“ふね”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:フネ
語句割合
49.7%
18.7%
9.9%
汽船7.1%
4.4%
軍艦2.0%
1.7%
滊船0.7%
0.7%
船体0.7%
魚槽0.7%
屋根船0.3%
0.3%
商船0.3%
海員0.3%
漁船0.3%
積船0.3%
0.3%
船中0.3%
蒸汽0.3%
連絡船0.3%
郵船0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それに、洋画家やうぐわか梶原かぢはらさんが、あめしのぎ、なみびて、ふねでも、いはでも、名勝めいしよう実写じつしやをなすつたのも、御双方ごそうはう御会心ごくわいしんことぞんじます。
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
そのわり一つおねがいがあります。どうぞくすのきでふねをこしらえて、みずをいっぱいれて、その中にささのかべてください。
雷のさずけもの (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
私は、潜水艦クロクロ島の偉力いりょくを、真に天下無敵と信ずる者である。そして、敵艦は遂に、わがふねを発見することが出来ないのである。
地球要塞 (新字新仮名) / 海野十三(著)
海は靄ではつきりしないが、巨きな汽船ふね達の影だけは直ぐに判る。時々ボー/\と汽笛が響いて來る。
かめれおん日記 (旧字旧仮名) / 中島敦(著)
また他の家から来た屑と混合して製紙場のふねから流れ出すまでの径路に、どれほどの複雑な世相が纏綿てんめんしていたか
浅草紙 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
もつとも一度、私の軍艦ふねでは、ナイフで腹を切つたのがゐたさうですが、これは死に切れない中に、発見されて命だけはとりとめたと云ふ事でした。
(新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
ふねがこの洞穴の広間へ、へさきを突込んだとき、果して、ぱっと点灯した。そして、そこに、怪奇をきわめた広間の有様が、人の眼を奪う。
地球要塞 (新字新仮名) / 海野十三(著)
わたくしおな滊船ふねで、はる/″\日本につぽん歸國きこく途中とちう暗黒あんこくなる印度洋インドやう眞中たゞなかおそ海賊船かいぞくせん襲撃しふげきひ、不運ふうんなる弦月丸げんげつまる沈沒ちんぼつともに、夫人ふじん生死せいしわたくしにはわからぬ次第しだいだが
和の率いる所の将卒二万七千八百余人、ふね長さ四十四丈、広さ十八丈の者、六十二、蘇州そしゅう劉家河りゅうかかよりかいうかびて福建ふくけんに至り、福建五虎門ごこもんより帆を揚げて海に入る。えつ三年にして、五年九月かえる。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
そんな時には石炭の代りに、メリケン粉を汽鑵かまにブチ込んで、人間も船体ふねも真白にしてしまったものだがね。もちろんこっちの手落ちだった事は一度もないんだが、不思議に運が悪いんだ。
焦点を合せる (新字新仮名) / 夢野久作(著)
「そんならわたへ、そツちへいて読みますわ。……をツさん一寸銀場を代つとくなはれ、あのまむしが五つ上ると金太に魚槽ふねを見にやつとくなはれ。……金太えゝか。」
鱧の皮 (新字旧仮名) / 上司小剣(著)
髪を洗ってから、ちりめん浴衣で、桟橋につけさせてある屋根船ふねへ乗る。横になりながら髪をあおがせるのだ。
早くから船は来て(浅草猿若町さるわかちょうにあった三座の芝居へは多く屋根船ふねか、駕籠かごでいったものである)、炬燵こたつを入れ、縮緬ちりめんの大座布団を、御隠居さんの分、隠居さんの分、御新造さんの分と三枚運ぶ。
「やいやい、そうともを突くない艫を! 見ろッ、ふねが廻っちまったじゃねえか」
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「女だ……女らしいぜ兼、も少しふねを後へ突いてくれ、下になっちゃった」
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
小型ではあるがその代わり速力の速やそうな商船ふねである。その商船の速力はやがて徐々に緩るくなった。
沙漠の古都 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
現在、陸上おかでは酒場のみやでも税関でも海員ふね奴等やつらが寄るとさわるとそのうわさばっかりで持切もちきってますぜ。
難船小僧 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
鰯がはいつて來たな、と沖からはいつて來る漁船ふねを見て、一人が言つた。
佃のわたし (旧字旧仮名) / 長谷川時雨(著)
海上暴風雨しけのためにいつもは房州へはいるはずの、仙台米の積船ふねが、いわしのとれるので名高い九十九里くじゅうくり銚子ちょうしの浜へはいった。江戸仙台藩の蔵屋敷からは中沢なにがしという侍が銚子へ出張した。
為し翌日二人にて長崎よりふねに乗りたり後にて聞けば金起は出足であしのぞみ兄の金を千円近く盗み来たりしとの事なりやがて神戸に上陸し一年余り遊び暮すうち
無惨 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
「いいや、それは違う、断じて違う」とラエーフスキイは歎息して、「船中ふねで一緒になった或る学者から聞いたことだが、黒海には動物フォーナがきわめて乏しいそうだ。 ...
決闘 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
来て見ればけふもかがやくしろがねの沖辺はるかにゆく蒸汽ふねのあり
雲母集 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
暮れ行く夕日の彼方へと連絡船ふねを冷たく吹き送る
本土の港を指して (新字新仮名) / 今野大力(著)
洋服姿の男がふらりと入って来て「郵船ふねは……」とくと、店員は指三本と五本を出して見せる。男は「八五だね」とうなずいてまた飄然ふらりと出てゆく。
一日一筆 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)