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行脚
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あんぎや
ふりがな文庫
“
行脚
(
あんぎや
)” の例文
道翹
(
だうげう
)
が
答
(
こた
)
へた。「
豐干
(
ぶかん
)
と
仰
(
おつし
)
やいますか。それは
先頃
(
さきころ
)
まで、
本堂
(
ほんだう
)
の
背後
(
うしろ
)
の
僧院
(
そうゐん
)
にをられましたが、
行脚
(
あんぎや
)
に
出
(
で
)
られた
切
(
きり
)
、
歸
(
かへ
)
られませぬ。」
寒山拾得
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
あらためて、
是
(
これ
)
から
直
(
す
)
ぐに、
此
(
こ
)
の
杖
(
つゑ
)
のなり
行脚
(
あんぎや
)
をして、
成田山
(
なりたさん
)
へ
詣
(
まう
)
でましてな。……
經一口
(
きやうひとくち
)
も
知
(
し
)
らぬけれども、
一念
(
いちねん
)
に
變
(
かは
)
りはない。
松の葉
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
いつ頃だつたか、一寸はつきり判りかねるが、長崎に
素行
(
そかう
)
といふ俳人があつた。ひどい
行脚
(
あんぎや
)
好きで
閑
(
ひま
)
さへあれば
暢気
(
のんき
)
に旅に出歩いてゐた。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
もしあらゆる執着に罪障を見出した謡曲の作者にこの一段を語つたとすれば、芭蕉は必ず
行脚
(
あんぎや
)
の僧に地獄の苦艱を訴へる
後
(
のち
)
ジテの役を与へられたであらう。
芭蕉雑記
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
芭蕉翁が
奥
(
おく
)
に
行脚
(
あんぎや
)
のかへるさ越後に入り、
新潟
(
にひがた
)
にて「海に
降
(
ふ
)
る雨や
恋
(
こひ
)
しきうき
身宿
(
みやど
)
」
寺泊
(
てらどまり
)
にて「
荒海
(
あらうみ
)
や
佐渡
(
さど
)
に
横
(
よこ
)
たふ天の川」これ夏秋の
遊杖
(
いうぢやう
)
にて越後の雪を見ざる事
必
(
ひつ
)
せり。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
▼ もっと見る
文展で評判の好かつた
不折
(
ふせつ
)
の「陶器つくり」の油繪、三千里の
行脚
(
あんぎや
)
して此處にも滯留した碧梧桐「花林檎」の額、子規、碧、虚の短册、與謝野夫妻、竹柏園社中の短册など見た。
熊の足跡
(旧字旧仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
今年元禄
二
(
ふた
)
とせにや、
奥羽
(
おうう
)
長途の
行脚
(
あんぎや
)
只かりそめに思ひ立ちて
呉天
(
ごてん
)
に白髪のうらみを重ぬといへども、耳にふれてまだ目に見ぬさかひ、もし生きて帰らば、と定めなき頼みの末をかけ
桜の実の熟する時
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
して居たる中上野の山内へ出入となり四軒寺町
本覺院
(
ほんがくゐん
)
の住寺の
贔屓
(
ひいき
)
に
預
(
あづか
)
りたり此寺の和尚と云は彼の藤川宿にて先年
棄子
(
すてご
)
の
袖
(
そで
)
へ
落書
(
らくがき
)
なしたる
僧
(
そう
)
成
(
なり
)
しが或日吉兵衞へ
行脚
(
あんぎや
)
せし頃の物語りより彼の藤川宿に於て
棄子
(
すてご
)
の
袖
(
そで
)
へ
落書
(
らくがき
)
なしたる事を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
快
(
こゝろよ
)
く
頷
(
うなづ
)
いて、
北陸地方
(
ほくりくちはう
)
を
行脚
(
あんぎや
)
の
節
(
せつ
)
はいつでも
杖
(
つゑ
)
を
休
(
やす
)
める
香取屋
(
かとりや
)
といふのがある、
旧
(
もと
)
は
一軒
(
いつけん
)
の
旅店
(
りよてん
)
であつたが、
一人女
(
ひとりむすめ
)
の
評判
(
ひやうばん
)
なのがなくなつてからは
看板
(
かんばん
)
を
外
(
はづ
)
した
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
むかし支唐
禅師
(
ぜんじ
)
といふ坊さんが、
行脚
(
あんぎや
)
をして出羽の国へ往つた。そして
土地
(
ところ
)
の
禅寺
(
ぜんでら
)
に
逗留
(
とうりう
)
してゐるうち、その寺の
後方
(
うしろ
)
に大きな椎の木の
枯木
(
かれき
)
があるのを
発見
(
めつ
)
けた。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
芭蕉翁が
奥
(
おく
)
に
行脚
(
あんぎや
)
のかへるさ越後に入り、
新潟
(
にひがた
)
にて「海に
降
(
ふ
)
る雨や
恋
(
こひ
)
しきうき
身宿
(
みやど
)
」
寺泊
(
てらどまり
