滊船ふね)” の例文
伊豆通ひの滊船ふねが、滊笛きてきを低く呻吟うならせて通り過ぎると、その餘波にゆられて、ゆらゆらしながら
佃のわたし (旧字旧仮名) / 長谷川時雨(著)
わたくしおな滊船ふねで、はる/″\日本につぽん歸國きこく途中とちう暗黒あんこくなる印度洋インドやう眞中たゞなかおそ海賊船かいぞくせん襲撃しふげきひ、不運ふうんなる弦月丸げんげつまる沈沒ちんぼつともに、夫人ふじん生死せいしわたくしにはわからぬ次第しだいだが
最早もはや起上おきあが勇氣ゆうきもない、『えい、無益だめだ/\、糧食かてき、滊船ふねえず、今更いまさらたよるしまい。』とおもはずさけんだが、不圖ふとかたわら日出雄少年ひでをせうねんやすらかにねむつてるのに心付こゝろつき、や、つまらぬことをと
何會社どこ滊船ふねだらう。』