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浪打際
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なみうちぎわ
ふりがな文庫
“
浪打際
(
なみうちぎわ
)” の例文
拂曉
(
ふつげう
)
に
目醒
(
めさ
)
めて、
海岸
(
かいがん
)
へ
飛出
(
とびだ
)
して
見
(
み
)
ると、
櫻木海軍大佐
(
さくらぎかいぐんたいさ
)
、
日出雄少年
(
ひでをせうねん
)
武村兵曹等
(
たけむらへいそうら
)
は
既
(
すで
)
に
浪打際
(
なみうちぎわ
)
を
逍遙
(
せうえふ
)
しながら、いづれも
喜色滿面
(
きしよくまんめん
)
だ。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
きゃッ、と云うと、島が
真中
(
まんなか
)
から裂けたように、二人の
身体
(
からだ
)
は、浜へも返さず、
浪打際
(
なみうちぎわ
)
をただ
礫
(
つぶて
)
のように左右へ飛んで、
裸身
(
はだか
)
で逃げた。
絵本の春
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
浪打際
(
なみうちぎわ
)
を
歩
(
ある
)
いたように
感
(
かん
)
じたのはホンの一
瞬間
(
しゅんかん
)
、
私達
(
わたくしたち
)
はいつしか
電光
(
でんこう
)
のように
途中
(
とちゅう
)
を
飛
(
と
)
ばして、
例
(
れい
)
のお
宮
(
みや
)
の
社頭
(
しゃとう
)
に
立
(
た
)
っていました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
賑
(
にぎ
)
やかで
面白
(
おもしろ
)
そうな海水浴場のほうは素通りにして、
荒涼
(
こうりょう
)
とした砂っ原に降りると、大学生は上原の腕をとって、
浪打際
(
なみうちぎわ
)
のほうへゆきます。
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
潟と北海の
浪打際
(
なみうちぎわ
)
との間、広きは百間狭きは五十間ばかり、高潮の時は外波が湖中に打ち入り、駅路の交通ができなかった。
地名の研究
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
▼ もっと見る
伊豆の港々へ寄って行く船だ。二人は旅舎の前の
崖
(
がけ
)
を下りて、
浪打際
(
なみうちぎわ
)
の方まで下りた。踏んで行く砂は日を受けて光るので、お新は手にした
洋傘
(
こうもり
)
をひろげた。
船
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
それが静かな
潮風
(
しおかぜ
)
に、
法衣
(
ころも
)
の裾を吹かせながら、
浪打際
(
なみうちぎわ
)
を独り御出でになる、——見れば
御手
(
おて
)
には何と云うのか、笹の枝に貫いた、小さい魚を下げていらっしゃいました。
俊寛
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
日が暮れてあたりが薄暗くなるといよいよ
朔風
(
さくふう
)
が強く吹きつけ、眼をあいていられないくらいの猛吹雪になっても、金内は、
鬼界
(
きかい
)
ヶ
島
(
しま
)
の
流人俊寛
(
るにんしゅんかん
)
みたいに
浪打際
(
なみうちぎわ
)
を足ずりしてうろつき廻り
新釈諸国噺
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
浪打際
(
なみうちぎわ
)
は
綿
(
わた
)
をば
束
(
つか
)
ねたような白い波、
波頭
(
なみがしら
)
に
泡
(
あわ
)
を立てて、どうと
寄
(
よ
)
せては、ざっと、おうように、
重々
(
おもおも
)
しゅう、
飜
(
ひるがえ
)
ると、ひたひたと押寄せるが如くに来る。
星あかり
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
寄
(
よ
)
せてはかえす七
里
(
り
)
ヶ
浜
(
はま
)
の
浪打際
(
なみうちぎわ
