“行脚僧”の読み方と例文
読み方割合
あんぎゃそう100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
水戸藩へはまた秘密な勅旨が下った、その使者が幕府の厳重な探偵たんていを避けるため、行脚僧あんぎゃそうに姿を変えてこの東海道を通ったという流言なぞも伝わって来る。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
われらが西京より近江おうみに出でて有名なる三井寺に詣ずる途中、今しも琵琶湖びわこぎ出る舟に一個の気高き行脚僧あんぎゃそうを見き、われらが彼を認めし時は、舟すでに岸を離れてありき
空家 (新字新仮名) / 宮崎湖処子(著)
それから最近の事件では、若い行脚僧あんぎゃそうがそれを見たので、娘の父が憤って、熊猟に用いる槍で突殺つきころしたともいう。その死骸はいずれも炭焼がまに入れて灰にしてしまうのが例とやら。
壁の眼の怪 (新字新仮名) / 江見水蔭(著)