トップ
>
限
>
きり
ふりがな文庫
“
限
(
きり
)” の例文
休坂
(
やすみざか
)
を下りて眞砂町の通りへ出た時は、主筆と私と八戸君と三人
限
(
きり
)
になつて居た。『隨分贅澤な會を
行
(
や
)
りますねえ。』と私が云ふと
菊池君
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
「ねえ! 青木さん! 美奈さんと、三人でなければ面白くありませんわねえ。二人
限
(
きり
)
ぢや淋しいし張合がありませんわねえ!」
真珠夫人
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
婿はもと湯村の故郷仙台に銀行員の頃、伯母の世話で一緒にしたのだ。生れは東京の者である。今朝仕事口を探しに家を出た
限
(
きり
)
未だ帰つて来ない。
茗荷畠
(新字旧仮名)
/
真山青果
(著)
すべてには
限
(
きり
)
があります。「死の蔭に」が出で、父の三年の
喪
(
も
)
が果てる頃から、私はそろ/\死の蔭を出ました。大正七年は私共夫妻の銀婚です。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
もし此夫婦が自然の
斧
(
おの
)
で
割
(
さ
)
き
限
(
きり
)
に
割
(
さ
)
かれるとすると、自分の運命は
取
(
と
)
り
帰
(
かへ
)
しの
付
(
つ
)
かない未来を
眼
(
め
)
の
前
(
まへ
)
に控えてゐる。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
「馬鹿、いちいち役得のつもりでデレデレしていると、
限
(
きり
)
がねえぞ、少なく積って三百人や四百人は居るだろう」
銭形平次捕物控:029 江戸阿呆宮
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
それでその「木」へ
一
(
ぼう
)
を彫って、
其処
(
そこ
)
だけ特に
朱
(
しゅ
)
を入れたんだそうです。それ
限
(
きり
)
、幽霊は出ては来なかった。
□本居士
(新字新仮名)
/
本田親二
(著)
能く主人に
然
(
そ
)
う云ってくれ、これっ
限
(
きり
)
しか来ねえお客と見くびってるだろうが、己は花魁が来ても床いそぎのじん助とは違うから、やぼを云うのじゃアねえや
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
と云いながら、倒れた男を丸裸にして調べましたが、銅貨が二ツ三ツあった
限
(
きり
)
で他に何もありませんでした。この様子を最前から見ていた
禿頭
(
はげあたま
)
の紳士がありました。
正夢
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
萠円
(著)
追放
(
つゐはう
)
と
聞
(
き
)
くからは、
父母
(
ちゝはゝ
)
もチッバルトもロミオもヂュリエットも
皆々
(
みんな/\
)
殺
(
ころ
)
されてしまうたのぢゃ。「ロミオは
追放
(
つゐはう
)
!」
其
(
その
)
一言
(
ひとこと
)
が
人
(
ひと
)
を
殺
(
ころ
)
す
力
(
ちから
)
には
際
(
はて
)
も
量
(
はかり
)
も
限
(
きり
)
も
界
(
さかひ
)
も
無
(
な
)
いわいの。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
蘆花君は薄暗い
室
(
へや
)
の隅つこで、
膝小節
(
ひざこぶし
)
を抱へ込んだ儘、こくりこくりと
居睡
(
ゐねむ
)
りをしてゐる。
附近
(
あたり
)
には
見窄
(
みすぼ
)
らしい荷物が一つ
限
(
きり
)
で、何処にもその「善い物」は見つからなかつた。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
この広い家に年のいかないもの二人
限
(
きり
)
であるが、そこは
巡査
(
おまわり
)
さんも月に何度かしか回って来ないほどの
山間
(
やまあい
)
の
片田舎
(
かたいなか
)
だけに
長閑
(
のんき
)
なもので、二人は何の気も無く遊んでいるのである。
雁坂越
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
窓から
射
(
さ
)
す薄暗い
明
(
あか
)
りの中で厭な姿が二つの大きな鏡へ映る。「大将、だいぶ弱つて居るぢや無いか」と僕の心の中の道化役の一つがひよつこりと現れて
一言
(
ひとこと
)
の
白
(
せりふ
)
を投げた
限
(
きり
)
引込
(
ひつこ
)
んで
仕舞
(
しま
)
ふ。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
田原町へ縁付し娘お
粂
(
くめ
)
なれ共母が長々の病氣の中も
漸々
(
やう/\
)
一度
見舞
(
みまひ
)
に來りしばかりにて其節も心配の樣子もなく
劇場
(
しばゐ
)
の咄などしてそは/\と戻りし
限
(
きり
)
其後は見舞の
使
(
つかひ
)
だに
差越
(
さしこさ
)
ず如何に不人情成ばとて
實母
(
じつぼ
)
の病氣を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「秋山大尉の方は、それ
限
(
きり
)
かね。」
躯
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
