)” の例文
自らもいたずらに卑下していた特殊部落の地位をぼせて、一般世間と水平ならしめたならばそれでよいとするまでのものです。
融和促進 (新字新仮名) / 喜田貞吉(著)
『断然元子もとこを追ひ出してしづを奪つて来る。いやしくつても節操みさをがなくつてもしづの方がい』といふ感が猛然と彼の頭にぼつた。
節操 (新字旧仮名) / 国木田独歩(著)
グングン大屋根の端までしたと、片手が端へかかる、グーッと体が海老反りになる、すると最う大屋根に立っていた。
天主閣の音 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
何事ぞ、眞の武士の唇頭くちびるぼすもいまはしき一女子の色に迷うて、可惜あたら月日つきひ夢現ゆめうつゝの境にすごさんとは。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
円朝の「塩原多助」を初めて舞台にせたのも、かの「牡丹燈籠」と同様、やはり春木座であった。
寄席と芝居と (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
此時このとき夫人ふじん少年せうねんひざせて、その良君をつとほか三人みたり相手あひて談話はなしをしてつたが、わたくし姿すがたるより
それをば片一方の眼で視ているので、片一方のは何か堅い、木の枝に違いないがな、それにされて、そのまた枝に頭がっていようと云うものだから、ひどく工合がわるい。
涙は流れ、笑はこぼれ、いのちの同じりつつて、底知れぬ淵穴ふちあな共々とも/″\落込んで了ふのである。
落葉 (旧字旧仮名) / レミ・ドゥ・グルモン(著)
人の見るがいとわしさに、早足に行く少女のあとにつきて、寺の筋向かいなる大戸おおとれば、欠け損じたる石のはしごあり。これをぼりて、四階目に腰を折りてくぐるべきほどの戸あり。
舞姫 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
あたま其手そのてせることはとて出來できさうもないので、あいちやんはあたまげてとゞかせやうとして、今度こんど自分じぶんくびへびのやうに容易よういとほくのはうまがまはるのを大變たいへんよろこびました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
その堺屋さかいやあき木挽町こびきちょうで、おまえのことを重助じゅうすけさんにきおろさせて、舞台いたせようというのだから、まずねがってもないもっけのさいわい。いやのおうのということはなかろうじゃないか
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
東海道のぼり滊車ぎしや、正に大磯駅を発せんとする刹那せつな、プラットホームににはかに足音いそがはしく、駅長自ら戦々兢々せん/\きよう/\として、一等室の扉をひらけば、厚き外套ぐわいたうに身を固めたる一個の老紳士
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
此処こけせて置けば乞食か何か拾ってくべえから、此処こけせて置くべえ
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
ピータ すれば、その從僕さんぴんさまのお帶劍こしのもの汝等ぬしら賤頭どたませてくれう。(短き鈍劍を拔いて揮り𢌞し)これ、大概たいがい大言ぶう/\めぬと、その太鼓面たいこづらをはりまげてつちなかへめりこますぞよ、は如何どうだ?
そうされる時分には人民はもはや泣寝入りです。あるいはこんな事なればむしろ仏教などはなくてもよいという考えを起す人間もありましょう。けれどもまあ大抵そんな事を口先にせる者もない。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
お節は夫の外套を持つて車につた。
出発 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
京へぼせて狂言させて
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ぼる高水たかみづ
孔雀船 (旧字旧仮名) / 伊良子清白(著)
孤鶴こかく銀漢に啼くかのよう、哈々こうこう哈々と響き渡り、声ある空の一点から一団の火焔渦を巻いて、地上へ落ちると見る間もなく、五右衛門の姿は焔に包まれ、飄々翩々ひょうひょうへんぺん空にぼり
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
劇場以外の文士の作を舞台にせたる嚆矢にて、左団次が悪源太に扮す。
明治演劇年表 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
新聞物を舞台にせたる嚆矢なり。
明治演劇年表 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)