トップ
>
紺足袋
>
こんたび
ふりがな文庫
“
紺足袋
(
こんたび
)” の例文
朝の
手水
(
ちょうず
)
を済ませ、
浴衣
(
ゆかた
)
がけにパッチ、
紺足袋
(
こんたび
)
に
草鞋
(
わらじ
)
ばきという、どんなに汗をかいても心配のない、気楽な身ごしらえの出来上ったところへ
雲仙岳
(新字新仮名)
/
菊池幽芳
(著)
学校教育を受けつつある三四郎は、こんな男を見るときっと教師にしてしまう。男は
白地
(
しろじ
)
の
絣
(
かすり
)
の下に、
鄭重
(
ていちょう
)
に白い
襦袢
(
じゅばん
)
を重ねて、
紺足袋
(
こんたび
)
をはいていた。
三四郎
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
床屋の奥に、
紺足袋
(
こんたび
)
で、茶縞の侍と来た日にゃ、誰だって、
脛
(
すね
)
に傷のあるやつなら、奉行所風と思うのは当りめえだ
治郎吉格子
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「まあ
汚
(
きたな
)
い足」といった。松次郎と木之助は食べながら自分の足を見ると、ほんとに女中のいった通りだった。
紺足袋
(
こんたび
)
の上に
草鞋
(
わらじ
)
を
穿
(
は
)
いていたが、
砂埃
(
すなぼこり
)
で真白だった。
最後の胡弓弾き
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
今宵の
話手
(
はなして
)
に選ばれた
桃川燕之助
(
ももかわえんのすけ
)
は、五分刈頭にホームスパンのダブダブの洋服、ボヘミアン
襟飾
(
ネクタイ
)
に、穴のあいた
紺足袋
(
こんたび
)
、
藁草履
(
わらぞうり
)
という世にも不思議な風采を壇上に運んで
奇談クラブ〔戦後版〕:14 第四次元の恋
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
跡からバラ/\/\と五六人の人が駈けて来るから、是は手が廻ったか、しくじったと思い、振返って見ると、案の如く小田原提灯が見えて、
紺足袋
(
こんたび
)
に
雪駄穿
(
せったばき
)
で
捕者
(
とりもの
)
の様子だから
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
そこでお隅は無地の羽織を選び、
藍微塵
(
あいみじん
)
の綿入れ、
襦袢
(
じゅばん
)
、それに
晒
(
さらし
)
の
肌着
(
はだぎ
)
までもそろえて手ばしこく
風呂敷
(
ふろしき
)
に包んだ。彼女は新しい
紺足袋
(
こんたび
)
をも添えてやることを忘れていなかった。
夜明け前:04 第二部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
襟
(
えり
)
からの
前垂
(
まへだれ
)
幅廣
(
はゞびろ
)
な
奴
(
やつ
)
を、
遣放
(
やりぱな
)
しに
尻下
(
しりさが
)
りに
緊
(
し
)
めた、あとのめりに
日和下駄
(
ひよりげた
)
で
土間
(
どま
)
に
突立
(
つツた
)
ち、
新
(
あたら
)
しいのを
當
(
あて
)
がつても
半日
(
はんにち
)
で
駈破
(
かけやぶ
)
る、
繼
(
つぎ
)
だらけの
紺足袋
(
こんたび
)
、
膝
(
ひざ
)
ツきり
草色
(
くさいろ
)
よれ/\の
股引
(
もゝひき
)
で
松の葉
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
とかくは
檜舞臺
(
ひのきぶたひ
)
と
見
(
み
)
たつるもをかしからずや、
垢
(
あか
)
ぬけのせし三十あまりの
年増
(
としま
)
、
小
(
こ
)
ざつぱりとせし
唐棧
(
とうざん
)
ぞろひに
紺足袋
(
こんたび
)
はきて、
雪駄
(
せつた
)
ちやら/\
忙
(
いそ
)
がしげに
横抱
(
よこだ
)
きの
小包
(
こづゝみ
)
はとはでもしるし
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
つぶしに大きな
平打
(
ひらうち
)
の
銀簪
(
ぎんかんざし
)
、
八丈
(
はちじょう
)
の
半纏
(
はんてん
)
に
紺足袋
(
こんたび
)
をはき、霜やけにて少し頬の赤くなりし
円顔
(
まるがお
)
鼻高からず、
襟白粉
(
えりおしろい
)
に
唐縮緬
(
とうちりめん
)
の
半襟
(
はんえり
)
の汚れた
塩梅
(
あんばい
)
、知らざるものは
矢場女
(
やばおんな
)
とも思ふべけれど
桑中喜語