休坂
(
やすみざか
)
を下りて真砂町の通りへ出た時は、主筆と私と八戸君と三人
限
(
きり
)
になつて居た。『随分贅沢な会を
行
(
や
)
りますねえ。』と私が云ふと
菊池君
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
「ねえ! 青木さん! 美奈さんと、三人でなければ面白くありませんわねえ。二人
限
(
きり
)
じゃ
淋
(
さみ
)
しいし張合がありませんわねえ!」
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
百両くれろと云われちゃア上げられねえ、又道中もしようで
限
(
きり
)
のないもの、千両も持って出て足りずに内へ取りによこす者もあり、四百の
銭
(
ぜに
)
で伊勢参宮をする者もあり
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
其夜は、裏二階の六疊に忠太とお八重お定の三人枕を並べて寢せられたが、三人
限
(
きり
)
になると、お八重は直ぐ忠太の膝をつねりながら
天鵞絨
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
母も、
確
(
たしか
)
に青年とたつた二人
限
(
きり
)
、散歩する約束をした筈である。そして、あの大切な返事を青年に与へる約束をした筈である。それだのに、なぜ自分を呼び止めるのであらう。
真珠夫人
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
なさる事になすつては? さうなれば目形さんには別の室に移つて頂くことに致しますから。何で御座いませう、貴方方もお三人
限
(
きり
)
……?
札幌
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
母も、確に青年とたった二人
限
(
きり
)
、散歩する約束をした
筈
(
はず
)
である。そして、あの大切な返事を青年に与える約束をした筈である。それだのに、なぜ自分を呼び止めるのであろう。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
そして此問題は、二人
限
(
きり
)
の問題ではなくて、『男』といふものと『女』といふものとの間の問題であるやうに思つてゐる。
葉書
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
勝平と二人
限
(
きり
)
で、東京を離れることは、彼女に取つては死地に入ることであつた。
真珠夫人
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
そして此問題は、二人
限
(
きり
)
の問題ではなくて、「男」といふものと「女」といふものとの間の問題であるやうに思つてゐる。
葉書
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
愛し合った夫であるならば、それは楽しい新婚旅行である
筈
(
はず
)
だけれども、瑠璃子の場合は、そうではなかった。勝平と二人
限
(
きり
)
で、東京を離れることは、彼女に取っては死地に入ることであった。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
一時間許り経つと、丑之助がもう
帰準備
(
かへりじたく
)
をするので、これも今夜
限
(
きり
)
だと思ふと、お定は急に愛惜の情が喉に塞つて来て、熱い涙が滝の如く溢れた。
天鵞絨
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
犬は七日の間何も喰はなかつた。そして、犬一疋、人一人に逢はぬ。三日程前に、高い空の上を鳥が一羽飛んで行つて、雲に隱れた影を見送つた
限
(
きり
)
。
散文詩
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
二人は、不器用な手つきで、食後の始末にも手傳ひ、二人
限
(
きり
)
で水汲にも行つたが、其時お八重はもう、一度經驗があるので上級生の樣な態度をして
天鵞絨
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
歸りは雨が降り出したので竹山の傘を借りて行つた
限
(
きり
)
、それなりに二人は四年の間殆んど思出す事もなかつたのだ。
病院の窓
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
帰りは雨が降り出したので竹山の傘を借りて行つた
限
(
きり
)
、それなりに二人は四年の間殆んど思出す事もなかつたのだ。
病院の窓
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
二人
限
(
きり
)
になると、何れも
吻
(
ほつ
)
と息を吐いて、今し方お吉の腰掛けた床の間に膝をすれ/\に腰掛けた。かくて十分許りの間、田舎言葉で
密々
(
こそこそ
)
話し合つた。
天鵞絨
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
それも其筈、今朝九時頃に朝飯を食つてから、夕方に小野山の室で酒を飮んで鯣の
焙
(
あぶ
)
つたのを
舐
(
しやぶ
)
つた
限
(
きり
)
なのだ。
病院の窓
