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悉皆
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みんな
ふりがな文庫
“
悉皆
(
みんな
)” の例文
そしてお客の持つて来た鱒の子は、
悉皆
(
みんな
)
湖水のなかへ放して
遣
(
や
)
つたら、幾年かの間に湖水は鱒で一杯になるだらうと言ひ/\してゐた。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
だが、あんまり
威張
(
ゐば
)
れないて、
此樣
(
こん
)
な
車
(
くるま
)
を
製造
(
こしらへ
)
ては
如何
(
どう
)
でせうと、
此處
(
こゝ
)
まで
工夫
(
くふう
)
したのは
此
(
この
)
私
(
わたくし
)
だが、
肝心
(
かんじん
)
の
機械
(
きかい
)
の
發明
(
はつめい
)
は
悉皆
(
みんな
)
大佐閣下
(
たいさかつか
)
だよ。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
それを
晩秋
(
ばんしう
)
の
空
(
そら
)
が
悉皆
(
みんな
)
持
(
も
)
ち
去
(
さ
)
るので
滅切
(
めつきり
)
と
冴
(
さ
)
える
反對
(
はんたい
)
に
草木
(
くさき
)
は
凡
(
すべ
)
てが
乾燥
(
かんさう
)
したりくすんだりして
畢
(
しま
)
ふのに
相違
(
さうゐ
)
ないのである。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
「あア
悉皆
(
みんな
)
内へ
入
(
いれ
)
ちゃったよ。外へ置くとどうも物騒だからね。今の
高価
(
たか
)
い炭を
一片
(
ひときれ
)
だって盗られちゃ馬鹿々々しいやね」
竹の木戸
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
こんな多勢の人達が
悉皆
(
みんな
)
出征なさる方に縁故のある人、
別離
(
わかれ
)
を惜しみに此処に集ってお居でなさるのかと思ったら、私は胸が一杯になりましたの。
昇降場
(新字新仮名)
/
広津柳浪
(著)
▼ もっと見る
ともう一人、図体の
巨
(
でか
)
いのが進み寄った。
悉皆
(
みんな
)
で六人いた。相撲を取りながら待っていたのだった。早川君と草刈小僧の大将の間に論判が始まった。
ある温泉の由来
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
どうやらこれは隠語を隠した独楽は、あれ以外にも
幾個
(
いくつ
)
かあるらしく、それらの独楽を
悉皆
(
みんな
)
集めて
全部
(
すっかり
)
の隠語を知った時、はじめて秘密が解けるものらしい。
仇討姉妹笠
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
京都
(
きやう
)
やら奈良の堂塔を写しとりたるものもあり、此等は
悉皆
(
みんな
)
汝に預くる、見たらば何かの足しにもなろ、と
自己
(
おの
)
が
精神
(
こゝろ
)
を籠めたるものを惜気もなしに譲りあたふる
五重塔
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
俺の旦那は此位
豪
(
えら
)
い方だから
家内
(
うちゞう
)
の方が揃つて
悉皆
(
みんな
)
豪いや。別して感心なのは嬢様だ子。齢は十九の厄年で名は
妙子
(
たえこ
)
と仰しやる。君達に見せたいほどな好い
御容貌
(
ごきりやう
)
だ。
犬物語
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
(著)
「どうせ
貴方
(
あなた
)
の請求通り上げる訳には行かないんです。それでもありったけ
悉皆
(
みんな
)
上げたんですよ」
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
私
(
わし
)
ア気も違いません、
素
(
もと
)
より
貴方
(
あんた
)
さまに斬られて死ぬ覚悟で、承知して
大事
(
でえじ
)
のお皿を
悉皆
(
みんな
)
打毀
(
ぶちこわ
)
しました、もし旦那さま、私ア
生国
(
もと
)
は
忍
(
おし
)
の
行田
(
ぎょうだ
)
の在で生れた者でありやすが
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
みんな文句云うところアねえ、在りったけの
石炭
(
すみ
)
を
悉皆
(
みんな
)
、
汽鑵
(
かま
)
にブチ込むんだ。それで足りなけあ
船底
(
ダンブロ
)
の木綿の
巻荷
(
ロール
)
をブチ込むんだ。それでも足りなけあ俺から先に
汽鑵
(
かま
)
の中へ
匍
(
は
)
い込むんだ。ハハハ。
難船小僧
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
「ええ
悉皆
(
みんな
)
遣
(
や
)
つて
了
(
しま
)
へ!」
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
