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手
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た
ふりがな文庫
“
手
(
た
)” の例文
すぐ
效
(
き
)
いちやつて、わけなく
手
(
た
)
ぐり出されちやつたんだが、條虫が出ちまつたら、その人は、一升も飮めなくなつちやつたんだが——
夏の夜
(旧字旧仮名)
/
長谷川時雨
(著)
手
(
た
)
ぐりつけられるように。……金石街道でお優さんと死のうとした、並木の松に、形がそっくりに見えて
忍耐
(
がまん
)
がならないのです。——
河伯令嬢
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
彼は、両刀を
手
(
た
)
ばさむ気でそろばんを取る。大義名分を金勘定のあきないに移している。みずから商道といっているのが、それだ。
巷説享保図絵
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
爺さんが綱の玉を段々にほごすと、綱はするするするするとだんだん空の方へ、
手
(
た
)
ぐられでもするように、上がって行くのです。
梨の実
(新字新仮名)
/
小山内薫
(著)
雜談
(
ざつだん
)
の間に周三は、何かひツかゝりを作へては、お房の
素性
(
すじやう
)
と
經歴
(
けいれき
)
とを探つた。そして
約
(
ほぼ
)
想像
(
そう/\
)
して見ることが出來るまでに
手
(
た
)
ぐり出した。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
▼ もっと見る
わたしたちがみんな船の上に乗ってしまうと、まもなく船をつないだ大づなは
解
(
と
)
かれて、船頭はかじを、
御者
(
ぎょしゃ
)
は
手
(
た
)
づなを取った。
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
胆
(
きも
)
も太いが手ぎわもいい、たちまち三
丈
(
じょう
)
あまりの
絶壁
(
ぜっぺき
)
の上へみごとに
手
(
た
)
ぐりついて、
竹生島
(
ちくぶしま
)
の樹木の中へヒラリと姿をひそませてしまった。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
お艶の部屋の隣の大納戸まで忍び返しを越して綱を
手
(
た
)
ぐって行くことを思いつき、二、三度はそれで逢引を重ねたことだろう
銭形平次捕物控:238 恋患い
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
女は昂つた男の言出しを
手
(
た
)
ぐつて自分の本心を打明けようとも思つたが、それが果していいか悪いか一寸分らなくなつた。で、先づかう云つた。
計画
(新字旧仮名)
/
平出修
(著)
白良
(
しらら
)
の ましららの浜、まことしろきかも。驚くと、我が見ると、まことしろきかも。踏みさくみ、
手
(
た
)
ぐさとり、あなあはれ、まことしろきかも。
夢殿
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
僕の家族たちは僕の死後には僕の遺産に
手
(
た
)
よらなければならぬ。僕の遺産は百坪の土地と僕の家と僕の著作権と僕の貯金二千円のあるだけである。
或旧友へ送る手記
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
今度は高くて容易に手の届きそうもない枝をしきりに
手
(
た
)
ぐろうとしては失敗しているのを、私は根気よく、むしろ
面白
(
おもしろ
)
いものでも見ているように見入っていた。
美しい村
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
前者については一つ一つの温泉の詳しい事は分らないが各温泉の特徴については明瞭な知識を与え選択の
手
(
た
)
よりになる。後者ではその温泉と他との比較は明らかにならない。
科学上における権威の価値と弊害
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
(いけない)と貝十郎は帯を解く手を止め、その手で大小を
手
(
た
)
ばさんだ。与力としての良心が、にわかに閃めいたからである。襖をあけて廊下へ出た。しかしすぐによろめいた。
十二神貝十郎手柄話
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
たぶん彼女を
突
(
つっ
)
ついたら、何かしら
手
(
た
)
ぐり出す方法があるかも知れないという位の考えなのだろうが、今頃こんな人を、ほじくり出した処で、どうせ何も出やしないと思ったので
