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毛氈
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まうせん
ふりがな文庫
“
毛氈
(
まうせん
)” の例文
其
(
そ
)
の
錦
(
にしき
)
の
淵
(
ふち
)
に、
霧
(
きり
)
を
被
(
か
)
けて
尾花
(
をばな
)
が
縁
(
へり
)
とる、
緋
(
ひ
)
の
毛氈
(
まうせん
)
を
敷
(
し
)
いた
築島
(
つきしま
)
のやうな
山
(
やま
)
の
端
(
は
)
に、もの
珍
(
めづら
)
しく
一叢
(
ひとむら
)
の
緑
(
みどり
)
の
樹立
(
こだち
)
。
眞黄色
(
まつきいろ
)
な
公孫樹
(
いてふ
)
が
一本
(
ひともと
)
。
魔法罎
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
女は
毛氈
(
まうせん
)
の上へ身を投げかけるやうに、消えも入りたい風情です。男の羽織と半纒を引掛けた淺ましい姿がたまらなく恥かしかつたのでせう。
銭形平次捕物控:024 平次女難
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
鷲津の姉さんはまた女でも可成に碁の打てる人でしたから、部屋々々に
毛氈
(
まうせん
)
などを敷き、重い碁盤を置き、客が來ればその相手に成りました。
幼き日:(ある婦人に与ふる手紙)
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
サウスケンシントン博物館にある
毛氈
(
まうせん
)
の下図を
描
(
か
)
いたラフアエルの大きな諸作は恐らく
伊太利
(
イタリイ
)
にも
少
(
すくな
)
い傑作であらう。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
桟敷
(
さじき
)
のこゝかしこに
欲然
(
もえたつ
)
やうな
毛氈
(
まうせん
)
をかけ、うしろに
彩色画
(
さいしきゑ
)
の
屏風
(
びやうぶ
)
をたてしはけふのはれなり。四五人の婦みな
綿帽子
(
わたばうし
)
したるは
辺鄙
(
へんび
)
に古風を
失
(
うしなは
)
ざる也。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
▼ もっと見る
「まだ
蒙古人
(
もうこじん
)
の
天幕
(
てんと
)
に
使
(
つか
)
ふフエルトも
貰
(
もら
)
ひましたが、まあ
昔
(
むかし
)
の
毛氈
(
まうせん
)
と
變
(
かは
)
つた
所
(
ところ
)
もありませんね」
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
円山や
毛氈
(
まうせん
)
しきてほととぎす待つと
侍
(
はべ
)
りぬ十四と十五
舞姫
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
花
毛氈
(
まうせん
)
の
唐草
(
からくさ
)
に
絡
(
から
)
みて
縒
(
よ
)
るゝ
夢心地
(
ゆめごゝち
)
。
海潮音
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
母の夢、それは微温の
毛氈
(
まうせん
)
です
ランボオ詩集
(新字旧仮名)
/
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー
(著)
赤い
毛氈
(
まうせん
)
を掛けた机の上には何時でも父の好きな書籍が載せてありましたが、時には和算の道具などの置いてあるのを見かけたことも有ります。
幼き日:(ある婦人に与ふる手紙)
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
毛氈
(
まうせん
)
を
老樹
(
らうじゆ
)
の
下
(
もと
)
にしき
烟
(
たばこ
)
くゆらせつゝ
眺望
(
みわたせ
)
ば、引舟は浪に
遡
(
さかのぼ
)
りてうごかざるが如く、
下
(
くだ
)
る舟は
流
(
ながれ
)
に
順
(
したが
)
ふて
飛
(
とぶ
)
に
似
(
に
)
たり。
行雁
(
かうがん
)
字をならべ
帰樵
(
きせう
)
画をひらく。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
こゝに、おみき
所
(
じよ
)
と
言
(
い
)
ふのに、
三寶
(
さんぱう
)
を
供
(
そな
)
へ、
樽
(
たる
)
を
据
(
す
)
ゑ、
緋
(
ひ
)
の
毛氈
(
まうせん
)
に
青竹
(
あをだけ
)
の
埒
(
らち
)
、
高張提灯
(
たかはりぢやうちん
)
、
弓張
(
ゆみはり
)
をおし
重
(
かさ
)
ねて、
積上
(
つみあ
)
げたほど
赤々
(
あか/\
)
と、
暑
(
あつ
)
くたつて
構
(
かま
)
はない。
祭のこと
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
縁臺の
毛氈
(
まうせん
)
まで
剥
(
は
)
いで、ひつそり靜まつてをりましたが、平次の聲を聽くと、さすがに店の中はザワめきます。
銭形平次捕物控:314 美少年国
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
草が
狐色
(
きつねいろ
)
の
毛氈
(
まうせん
)
を拡げ
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
桟敷
(
さじき
)
のこゝかしこに
欲然
(
もえたつ
