
をくひゐたるに、
谷間
(
たにあひ
)
の
根笹
(
ねさゝ
)
をおしわけて
来
(
きた
)
る者あり
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
程
(
ほど
)
たつて、
裏山
(
うらやま
)
の
小山
(
こやま
)
を
一
(
ひと
)
つ
越
(
こ
)
した
谷間
(
たにあひ
)
の
巖
(
いは
)
の
穴
(
あな
)
に、
堆
(
うづたか
)
く、その
餅
(
もち
)
が
蓄
(
たくは
)
へてあつた。
鼬
(
いたち
)
は
一
(
ひと
)
つでない。
間引菜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
其耳が
宛
(
あて
)
に成らないサ。君の
父上
(
おとつ
)
さんは
西乃入
(
にしのいり
)
の牧場に居るんだらう。あの
烏帽子
(
ゑぼし
)
ヶ
嶽
(
だけ
)
の
谷間
(
たにあひ
)
に居るんだらう。それ、見給へ。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
且水の
冰
(
こほり
)
は地中に
在
(
あ
)
りても
消易
(
きえやすき
)
ものなり、
是
(
これ
)
他
(
た
)
なし、水は極陰の物なるゆゑ陽に
感
(
かん
)
じ
易
(
やすき
)
ゆゑなり。我越後に
削氷
(
けづりひ
)
を視て
思
(
おもふ
)
に、かの
谷間
(
たにあひ
)
に
在
(
あり
)
といひしは
天然
(
てんねん
)
の氷室なり。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
此
(
こ
)
の
風
(
かぜ
)
は……
昼間
(
ひるま
)
蒼
(
あを
)
く
澄
(
す
)
んだ
山
(
やま
)
の
峡
(
かひ
)
から
起
(
おこ
)
つて、
障
(
さは
)
つて
来
(
く
)
る
樹
(
き
)
の
枝
(
えだ
)
、
岩角
(
いはかど
)
、
谷間
(
たにあひ
)
に、
白
(
しろ
)
い
雲
(
くも
)
のちぎれて
鳥
(
とり
)
の
留
(
とま
)
るやうに
見
(
み
)
えたのは
未
(
ま
)
だ
雪
(
ゆき
)
が
残
(
のこ
)
つたのか、……と
思
(
おも
)
ふほど
横面
(
よこづら
)
を
削
(
けづ
)
つて
冷
(
つめ
)
たかつた。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
たしかに其は父の声で——
皺枯
(
しやが
)
れた中にも威厳のある父の声で、あの深い
烏帽子
(
ゑぼし
)
ヶ
嶽
(
だけ
)
の
谷間
(
たにあひ
)
から、遠く
斯
(
こ
)
の飯山に居る丑松を呼ぶやうに聞えた。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
且水の
冰
(
こほり
)
は地中に
在
(
あ
)
りても
消易
(
きえやすき
)
ものなり、
是
(
これ
)
他
(
た
)
なし、水は極陰の物なるゆゑ陽に
感
(
かん
)
じ
易
(
やすき
)
ゆゑなり。我越後に
削氷
(
けづりひ
)
を視て
思
(
おもふ
)
に、かの
谷間
(
たにあひ
)
に
在
(
あり
)
といひしは
天然
(
てんねん
)
の氷室なり。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
木曾
(
きそ
)
は
山
(
やま
)
に
圍
(
かこ
)
まれた
深
(
ふか
)
い
谷間
(
たにあひ
)
のやうなところですから、どうしても
峠
(
たうげ
)
一
(
ひと
)
つだけは
越
(
こ
)
さなければ
成
(
な
)
らなかつたのです。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
参禅して教を聴く積りで、来て見ると、掻集めた
木葉
(
このは
)
を背負ひ乍らとぼ/\と
谷間
(
たにあひ
)
を帰つて来る人がある。
散切頭
(
ざんぎりあたま
)
に、
髯
(
ひげ
)
茫々
(
ばう/\
)
。それと見た白隠は切込んで行つた。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
谷
常用漢字
小2
部首:⾕
7画
間
常用漢字
小2
部首:⾨
12画
“谷間”で始まる語句
谷間三根子
谷間川
谷間田
谷間百合