情鬼
(新字新仮名)
/
大倉燁子
(著)
然し思いかけない折に、新聞が相識る人の
訃
(
ふ
)
を伝えたのも二三に止まりません。すべてが戦時気分でした。
然
(
そう
)
です。世界戦に日本は
手
(
た
)
ずさわるとは云う
条
(
じょう
)
、本舞台には出ませんでした。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
沼
(
ぬま
)
には、ぬなは、ひつじ草、たぬき藻、杉藻など、一面に
生
(
は
)
えて、うつかり蓴菜の中へ漕ぎ入るとあとへも先へも
動
(
うご
)
かなくなる。そんな時は手を延ばして蓴菜の
蔓
(
つる
)
を
手
(
た
)
ぐつて進んで行く。
筑波ねのほとり
(旧字旧仮名)
/
横瀬夜雨
(著)
巌門
(
いはと
)
破
(
わ
)
る
手
(
た
)
力もがも。
嫋
(
たわや
)
き
女
(
をみな
)
にしあれば、すべの知らなく
歌の円寂する時
(新字新仮名)
/
折口信夫
(著)
手
(
た
)
ぢからのよわや
十歩
(
とあし
)
に鐘やみて桜ちるなり山の夜の寺
恋衣
(新字旧仮名)
/
山川登美子
、
増田雅子
、
与謝野晶子
(著)
剣
(
つるぎ
)
太刀
(
たち
)
腰に
取佩
(
とりは
)
き、
古
(
いにしえ
)
の
本
(
ふみ
)
を
手
(
た
)
にぎり、国へかへらす
墨汁一滴
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
斧の
柄
(
え
)
を
手
(
た
)
握
(
にぎ
)
りもちて、肩かゞむ
杣
(
そま
)
の
工
(
たくみ
)
を
海潮音
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
われからならぬ
手
(
た
)
にぎりや、——
春鳥集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
女は
昂
(
たかぶ
)
つた男の言出しを
手
(
た
)
ぐつて自分の本心を打明けようとも思つたが、それが果していいか惡いか一寸分らなくなつた。で、先づかう云つた。
計画
(旧字旧仮名)
/
平出修
(著)
現に短歌は発句のやうに季題などに
手
(
た
)
よつてゐない。これは何も発句よりも十四音だけ多いのにはよらぬ筈である。
発句私見
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
高蔵人は
身拵
(
みごしらえ
)
凛々
(
りり
)
しく、両刀を
手
(
た
)
挟んだ上に、六尺柄
皆朱
(
かいしゅ
)
の手槍を
提
(
ひっさ
)
げて、相生総左衛門の屋敷に忍び込みました。
新奇談クラブ:03 第三夜 お化け若衆
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
その上にたって、
棹
(
さお
)
を
手
(
た
)
ぐってくるふしぎな男はたれ? 敵か味方か、ふたりは目をみはって、
闇
(
やみ
)
をすかした。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それは空想好きの私のよろこんで引きうけた、娘時代の仕事のひとつであった習慣からでもあろう。ときものの糸と共に、つきない空想を、とりとめもなく
手
(
た
)
ぐりだし楽しんでいたのである。
旧聞日本橋:20 西川小りん
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
処
(
ところ
)
で、今度、隅田川
両岸
(
りょうがん
)
の
人払
(
ひとばらい
)
、いや人よせをして、
件
(
くだん
)
の陣羽織、菊綴、
葵紋服
(
あおいもんぷく
)
の
扮装
(
いでたち
)
で、拝見ものの博士を伴ひ、弓矢を
日置流
(
へぎりゅう
)
に
手
(
た
)
ばさんで
静々
(
しずしず
)
と
練出
(
ねりだ
)
した。飛びも、立ちもすれば
射取
(
いと
)
られう。
妖魔の辻占
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
がその時はその捕り縄、ちゃアんとふところへ
手
(
た
)
ぐられていた。
剣侠受難
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
汗沁むる木彫の
鷽
(
うそ
)
は
手
(
た
)
にぎりて朝行きし前を夕かへりをり
夢殿
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
古
(
ふ
)
りし
代
(
よ
)
埴安姫
(
はにやすひめ
)
が
手
(
た
)
すさびより
春鳥集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
