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つきまと
ふりがな文庫
“
附絡
(
つきまと
)” の例文
お島は
迹
(
あと
)
から
附絡
(
つきまと
)
って来る川西の兇暴な力に反抗しつつ、工場の
隅
(
すみ
)
に、
慄然
(
ぞっ
)
とするような体を縮めながらそう言って拒んだ。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
這箇
(
こつち
)
は気が気ぢやないところへ、もう
悪漆膠
(
わるしつこ
)
くて
耐
(
たま
)
らないから、病気だと
謂
(
い
)
つて内へ
遁
(
に
)
げて来りや、
直
(
すぐ
)
に
追懸
(
おつか
)
けて来て、
附絡
(
つきまと
)
つてゐるんでせう。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
公子 解いても
可
(
い
)
い、(結び目に手を掛け、思慮す)が、解かんでも
可
(
よ
)
かろう。……最初に見た目はどこまでも
附絡
(
つきまと
)
う。
海神別荘
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
悪い病気にかかったというその情婦は、どこへ行っても兄に
附絡
(
つきまと
)
われていて、好いこともなくて旅で死んでしまった。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
朦朧
(
もうろう
)
と立ったり、間近な崖へ影が
射
(
さ
)
したり、
背後
(
うしろ
)
からざわざわと
芒
(
すすき
)
を
掻分
(
かきわ
)
ける音がしたり、どうやら、
件
(
くだん
)
の二人の
媼
(
おうな
)
が、
附絡
(
つきまと
)
っているような
思
(
おもい
)
がした。
星女郎
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
渠
(
かれ
)
がお通のあとを追うは
殆
(
ほとん
)
ど
旬日前
(
じゅんじつぜん
)
よりにして、美人が外出をなすに
逢
(
お
)
うては、影の形に添う如く絶えずそこここ
附絡
(
つきまと
)
うを、お通は知らねど見たる者あり。
妖僧記
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
川西は、傍に
附絡
(
つきまと
)
っているお秀をも、湯へ出してやってから、時々口にすることをその時もお島に言出した。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
凡
(
およ
)
そ、
月
(
つき
)
と
日
(
ひ
)
とともに、
影法師
(
かげぼふし
)
のある
所
(
ところ
)
、
件
(
くだん
)
の
魔
(
ま
)
もの
附絡
(
つきまと
)
はずと
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
なうて、
且
(
か
)
つ
吸
(
す
)
ひ、
且
(
か
)
つ
嘗
(
な
)
め、
蹂躙
(
ふみにじ
)
る。が、いづれ
其
(
そ
)
の
人
(
ひと
)
の
生命
(
いのち
)
に
及
(
およ
)
ぶには
間
(
ま
)
があらう。
三人の盲の話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
我に貞なりとはいうことを得ずとなし、はじめよりお通の我を嫌うこと、
蛇蝎
(
だかつ
)
もただならざるを知りながら、あたかも
渠
(
かれ
)
に
魅入
(
みいり
)
たらんごとく、進退
隙
(
すき
)
なく
附絡
(
つきまと
)
いて
琵琶伝
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
慕わせるより、
懐
(
なつか
)
しがらせるより、一目見た男を
魅
(
み
)
する、
力
(
ちから
)
広大
(
こうだい
)
。
少
(
すくな
)
からず、地獄、極楽、
娑婆
(
しゃば
)
も身に
附絡
(
つきまと
)
うていそうな
婦人
(
おんな
)
、
従
(
したご
)
うて、罪も
報
(
むくい
)
も浅からぬげに見えるでございます。
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
車夫は、藍川館まで
附絡
(
つきまと
)
った、美しいのに
遁
(
に
)
げられた、
色情狂
(
いろきちがい
)
だと思ったろう。……
白花の朝顔
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
此
(
こ
)
の
度
(
たび
)
の
密月
(
みつゞき
)
の
旅
(
たび
)
の
第一夜
(
だいいちや
)
から、
附絡
(
つきまと
)
ふて、
隣
(
となり
)
の
部屋
(
へや
)
に
何時
(
いつ
)
も
宿
(
やど
)
る……
其
(
それ
)
さへも
恐
(
おそ
)
ろしいのに、つひ
言葉
(
ことば
)
のはづみから、
双六谷
(
すごろくだに
)
に
分入
(
わけい
)
つて、
二世
(
にせ
)
の
契
(
ちぎり
)
を
賭
(
か
)
けやうとする、
聞
(
き
)
けば
名高
(
なだか
)
い
神秘
(
しんぴ
)
の
山奥
(
やまおく
)
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
其
(
そ
)
の
盲人
(
めくら
)
こそ、
其
(
そ
)
の
婦
(
をんな
)
に
思
(
おも
)
ひを
懸
(
か
)
けて、
影
(
かげ
)
のやうに
附絡
(
つきまと
)
うて、それこそ、
婦
(
をんな
)
の
家
(
いへ
)
の
居
(
ゐ
)
まはりの
瓦斯燈
(
がすとう
)
のあかりで
見
(
み
)
れば、
守宮
(
やもり
)
か、と
思
(
おも
)
ふ
形體
(
ぎやうたい
)
で、
裏板塀
(
うらいたべい
)
、
木戸
(
きど
)
、
垣根
(
かきね
)
に、いつも
目
(
め
)
を
赤
(
あか
)
く、
面
(
つら
)
を
蒼
(
あを
)
く
三人の盲の話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
附
常用漢字
中学
部首:⾩
8画
絡
常用漢字
中学
部首:⽷
12画
“附”で始まる語句
附
附着
附近
附添
附合
附纏
附木
附加
附人
附物