)
やうな
毛氈
(
まうせん
)
をかけ、うしろに
彩色画
(
さいしきゑ
)
の
屏風
(
びやうぶ
)
をたてしはけふのはれなり。四五人の婦みな
綿帽子
(
わたばうし
)
したるは
辺鄙
(
へんび
)
に古風を
失
(
うしなは
)
ざる也。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
とある屋形船、
簾
(
すだれ
)
も卷き上げた盃盤の中に、
毛氈
(
まうせん
)
を掛けた横木に
凭
(
もた
)
れて、娘が一人介抱されてゐるのでした。
銭形平次捕物控:310 闇に飛ぶ箭
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
此
(
こ
)
の
陽氣
(
やうき
)
で、
障子
(
しやうじ
)
を
開放
(
あけはな
)
した
中
(
なか
)
には、
毛氈
(
まうせん
)
も
見
(
み
)
えれば、
緞通
(
だんつう
)
も
見
(
み
)
える。
屏風
(
びやうぶ
)
、
繪屏風
(
ゑびやうぶ
)
、
衣桁
(
いかう
)
、
衝立
(
ついたて
)
——お
輕
(
かる
)
が
下
(
お
)
りさうな
階子
(
はしご
)
もある。
手拭
(
てぬぐひ
)
、
浴衣
(
ゆかた
)
を
欄干
(
てすり
)
に
掛
(
か
)
けたは、
湯治場
(
たうぢば
)
のお
定
(
さだ
)
まり。
飯坂ゆき
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
祖父
(
おぢい
)
さんは
字
(
じ
)
を
書
(
か
)
くことが
好
(
す
)
きで、
赤
(
あか
)
い
毛氈
(
まうせん
)
の
上
(
うへ
)
へ
大
(
おほ
)
きな
紙
(
かみ
)
をひろげて、
夜
(
よ
)
遲
(
おそ
)
くなるまで
何
(
なに
)
かよく
書
(
か
)
きましたが、その
度
(
たび
)
に
眠
(
ねむ
)
い
眼
(
め
)
をこすり/\
蝋燭
(
らふそく
)
を
持
(
も
)
たせられるのはお
勇
(
ゆう
)
さんや
父
(
とう
)
さんの
役目
(
やくめ
)
でした。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
毛氈
(
まうせん
)
を
老樹
(
らうじゆ
)
の
下
(
もと
)
にしき
烟
(
たばこ
)
くゆらせつゝ
眺望
(
みわたせ
)
ば、引舟は浪に
遡
(
さかのぼ
)
りてうごかざるが如く、
下
(
くだ
)
る舟は
流
(
ながれ
)
に
順
(
したが
)
ふて
飛
(
とぶ
)
に
似
(
に
)
たり。
行雁
(
かうがん
)
字をならべ
帰樵
(
きせう
)
画をひらく。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
もう店を仕舞つたのでせう、肩に擔いだのはクルクルと卷いた
毛氈
(
まうせん
)
が二三枚、片手に大きな箱を提げて、何のこだはりもなく百姓地の方へ入つて行くのです。
銭形平次捕物控:063 花見の仇討
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
お葉はさう言ひながら、二人を招じ入れて、赤い
毛氈
(
まうせん
)
の上、煙草や茶を運ばせるのでした。
銭形平次捕物控:314 美少年国
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
さてその家にては家内をよく/\清め、わきて其日正
殿
(
でん
)
の
間
(
ま
)
ととなふる一
間
(
ま
)
は
塩垢離
(
しほこり
)
にきよめこゝを
神使
(
じんし
)
の
席
(
せき
)
とし、
綵筵
(
はなむしろ
)
を
布
(
しき
)
ならべ上座に
毛氈
(
まうせん
)
をしき、上段の
間
(
ま
)
に
表
(
かたど
)
り刀掛をおく。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
妻戀稻荷の前の茶店——晝は婆さんが一人
今戸燒
(
いまどやき
)
の狸のやうに番人をして居りますが、日が暮れると自分の家へ引揚げて、
茣蓙
(
ござ
)
や
毛氈
(
まうせん
)
を
剥
(
は
)
いだまゝの縁臺が、淋しく取殘されてゐるところに
銭形平次捕物控:141 二枚の小判
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
見ると、丁度船の中程、眞新しい
茣蓙
(
ござ
)
と
毛氈
(
まうせん
)
を染めて、夏姿ながら眼の覺めるやうな娘が一人倒れてをり、それを取卷いて、四、五人の者が、仕樣こともなく、たゞウロウロしてゐるのです。
銭形平次捕物控:310 闇に飛ぶ箭
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
と平次、赤い
毛氈
(
まうせん
)
を掛けた
床几
(
しやうぎ
)
を引寄せ加減に、腰から煙草入を拔きます。
銭形平次捕物控:013 美女を洗ひ出す
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
飛鳥山の花見の行樂に、埃と酒にすつかり醉つて、これから夕陽を浴びて家路を急がうといふ時、跡片付けで少し後れたガラツ八が、
毛氈
(
まうせん
)
を肩に引つ擔いだまゝ、泳ぐやうに飛んで來たのでした。
銭形平次捕物控:063 花見の仇討
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
“毛氈”の意味
《名詞》
獣毛を加工して織物のようにした布。主に敷物に用いる。
(出典:Wiktionary)
毛
常用漢字
小2
部首:⽑
4画
氈
漢検1級
部首:⽑
17画
“毛氈”で始まる語句
毛氈苔