いでたちの旅路の
糧
(
かて
)
を
手
(
た
)
握
(
にぎ
)
りて
海潮音
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
僕はこの商標に人工の翼を
手
(
た
)
よりにした古代の希臘人を思い出した。彼は空中に舞い上った揚句、太陽の光に翼を焼かれ、とうとう海中に
溺死
(
できし
)
していた。
歯車
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
血みどろな合掌と、銀五郎が最期の声を新たに思いうかべる時——またかかる夜かれの
菩提心
(
ぼだいしん
)
は、知らず知らずにも
一節切
(
ひとよぎり
)
の一曲をその霊に
手
(
た
)
むけさせる。
鳴門秘帖:03 木曾の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
平次が声を掛けるまでもなく、八五郎はもうそれを
手
(
た
)
ぐり出して居ります。
銭形平次捕物控:238 恋患い
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
それからそれへと
手
(
た
)
ぐりだした記事がそれに続いていた。
芳川鎌子
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
みどり児が力こめたる
掌
(
たなひら
)
に一つ
手
(
た
)
にぎる小さきかやの実
風隠集
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
僕はこの商標に人工の翼を
手
(
た
)
よりにした古代の
希臘
(
ギリシヤ
)
人を思ひ出した。彼は空中に舞ひ上つた揚句、太陽の光に翼を焼かれ、とうとう海中に溺死してゐた。
歯車
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
鹿角
(
しかづの
)
の
前立
(
まえだ
)
ち打った
兜
(
かぶと
)
に、黒革のよろいを着、大槍を
手
(
た
)
ばさんで、馬上に風を切らせて来た武者振りは、さすがに勝豊の
麾下
(
きか
)
中第一の剛の者と見えたが、いかなる大勇も
新書太閤記:09 第九分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「有難う、先づ差當りそれを
手
(
た
)
ぐつて見るとしませう。おい、八」
銭形平次捕物控:181 頬の疵
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
蕃童は弓矢
手
(
た
)
ばさみ
新頌
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
(それは母胎を離れた後、「唯我独尊」の
獅子吼
(
ししく
)
をした仏陀よりもはるかに
手
(
た
)
よりのないものである。)
続西方の人
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
両刀は
手
(
た
)
ばさんでいるが、どこか
華奢
(
きゃしゃ
)
な風俗、
銀砂子
(
ぎんすなご
)
の
扇子
(
せんす
)
を半開きにして口へ当て
鳴門秘帖:04 船路の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
平次は八五郎の
手
(
た
)
ぐり出した綱を、丁寧に調べ始めました。
銭形平次捕物控:238 恋患い
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
“手”の解説
手首から指の先までの部分。腕の末端にある器官。本項で詳述する。
日本では人体の左右の肩から出ている長い部分、腕 (arm) も「手」とよく呼ばれる。この記事でも若干ふれるが、腕参照のこと。
組織を人と見立てて、組織でちょうど人体の手のようにはたらく人のこと。
* はたらく人。組織のメンバー。例.「手が足りない」(=人が足りない)「手がいる」など。
* 部下。
* 部隊。
手をはたらかせてすること。 術、手段、方法のこと。幅広い用法がある。
* 囲碁、将棋などで一回の動作の単位。
* 邦楽において、パート、器楽部分、楽器の旋律、旋律型、および、技法等を指す。
* 手 (沖縄武術)。
* 相撲や各種武術の技の種類を数えるときの単位。
手で指すもの。方向。「上手(かみて)」(=うえのほう)「山手(やまて)」(=やまのほう)など。
(出典:Wikipedia)
手
常用漢字
小1
部首:⼿
4画
“手”を含む語句
上手
下手
手巾
把手
手拭
手練
手向
手伝
敵手
手前
右手
拍手
空手
手風琴
手触
舵手
助手
手繰
手段
手水鉢
...