書齋しよさい)” の例文
新字:書斎
かれ生活せいくわつかくごとくにしていた。あさは八き、ふく着換きかへてちやみ、れから書齋しよさいはひるか、あるひ病院びやうゐんくかである。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
よくたゞしてると、しかく平氣へいきをとこも、時々とき/″\歡樂くわんらく飽滿はうまん疲勞ひらうして、書齋しよさいのなかで精神せいしんやすめる必要ひつえうおこるのださうであつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
くだん垣根かきね差覗さしのぞきて、をぢさんるか、とこゑける。黄菊きぎくけたるとこ見透みとほさるゝ書齋しよさいこゑあり、る/\と。
弥次行 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
先生せんせい其一間そのひとま書齋しよさいとしてられましたが、書籍しよせき學校用がくかうようほか新刊物しんかんものが二三しゆとこうへいてあるばかりでした。
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
かりしはそののさまなり、くるま用意よういなにくれと調とゝのへさせてのち、いふべきことあり此方こなたへと良人をつとのいふに、いまさらおそろしうて書齋しよさいにいたれば、今宵こよひより其方そなた谷中やなかうつるべきぞ
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
此間このあひだうまれたすゑをとこが、ちゝ時刻じこくたものか、ましてしたため、ぞく書齋しよさいけてにはげたらしい。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
通常つうじやう人間にんげんは、ことも、わることみな身外しんぐわいからもとめます。すなは馬車ばしやだとか、書齋しよさいだとかと、しか思想家しさうか自身じしんもとめるのです。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
書齋しよさいがくをねだつたとき紅葉先生こうえふせんせいが、活東子くわつとうしのために(春星池しゆんせいち)とだいされたのをおぼえてる。……春星池活東しゆんせいちくわつとう活東くわつとう蝌蚪くわとにして、字義じぎ(オタマジヤクシ)ださうである。
番茶話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
書齋しよさいまへ小庭こには奇麗きれい掃除さうぢがしてつて、其處そこへはとりれないやうにしてあります。
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
つた號外がうぐわい御米およねのエプロンのうへせたなり書齋しよさい這入はいつたが、その語氣ごきからいふと、むしいたものであつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
ヂオゲンは勿論もちろん書齋しよさいだとか、あたゝか住居すまゐだとかには頓着とんぢやくしませんでした。これあたゝかいからです。たるうち寐轉ねころがつて蜜柑みかんや、橄欖かんらんべてゐればれですごされる。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)