遙
(
はるか
)
にぽつり/\と
見
(
み
)
える
稻刈
(
いねかり
)
の
百姓
(
ひやくしやう
)
は
㷀然
(
ぽつさり
)
とした
彼
(
かれ
)
の
目
(
め
)
から
隱
(
かく
)
れようとする
樣
(
やう
)
に
悉皆
(
みんな
)
ずつと
低
(
ひく
)
く
身
(
み
)
を
屈
(
かゞ
)
めて
居
(
ゐ
)
る。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
それが
酒断
(
さけだち
)
の水であらうと、塩であらうと、
莫児比涅
(
モルヒネ
)
であらうと、
悉皆
(
みんな
)
持合せのおせつかいからする事なので、男は目を
閉
(
つむ
)
つて謹んでそれを戴かなければならぬ。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
詐偽も糞もあるもんか。商人は儲けさへすりやア些と位人に迷惑を掛けても
関
(
かま
)
はんのだ。今の
大頭株
(
あほあたまかぶ
)
を見給へ、紳商面をして澄ましてやがるが、
成立
(
なりたち
)
は
悉皆
(
みんな
)
僕等と仝じ事だ。
貧書生
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
(著)
帯も
櫛
(
くし
)
笄
(
こうがい
)
のようなものまで
悉皆
(
みんな
)
要
(
い
)
らねえから
汝
(
われ
)
え
一風呂敷
(
ひとふろしき
)
に
引纒
(
ひんまと
)
めて、表へ
打棄
(
うっちゃ
)
っちまえ
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「俺が死んだらオイ高萩の、俺の縄張俺の乾兒、お前
悉皆
(
みんな
)
世話を見てくれ」
剣侠
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
彼
(
かれ
)
は
悉皆
(
みんな
)
が
騷
(
さわ
)
いで
居
(
ゐ
)
る
間
(
ま
)
に
自分
(
じぶん
)
の
腹
(
はら
)
に
足
(
た
)
りるだけの
鮨
(
すし
)
や
惚菜
(
そうざい
)
やらを
箸
(
はし
)
に
挾
(
はさ
)
んで
杯
(
さかづき
)
へは
手
(
て
)
を
觸
(
ふ
)
れようとしなかつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
「
俺
(
わし
)
が一日怠けでもしようもんなら、京の奴ら、
悉皆
(
みんな
)
ぐしよ濡れになるやらう。
可哀
(
かあい
)
さうなもんや。」
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
鱲
(
からすみ
)
又は
雲丹
(
うに
)
のようなものもあるから、
悉皆
(
みんな
)
出してずん/\と飲んで、菊が止めても
肯
(
き
)
くな、然うして無理に菊に
合
(
あい
)
をしてくれろと云えば、
仮令
(
たとえ
)
否
(
いや
)
でも一盃ぐらいは合をするだろう
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
其の金は
貴方
(
あんた
)
に
悉皆
(
みんな
)
預けて置き、
私
(
わし
)
独りで稼ぎ出しやす、どうか此の金を月々
幾許
(
いくら
)
という細くも利を産み出すよう一つ御工夫なすって下さいやし、其の内二十両だけお借り申して
家
(
いえ
)
を
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
アノ此んな
大切
(
だいじ
)
なお金を
費
(
つか
)
うようなものは愚を
極
(
きわ
)
めたんだって、それだから
迚
(
とて
)
も此の身代は譲れないから、
汝
(
てまえ
)
の親父は寄せ附けないって、アノ坊が大きくなると此の身代は
悉皆
(
みんな
)
坊にやるから
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
ヤー
這出
(
はひだ
)
して竹の皮を
広
(
ひろ
)
げやアがつた、アレ
丈
(
だけ
)
悉皆
(
みんな
)
喰
(
く
)
つちまうのか知ら。
黄金餅
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
番頭
様
(
さん
)
に向ってそんな事をいっては済まないじゃないか、鳶頭、お前も
嘸
(
さぞ
)
腹が立つだろうが、
何卒
(
どうぞ
)
我慢をしておくれ、
悉皆
(
みんな
)
私が呑込んでいるから、私は決して粂之助の
仕業
(
しわざ
)
とは思わないけれども
闇夜の梅
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
水夫「荷が
悉皆
(
みんな
)
這入らねえじゃア出しません」
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
“悉皆”の意味
《形容動詞》
悉皆(しっかい)
残すところ無く、すっかり、ことごとく。
(出典:Wiktionary)
悉
漢検準1級
部首:⼼
11画
皆
常用漢字
中学
部首:⽩
9画
“悉皆”で始まる語句
悉皆屋
悉皆成仏
悉皆浄尽