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暗示
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あんじ
ふりがな文庫
“
暗示
(
あんじ
)” の例文
僕は以前架上の書籍を買ひ入れた
年月
(
ねんげつ
)
の順に
記
(
しる
)
し、その書籍の持ち主の一生の変化を
暗示
(
あんじ
)
する小品を書いて見ようかと思つた。
蒐書
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
併
(
しか
)
し平八郎の言ふことは、年来
暗示
(
あんじ
)
のやうに此
爺
(
ぢ
)
いさんの心の上に働く習慣になつてゐるので、ことわることは
所詮
(
しよせん
)
出来ない。
大塩平八郎
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
津田の頭に二つのものが
相継
(
あいつ
)
いで
閃
(
ひら
)
めいた。一つはこれからここへ来るその吉川夫人を
旨
(
うま
)
く取扱わなければならないという
事前
(
じぜん
)
の
暗示
(
あんじ
)
であった。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
問題
(
もんだい
)
は
各自
(
かくじ
)
その
懷抱
(
くわいほう
)
する
所
(
ところ
)
を
遠慮
(
えんりよ
)
なく
披瀝
(
ひれき
)
した
處
(
ところ
)
のものが、
所謂
(
いはゆる
)
建築
(
けんちく
)
の
根本義
(
こんぽんぎ
)
の
解決
(
かいけつ
)
に
對
(
たい
)
して
如何
(
いか
)
なる
暗示
(
あんじ
)
を
與
(
あた
)
へるか、
如何
(
いか
)
なる
貢献
(
こうけん
)
を
致
(
いた
)
すかである。
建築の本義
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
古事記
(
こじき
)
の
神代
(
しんだい
)
の
巻
(
まき
)
に、
豐玉姫
(
とよたまひめ
)
からお
生
(
うま
)
れになられたお
子様
(
こさま
)
を、
妹
(
いもうと
)
の
玉依姫
(
たまよりひめ
)
が
養育
(
よういく
)
されたとあるのは、つまりそう
言
(
い
)
った
秘事
(
ひじ
)
を
暗示
(
あんじ
)
されたものだと
承
(
うけたまは
)
ります。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
▼ もっと見る
事上錬磨という言葉を通じて、権力に対する反抗の機会を
暗示
(
あんじ
)
されたかのような気持ちでいたのである。
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
いつしか、
空
(
そら
)
の
雲
(
くも
)
は、どこへか
姿
(
すがた
)
を
消
(
け
)
してしまいました。もし、
気
(
き
)
がつかなかったら、
永遠
(
えいえん
)
に
知
(
し
)
られずにしまったような、それは、はかない
天
(
てん
)
の
暗示
(
あんじ
)
でありました。
深山の秋
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
が、こゝを
中心
(
ちゆうしん
)
として
見
(
み
)
ると、どうしても
良經
(
よしつね
)
の
歌
(
うた
)
から、
暗示
(
あんじ
)
を
得
(
え
)
て
作
(
つく
)
つたに
違
(
ちが
)
ひありません。そして
良經
(
よしつね
)
の
歌
(
うた
)
の
氣分
(
きぶん
)
をすっかり
取
(
と
)
つて、
一種
(
いつしゆ
)
の
歌
(
うた
)
に
纏
(
まと
)
めてゐます。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
で、たとへば「
思
(
おも
)
はぬ
大利
(
たいり
)
あり」とか「
物事
(
ものごと
)
に
蹉跌
(
さてつ
)
あり、
西方
(
せいはう
)
凶
(
きやう
)
」などといふ、
考
(
かんが
)
へれば
馬鹿
(
ばか
)
らしい
暗示
(
あんじ
)
が
卓子
(
テーブル
)
を
圍
(
かこ
)
む
氣持
(
きもち
)
を
變
(
へん
)
に
動
(
うご
)
かすこと
我
(
われ
)
ながらをかしいくらゐだ。
麻雀を語る
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
嘗
(
かつ
)
て
城
(
じやう
)
ヶ
沼
(
ぬま
)
の
縁
(
ふち
)
で
旅僧
(
たびそう
)
の
口
(
くち
)
から
魔界
(
まかい
)
の
暗示
(
あんじ
)
を
伝
(
つた
)
へられたゝめに——
太
(
いた
)
く
忌
(
いま
)
はしかつたので、……
権七
(
ごんしち
)
に
取寄
(
とりよ
)
せさした
着換
(
きがえ
)
の
衣
(
きぬ
)
は、
恰
(
あたか
)
も
祠
(
ほこら
)
の
屋根
(
やね
)
に
藤
(
ふぢ
)
の
花
(
はな
)
が
咲
(
さ
)
きかゝつたのを
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
予言
(
よげん
)
は、よき
未来
(
みらい
)
の
暗示
(
あんじ
)
であり、いましめの
謎
(
なぞ
)
である。かならずしも、文字の
表
(
おもて
)
にあらわれている意味ばかりが
真
(
まこと
)
なのではない。その
裏
(
うら
)
の意味もふかく
味読
(
みどく
)
してみねばならぬ。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
この答へには、容易ならぬ
暗示
(
あんじ
)
があるとは、當の忍にも氣が附かなかつたでせう。
銭形平次捕物控:322 死の秘薬
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
ああ
暗示
(
あんじ
)
……えもわかぬ夢の
象徴
(
シムボル
)
。
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
勝頼
(
かつより
)
と
伊那丸
(
いなまる
)
のことを、
未然
(
みぜん
)
に
暗示
(
あんじ
)
した一
行
(
ぎょう
)
の文字はいま思えばあたっていた。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
だからこの
二首
(
にしゆ
)
のお
歌
(
うた
)
も、
實
(
じつ
)
は
後世
(
こうせい
)
のもので、なんだか、へんな
暗示
(
あんじ
)
を
感
(
かん
)
じさせるところからして、しぜん、
畝傍山
(
うねびやま
)
・さゐ
川
(
かは
)
——さゐ
川
(
かは
)
は、いすけより
媛
(
ひめ
)
のお
屋敷
(
やしき
)
のあつた
所
(
ところ
)
——などいふ
地名
(
ちめい
)
から
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
八五郎の報告は思いの外奇っ怪で、そして
暗示
(
あんじ
)
的でした。
銭形平次捕物控:182 尼が紅
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
八五郎の報告は思ひの外奇つ怪で、そして
暗示
(
あんじ
)
的でした。
銭形平次捕物控:182 尼が紅
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
“暗示”の意味
《名詞》
暗 示(あんじ)
手掛かりをそれとなく示すこと。
人の感情、思考、行動などが言葉や合図などにより無意識のうちに特定の方向に変化する現象。
(出典:Wiktionary)
“暗示”の解説
暗示(あんじ、en: suggestion)は、言葉や合図などにより、他者の思考、感覚、行動を操作・誘導する心理作用のことをいう。暗示にかけられた者は自然にそうなったと考え、それが他者による誘導によるものであることに気が付かない。特に催眠状態において暗示は最も効力を発揮する。
(出典:Wikipedia)
暗
常用漢字
小3
部首:⽇
13画
示
常用漢字
小5
部首:⽰
5画
“暗”で始まる語句
暗
暗闇
暗澹
暗夜
暗誦
暗黒
暗礁
暗々裡
暗中
暗雲