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
長袖の風俗をきらって
市井風
(
しせいふう
)
の
紺足袋
(
こんたび
)
をはくなど、すべて六十万石三家尾州の若殿としては軽すぎる。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
欽吾は尻眼に母をじろりと
眺
(
なが
)
めた。机の角に引き寄せた椅子の背に、うんと腕の力を入れた。ひらりと
紺足袋
(
こんたび
)
が白い
日蔽
(
ひおい
)
の上に
揃
(
そろ
)
った。揃った紺足袋はすぐ机の上に飛び上る。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
硬
(
こは
)
いのがごそりと
脱
(
ぬ
)
げると……
靴下
(
くつした
)
ならまだ
可
(
い
)
い「
何
(
なに
)
、
體裁
(
ていさい
)
なんぞ、そんな
事
(
こと
)
。」
邊幅
(
へんぷく
)
を
修
(
しう
)
しない
男
(
をとこ
)
だから、
紺足袋
(
こんたび
)
で、おや
指
(
ゆび
)
の
尖
(
さき
)
に
大
(
おほ
)
きな
穴
(
あな
)
のあいたのが、
油蟲
(
あぶらむし
)
を
挾
(
はさ
)
んだ
如
(
ごと
)
く
顯
(
あら
)
はれた。
麻を刈る
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
とかくは
檜舞台
(
ひのきぶたい
)
と見たつるもをかしからずや、
垢
(
あか
)
ぬけのせし三十あまりの
年増
(
としま
)
、小ざつぱりとせし
唐桟
(
とうざん
)
ぞろひに
紺足袋
(
こんたび
)
はきて、
雪駄
(
せつた
)
ちやらちやら忙がしげに横抱きの小包はとはでもしるし
たけくらべ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
紺足袋
(
こんたび
)
福草履
(
ふくぞうり
)
でお
前駆
(
さきとも
)
で見廻って歩きます、お中屋敷は小梅で、
此処
(
これ
)
へお出でのおりも、未だお部屋住ゆえ大したお供ではございませんが、權六がお供をして上野の
袴腰
(
はかまごし
)
を通りかゝりました時に
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
旦那
(
だんな
)
、
其
(
そ
)
の
夜
(
よ
)
の
出
(
で
)
と
謂
(
い
)
ふは、
黄
(
き
)
な
縞
(
しま
)
の
銘仙
(
めいせん
)
の
袷
(
あはせ
)
に
白縮緬
(
しろちりめん
)
の
帶
(
おび
)
、
下
(
した
)
にフランネルの
襯衣
(
シヤツ
)
、これを
長襦袢
(
ながじゆばん
)
位
(
くらゐ
)
に
心得
(
こゝろえ
)
て
居
(
ゐ
)
る
人
(
ひと
)
だから、けば/\しく
一着
(
いつちやく
)
して、
羽織
(
はおり
)
は
着
(
き
)
ず、
洋杖
(
ステツキ
)
をついて、
紺足袋
(
こんたび
)
山の手小景
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
とわい/\言われるから猶更
逆上
(
のぼ
)
せて
履物
(
はきもの
)
も眼に
入
(
い
)
らず、
紺足袋
(
こんたび
)
のまゝ外へ出ましたが、丁度霜月三日の最早
明
(
あけ
)
近くなりましたが、霜が降りました故か
靄
(
もや
)
深く立ちまして、一尺先も
見分
(
みわか
)
りませんが
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
身なりは、絹の光の冷やかな着流しに
紺足袋
(
こんたび
)
ですが、さすがに同じ黒の羽織は掛けていて、秀鶴頭巾のかぶり振りに見るも、この恰好ですいぶん仲の
町
(
ちょう
)
あたりの夜更けをうろついたものにちがいない。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
紺足袋
(
こんたび
)
日勤草履
(
にっきんぞうり
)
と云う
行装
(
こしらえ
)
の立派なお武士、番太郎の店へ立ち
政談月の鏡
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
兀
(
は
)
げた
紺足袋
(
こんたび
)
を
穿
(
は
)
いて
居
(
ゐ
)
ます。
艶書
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
紺
常用漢字
中学
部首:⽷
11画
足
常用漢字
小1
部首:⾜
7画
袋
常用漢字
中学
部首:⾐
11画
“紺足袋”で始まる語句
紺足袋穿