“つきまと”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
附纏45.5%
附絡15.2%
附纒13.6%
付纏9.1%
纏綿4.5%
付纒3.0%
着纒3.0%
憑絡1.5%
着絡1.5%
着纏1.5%
跟尾1.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
過ぐる月日の間、自分に附纏つきまとう暗い影は一日も自分から離れることが無かったが、今はその暗い影も離れたと書いてよこした。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
這箇こつちは気が気ぢやないところへ、もう悪漆膠わるしつこくてたまらないから、病気だとつて内へげて来りや、すぐ追懸おつかけて来て、附絡つきまとつてゐるんでせう。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
生中なまなかこがれて附纒つきまとふたとて、れてはれるなかではなし、可愛かあいひと不義ふぎせてすこしもれが世間せけんれたらなんとせう
うらむらさき (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
こいつうまいと駆けて来ると黒い人が出て来てガラガラと通行止めた、馬鹿馬鹿しい、死ぬ時までも邪魔の神は付纏つきまとう。汽車は無心にゴロゴロとうなりながら過ぎ去った。
愛か (新字新仮名) / 李光洙(著)
官費の教育をけたかはりに、長い義務年限が纏綿つきまとつて、否でも応でも其間厳重な規則に服従したがはなければならぬ、といふことは——無論、丑松も承知して居る。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
すかし見るに生憎あひにく曇りて黒白あやめも分ず怖々こは/\ながら蹲踞つぐみ居ればくだんの者は河原へあがより一人の女を下しコレ聞よ逃亡者かけおちものと昨日から付纒つきまとひつゝやう/\と此所へ引摺ひきずこむまでは大にほね
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
かくまでも昨日きのうしき懊悩なやみ自分じぶんからはなれぬとしてれば、なにわけがあるのである、さなくてこのいまわしいかんがえがこんなに執念しゅうね自分じぶん着纒つきまとうているわけいと。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
そりゃ路之助に憑絡つきまとってる幽霊だ。いいえ、つきものは、当人の背中におぶさっているとは限らない——
白花の朝顔 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
その若先生が、お嬢さん、あなたを望みで、影日向ひなた心を入れていたというのに、何と私が着絡つきまとってるばかりに、控えたというじゃアありませんか。
三枚続 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
面白ろうない事が至るところ、自分に着纏つきまとって来る。三人が行き過ぐるや自分は舌打して起ちあがり、そこそこと山を下りて表町に出た。
酒中日記 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
なにとなく薄淋うすさびしくなつたなみおもながめながら、むねかゞみくと、今度こんど航海かうかいはじめから、不運ふうんかみ我等われら跟尾つきまとつてつたやうだ。