)
にて「
荒海
(
あらうみ
)
や
佐渡
(
さど
)
に
横
(
よこ
)
たふ天の川」これ夏秋の
遊杖
(
いうぢやう
)
にて越後の雪を見ざる事
必
(
ひつ
)
せり。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
元来彼は死と云ふと、病的に
驚悸
(
きやうき
)
する種類の人間で、昔からよく自分の死ぬ事を考へると、風流の
行脚
(
あんぎや
)
をしてゐる時でも、総身に汗の流れるやうな不気味な恐しさを経験した。
枯野抄
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
振
(
ふり
)
我
(
われ
)
成人
(
せいじん
)
の
悴
(
せがれ
)
は有れども
貴殿
(
おまへ
)
も知ての通り五年以前
出家
(
しゆつけ
)
して
諸國
(
しよこく
)
へ
行脚
(
あんぎや
)
に出たれば我が子でも我子に
非
(
あら
)
ず
末
(
すゑ
)
の役には立難し夫に
付
(
つけ
)
一ツの
相談
(
さうだん
)
あり今兩人の
妻
(
つま
)
同月の
産
(
さん
)
なれば
生
(
うま
)
れし子が
男女
(
なんによ
)
ならば
夫婦
(
ふうふ
)
にすべし又
男子
(
なんし
)
ばかりか女子ばかりならば
兄弟
(
きやうだい
)
として
成人
(
せいじん
)
の後まで一家となすは
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
実
(
じつ
)
を
申
(
まを
)
すと
此処
(
こゝ
)
へ
来
(
く
)
る
途中
(
とちう
)
でも
其
(
そ
)
の
事
(
こと
)
ばかり
考
(
かんが
)
へる、
蛇
(
へび
)
の
橋
(
はし
)
も
幸
(
さいはひ
)
になし、
蛭
(
ひる
)
の
林
(
はやし
)
もなかつたが、
道
(
みち
)
が
難渋
(
なんじふ
)
なにつけても
汗
(
あせ
)
が
流
(
なが
)
れて
心持
(
こゝろもち
)
が
悪
(
わる
)
いにつけても、
今更
(
いまさら
)
行脚
(
あんぎや
)
も
詰
(
つま
)
らない。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
一年
(
ひとゝせ
)
夏の頃、江戸より来りたる
行脚
(
あんぎや
)
の
俳人
(
はいじん
)
を
停
(
とゞめ
)
おきしに、
謂
(
いふ
)
やう、此国の所々にいたり見るに
富家
(
ふか
)
の
庭
(
には
)
には手をつくしたるもあれど、
垣
(
かき
)
はいづれも
粗略
(
そりやく
)
にて
仮初
(
かりそめ
)
に作りたるやうなり
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
「さうとも/\。
俺
(
わし
)
はその
行脚
(
あんぎや
)
坊主ぢや。坊主ぢや程によろしく頼む。」
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
而
(
そ
)
して
諸国
(
しよこく
)
を
行脚
(
あんぎや
)
なすつた
内
(
うち
)
のおもしろい
談
(
はなし
)
をといつて
打解
(
うちと
)
けて
幼
(
おさな
)
らしくねだつた。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
一年
(
ひとゝせ
)
夏の頃、江戸より来りたる
行脚
(
あんぎや
)
の
俳人
(
はいじん
)
を
停
(
とゞめ
)
おきしに、
謂
(
いふ
)
やう、此国の所々にいたり見るに
富家
(
ふか
)
の
庭
(
には
)
には手をつくしたるもあれど、
垣
(
かき
)
はいづれも
粗略
(
そりやく
)
にて
仮初
(
かりそめ
)
に作りたるやうなり
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
高野山にありて
蜜教
(
みつきやう
)
を学び、
後
(
のち
)
生国に
皈
(
かへ
)
り大浦の蓮花寺に住し、
行脚
(
あんぎや
)
して越後に来り、三嶋郡
野積村
(
のづみむら
)
(里言のぞみ)海雲山西生寺の東、岩坂といふ所に
錫
(
しやく
)
をとゞめて草庵をむすびしに
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
高野山にありて
蜜教
(
みつきやう
)
を学び、
後
(
のち
)
生国に
皈
(
かへ
)
り大浦の蓮花寺に住し、
行脚
(
あんぎや
)
して越後に来り、三嶋郡
野積村
(
のづみむら
)
(里言のぞみ)海雲山西生寺の東、岩坂といふ所に
錫
(
しやく
)
をとゞめて草庵をむすびしに
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
“行脚”の意味
《名詞》
行 脚 (あんぎゃ)
修行のために僧侶が各地を回ること。
徒歩で旅をすること。
(比喩)ある目的を持って複数の地を訪れること。
(出典:Wiktionary)
“行脚”の解説
行脚(あんぎゃ)とは、仏教の僧侶が修行のために各地を徒歩でめぐること。遊行または遊方とも。仏教用語以外にも転用されることがある(後述)。
(出典:Wikipedia)
行
常用漢字
小2
部首:⾏
6画
脚
常用漢字
中学
部首:⾁
11画
“行脚”で始まる語句
行脚僧
行脚者
行脚文集