毛色けいろ)” の例文
もとは、きれいな毛色けいろであったのが、このごろは、どこへでもはいるのでよごれて、まことにみすぼらしい姿すがたとなってしまいました。
ねこ (新字新仮名) / 小川未明(著)
わたしばうやはね、ひづめが二つにれてゐて、毛色けいろはぶちでつぽもちやんとついてゐて、わたしぶときは、もう/\つて可愛かあいこゑびますよ。」
お母さん達 (旧字旧仮名) / 新美南吉(著)
これと處を同じうせるものとともに昇りつゝありき、されば時の宜きとの麗しきとは毛色けいろはなやかなるこの獸にむかひ
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
はじめから、かたちひ、毛色けいろひ、あまつさそれが、井戸川ゐどがははし欄干らんかんで、顏洗かほあらひをつてねこ同一おなじことで、つゞいては、おはる可愛かはいがつたくろにもる。
二た面 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
殿様とのさまはまた、れてた二ひきうまをごらんになりますと、おおきさから毛色けいろまで、うり二つといってもいいほどよくうまで、おなじような元気げんきではねていました。
姨捨山 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
毛色けいろのちがう名も知らぬひとがはいりこみ、当の持主の家族は、しがない間借りか借家で、不自由しながらゴタゴタしているのは、戦争に負けたせいだと思っても
我が家の楽園 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
標本みほんとしてわたくしはそれなかすこ毛色けいろかわったものの人相書にんそうがき申上もうしあげてくことにいたしましょう。
よるなんかでも、あなたは毛色けいろがおくろいからはなあたま御飯粒ごはんつぶをくつつけてくちをあいてゐればねづさんはくろところしろいものがあるのでよろこんでべにるとべられるつていふぢやございませんか。
しかるに、あるとき、とおみなみほうからわたってきたという、あかみどりあお毛色けいろをした、めずらしいとり献上けんじょうしたものがありました。
お姫さまと乞食の女 (新字新仮名) / 小川未明(著)
その飼犬かひいぬではないらしいが、毛色けいろい、みゝれた、すらつとしたのが、のつそり、うしろについてたが、みんなで、がや/\いつて、迷兒まひごにかゝりあつて、うつかりしてるひま
迷子 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
そして、いているとりをつくづくると、姿すがたといい、おおきさといい、また、その毛色けいろといい、あんまり自分じぶんたちとはちがっていなかったのです。
紅すずめ (新字新仮名) / 小川未明(著)
それは、夕暮ゆうぐがた太陽たいようひかりらされて、いっそうあざやかにあか毛色けいろえる、あかとりでありました。
あほう鳥の鳴く日 (新字新仮名) / 小川未明(著)
あにはそれにみみをかたむけないで、むりにペスをさむいやみのなかへおいだしました。あかしろ敏感びんかん毛色けいろ動物どうぶつは、しばらく、なにをかんがえるか、吹雪ふぶきなかでふるえてみえました。
ペスときょうだい (新字新仮名) / 小川未明(著)
ほんとうに、さむい、さびしいだな。こんなには、小鳥ことりどもも、につかない。こいつはたところは、きれいだが、毛色けいろばかりでにくがまずいので、あまりおれは、きでない。
美しく生まれたばかりに (新字新仮名) / 小川未明(著)
すると、その毛色けいろといい、ようすといい、まったくおなとりでありましたので
こまどりと酒 (新字新仮名) / 小川未明(著)
しろいのや、くろいのや、なかには、毛色けいろわっためずらしいのやらがおって、それを大事だいじにして、のように、めんどうをてやっていましたが、となりのおじいさんが、毎朝まいあさおおきなせきをして
うさぎと二人のおじいさん (新字新仮名) / 小川未明(著)
たびからきた小鳥ことりは、このあたりにいる小鳥ことりとはくらべられないほどうつくしゅうございました。あかに、ちゃに、むらさきに、しろに、いろいろの毛色けいろわった着物きものていました。そして、おしゃべりでした。
大きなかしの木 (新字新仮名) / 小川未明(著)