あなたと一緒に来た高野弥兵衛というのに附纏われ困っているが、あれはよくない男だというような物語がある。
大菩薩峠:24 流転の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
少くとも多くの人は貧乏が大嫌いで、その嫌いなものが生憎附纏って来るので困苦しているのだから、貧即不幸なんぞという妄信ぐらいは除却するようにしたいものだ。
面影:ハーン先生の一周忌に (新字新仮名) / 小川未明(著)
大菩薩峠:37 恐山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
しかしその根本には甘味偏重の幼稚なる感じの如き財利偏重、貧乏大嫌いの幼稚なる考が強迫観念の如く附纏うている。真の幸福というものはそんなところから獲得されるものでは無い。
大菩薩峠:10 市中騒動の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
貧を嫌がり、その嫌がるところの貧に附纏われ勝なところから、貧即不幸と感ずるのもこの理によるのである。が、貧と不幸とは必ずしも徹頭徹尾取離すことの出来ぬ関係にあるものでは無い。
影を踏まれた女:近代異妖編 (新字旧仮名) / 岡本綺堂(著)