食料しよくれう)” の例文
井戸は小屋をかけかはやは雪中其物をになはしむべきそなへをなす。雪中には一てん野菜やさいもなければ家内かない人数にんずにしたがひて、雪中の食料しよくれうたくはふ。
四谷よつやとほりへ食料しよくれうさがしにて、煮染屋にしめやつけて、くづれたかはら壁泥かべどろうづたかいのをんで飛込とびこんだが、こゝろあての昆布こぶ佃煮つくだにかげもない。
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
間斷かんだんなく消耗せうまうして肉體にくたい缺損けつそん補給ほきふするために攝取せつしゆする食料しよくれうは一わんいへどこと/″\自己じこ慘憺さんたんたる勞力らうりよくの一いてるのである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
植物性食物採集の爲には諸種しよしゆの石器及び入れ物を要せしなるべけれど、何物なにものの如何なる部分が食料しよくれうに撰まれしや詳ならざるを以て、精細せいさいには記し難し。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
こゝも生活くらしにはこまつてゐたので、はゝ食料しよくれうをかせぐため、丁度ちやうど十八になつてゐたのをさいはひ、周旋屋しうせんや世話せわで、そのころあらたにできた小岩こいは売笑窟ばいせうくつ身売みうりをしたのである。
吾妻橋 (新字旧仮名) / 永井荷風永井壮吉(著)
この打合うちあはせがをはると、大佐たいさ命令めいれいで、輕氣球けいきゝゆう海岸かいがん砂上しやじやう引出ひきいだされ、水素瓦斯すいそがす充分じふぶん滿たされ、數日分すうじつぶん食料しよくれうと、飮料水いんれうすいと、藥品やくひん買入かひいれや、船舶せんぱく雇入やとひいれのめにつひや
それは食料しよくれうまきとの不廉ふれん供給きようきふあふがねばならぬからである。勘次かんじはおしな發病はつびやうから葬式さうしきまでにはかれにしては過大くわだい費用ひようえうした。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
が、うすると、深山しんざん小驛せうえきですから、旅舍りよしやにも食料しよくれうにも、乘客じようかくたいする設備せつび不足ふそくで、危險きけんであるからとのことでありました。
雪霊続記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
もとより確言する能はざれど、現存げんぞん石器時代人民せききじだいじんみんの所爲を以て推す時は、是等は石器の用は食料しよくれうの肉を切り、木質もくしつを削り、人獸をきづつくるに在りしと思はる。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
さうしてまた食料しよくれうもとめるため勞力らうりよくくことによつて、作物さくもつ畦間うねまたがやすことも雜草ざつさうのぞくことも一さい手後ておくれにる。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
御馳走ごちそうには季春しゆんがまだはやいが、たゞるだけなら何時いつでもかまはない。食料しよくれうらないはべつとして、今頃いまごろ梅雨つゆには種々さま/″\きのこがによき/\と野山のやまえる。
くさびら (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
は曾てコロボックルは人肉じんにくくらひしならんとの事を云ひしが、此風習このふうしふは必しも粗暴猛惡そぼうまうあくたみの間にのみ行はるるには非ず、且つ人肉は决して彼等かれら平常へいじよう食料しよくれうには非ざりし事
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)