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
『君の顔を見ると、
怎
(
どう
)
したもんだか僕あ気が沈む。奇妙なもんだね。敵の真中に居れや元気がよくて、味方と二人ツ
限
(
きり
)
になると、泣きたくなツたりして。』
漂泊
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
それも其筈、今朝九時頃に朝飯を食つてから、夕方に小野山の室で酒を飲んで鯣の
焙
(
あぶ
)
つたのを
舐
(
しやぶ
)
つた
限
(
きり
)
なのだ。
病院の窓
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
月例會に逢つた
限
(
きり
)
の菊池君が何故か目に浮ぶ。そして、何だか一度其編集局へ行つて見たい樣な氣がした。
菊池君
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
月例会に逢つた
限
(
きり
)
の菊池君が何故か目に浮ぶ。そして、何だか一度其編輯局へ行つて見たい様な気がした。
菊池君
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
手ランプを消して、一時間許り
經
(
た
)
つと、丑之助がもう
歸準備
(
かへりじたく
)
をするので、これも今夜
限
(
きり
)
だと思ふとお定は急に愛惜の情が喉に塞つて來て、熱い涙が瀧の如く溢れた。
天鵞絨
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
『昌作と二人です、今朝出たつ
限
(
きり
)
まだ歸らないんですが、多分
貴女
(
あんた
)
ン
許
(
とこ
)
かと思つて伺つたんです。』
鳥影
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
『
昌作
(
しやうさん
)
と二人です、今朝出たつ
限
(
きり
)
まだ帰らないんですが、多分
貴女
(
あんた
)
ン
許
(
とこ
)
かと思つて伺つたんです。』
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
三四日前に橋の上で逢つた
限
(
きり
)
、名も知り顔も知れど、口一つ
利
(
き
)
いたではなし、さればと言つて、乗客と言つては自分と其男と唯二人、隠るべき
様
(
やう
)
もないので、
素知
(
そし
)
らぬ振も
為難
(
しにく
)
い。
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
人生の不幸の
滓
(
おり
)
まで飲み干さなくては真の人間に成れるものぢやない。人生は長い暗い隧道だ、処々に都会といふ骸骨の林があるツ
限
(
きり
)
。それにまぎれ込んで出路を忘れちや
可
(
い
)
けないぞ。
雲は天才である
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
『然うで御座いますか。』と言つた
限
(
きり
)
、智惠子は眞面目な顏をしてゐる。
鳥影
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
『然うで御座いますか。』と言つた
限
(
きり
)
、智恵子は真面目な顔をしてゐる。
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
そして女教師の福富も矢張り、遣るだらうか、女だから遣らないだらうかといふ疑問を起した。或時二人
限
(
きり
)
ゐた時、直接
訊
(
き
)
いて見た。福富は
眞顏
(
まがほ
)
になつて、そんな事はした事はありませんと言つた。
葉書
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
そして女教師の福富も
矢張
(
やつぱ
)
り、遣るだらうか、女だから遣らないだらうかという疑問を起した。或時二人
限
(
きり
)
ゐた時、直接訊いて見た。福富は
真顔
(
まがほ
)
になつて、そんな事はした事はありませんと言つた。
葉書
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
その日は
歸途
(
かへり
)
に雨に會つて來て、食事に茶の間に行くと外の人は既う濟んで私一人
限
(
きり
)
だ。内儀は私に少し濡れた羽織を脱がせて、眞佐子に切爐の火で
乾
(
ほ
)
させ乍ら、自分は私に飯を
裝
(
よそ
)
つて呉れてゐた。
札幌
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
智惠子は唯一度、吉野も信吾も居らぬ時に遊びに來たツ
限
(
きり
)
であつた。
鳥影
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
此話は二人
限
(
きり
)
の事にすると堅く約束して別れた。
天鵞絨
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
『フム。』と言つた
限
(
きり
)
で荷馬車は行き過ぎた。
赤痢
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
限
常用漢字
小5
部首:⾩
9画
“限”を含む語句
分限者
際限
限界
日限
見限
是限
今日限
刻限
其限
夫限
二人限
極限
限度
分限
無限
根限
数限
俄分限
身代限
制限
...