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取返
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とりかへ
失ひ夫より江戸に下らんとして
大津の
宿外れより惡漢に付れ終にお花を
奪ひ取れ
斯樣々々の
譯にて
取返せしが其の
節荷物と路金百兩を
もう
空の
何處にか
其の
勢ひを
潜めて
躊躇して
居る
筈の
春に
先立つて一
度に
取返さうとするものゝ
如く
騷いで/\
又騷ぐのである。
モイセイカは
今日は
院長のゐる
爲に、ニキタが
遠慮して
何も
取返さぬので、
貰つて
來た
雜物を、
自分の
寐臺の
上に
洗ひ
浚ひ
廣げて、一つ/\
並べ
初める。
水も
白く
夜も
明く
成つた……お
浦の
行方も
知れ、
其の
在所も
分り、
草鞋や
松明で
探つた
処で、
所詮無駄だと
断念も
着く……
其に、
魔物の
手から
女房を
取返す
手段も
出来た。
五年目には
田地も
取返し、
畑は
以前より
殖え、
山懷の
荒地は
美事な
桑園と
變じ、
村内でも
屈指の
有富な
百姓と
成り
終せたのです。しかも
彼の
勞働辛苦は
初と
少も
變らないのです。
赤尾の
彦が
息子のやうに
氣ちがひに
成つて
歸つたも
見て
居り候へば、もと/\
利發の
貴君樣に
其氣づかひはあるまじきなれど、
放蕩ものにでもお
成りなされては
取返しがつき申さず
さすればよしやお
糸が芸者になつたにした
処で、こんなに
悲惨な目に
遇はずとも
済んだであらう。あゝ
実に
取返しのつかない事をした。一生の方針を
誤つたと感じた。母親が急に
憎くなる。
取返し候處九助妻と申者は九助の
厄介になり居る伯父九郎兵衞の娘にて九助とは
從弟續きに候と云ば文左衞門はハテサテ
込入し儀ぢやなと言を藤八は又語を
取返すぞ
然樣心得よと云ふ處へ
御廻り御出と
觸來るにぞ則ち粂之進も
支度を