)
の
貝拾
(
かいひろ
)
いも
私
(
わたくし
)
の
何
(
なに
)
より
好
(
す
)
きな
遊
(
あそ
)
びの
一
(
ひと
)
つでございました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
峠から見る、霧の下だの、
暗
(
やみ
)
の
浪打際
(
なみうちぎわ
)
、ぼうと
灯
(
あかり
)
が
映
(
うつ
)
る
処
(
ところ
)
だの、かように山の腹を向うへ越した
地
(
じ
)
の裏などで、聞きますのは、おかしく
人間業
(
にんげんわざ
)
でないようだ。
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
間
(
ま
)
もなく
良人
(
おっと
)
の
姿
(
すがた
)
がすーッと
浪打際
(
なみうちぎわ
)
に
現
(
あら
)
われました。
服装
(
ふくそう
)
その
他
(
た
)
は
不相変
(
あいかわらず
)
でございますが、しばらく
見
(
み
)
ぬ
間
(
ま
)
に
幾
(
いく
)
らか
修行
(
しゅぎょう
)
が
積
(
つ
)
んだのか、
何所
(
どこ
)
となく
身
(
み
)
に
貫禄
(
かんめ
)
がついて
居
(
お
)
りました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
其処
(
そこ
)
へ来ると、
浪打際
(
なみうちぎわ
)
までも
行
(
ゆ
)
かないで、
太
(
いた
)
く
草臥
(
くたび
)
れた
状
(
さま
)
で、ぐッたりと先ず足を投げて腰を
卸
(
おろ
)
す。どれ、
貴女
(
あなた
)
のために(ことづけ)の
行方
(
ゆくえ
)
を見届けましょう。
春昼後刻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
浅黄
(
あさぎ
)
の帯に
緋
(
ひ
)
の
扱帯
(
しごき
)
が、
牛頭
(
ごず
)
馬頭
(
めず
)
で
逢魔時
(
おうまがとき
)
の
浪打際
(
なみうちぎわ
)
へ
引立
(
ひきた
)
ててでも
行
(
ゆ
)
くように思われたのでありましょう——
私
(
わたくし
)
どもの客人が——そういう
心持
(
こころもち
)
で御覧なさればこそ
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
婦人
(
おんな
)
は
唯
(
ただ
)
御新姐
(
ごしんぞ
)
一人、それを取巻く如くにして、どやどやと
些
(
ち
)
と
急足
(
いそぎあし
)
で、
浪打際
(
なみうちぎわ
)
の方へ通ったが、その
人数
(
にんず
)
じゃ、
空頼
(
そらだの
)
めの、
余所
(
よそ
)
ながら目礼
処
(
どころ
)
の騒ぎかい、
貴下
(
あなた
)
、その五人の男というのが。
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
二人は
此処
(
ここ
)
でも
後
(
あと
)
になり先になり、
脚絆
(
きゃはん
)
の足を入れ違いに、
頭
(
かしら
)
を組んで
白波
(
しらなみ
)
を
被
(
かつ
)
ぐばかり
浪打際
(
なみうちぎわ
)
を
歩行
(
ある
)
いたが、やがてその大きい方は、五、六尺
渚
(
なぎさ
)
を
放
(
はな
)
れて、日影の如く
散乱
(
ちりみだ
)
れた、かじめの中へ
春昼後刻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
町を離れてから
浪打際
(
なみうちぎわ
)
まで、
凡
(
およ
)
そ二百歩もあった筈なのが、
白砂
(
しらすな
)
に足を
踏掛
(
ふみか
)
けたと思うと、
早
(
は
)
や
爪先
(
つまさき
)
が
冷
(
つめた
)
く浪のさきに触れたので、昼間は鉄の
鍋
(
なべ
)
で煮上げたような砂が、皆ずぶずぶに
濡
(
ぬ
)
れて、
冷
(
ひやっ
)
こく
星あかり
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
浪
常用漢字
中学
部首:⽔
10画
打
常用漢字
小3
部首:⼿
5画
際
常用漢字
小5
部首:⾩
14画
“浪打”で始まる語句
浪打
浪打峠