米突メートル)” の例文
ハラムは印度人のうちでも図抜けの大男だった。背の高さが二米突メートルぐらいあって左右の腕が日本人のももとおんなじ大きさをしていた。
ココナットの実 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
ミラボーが子供の時、ある貴族の運動会へ出掛けて往つて、何米突メートルかの徒歩競走に第一着を取つた事があつた。競走は懸賞附であつた。
ファウルホルン、シュワルツホルンの如きは、何と云っても三千米突メートルに足らぬ山で、こうして見下ろした目には何等の趣もない。
スウィス日記 (新字新仮名) / 辻村伊助(著)
自転車を止める間もなくあなやと思う間に自転車は縄に突き当って、ボートルレの身体は三米突メートルばかり投げ出され、地上に叩きつけられた。
三角点の標高は千七百七十四米二と測られているが、最高点は中央に在って五、六米突メートルは高いであろう。東から望めば破風の形にも見える。
利根川水源地の山々 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
断崖絶壁をめぐらした三百米突メートルの高い立場の村落で、城の跡であり、風光明媚、四季常に遊覧の雅人があとをたゝないと言ふ位の地方であつた。
これを上氷瀬かみひせという、バロメートルを見ると、実に海抜二千三百米突メートル、あまり高過ぎるから多分狂っているのであろう。
白峰山脈縦断記 (新字新仮名) / 小島烏水(著)
そこには中央に大きな台を据えて、長さ二米突メートルばかりの複雑なC・C・D潜水艦用機関の模型が取附けられてあった。
危し‼ 潜水艦の秘密 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
が、やっと眺望の開けた、約千米突メートルも登った頃、そこらそこらに残雪も見え出した。早昼の結び飯を食って、茶のかわりに、雪を掻いて食ったりした。
登山は冒険なり (新字新仮名) / 河東碧梧桐(著)
が、彼はもう跫音などには頓着なく、五米突メートルほど隔てた岸に立って、黒い粘土の上を指差しながら私へ声を掛けた。
死の快走船 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
兎角とかくするほどあやしふねはます/\接近せつきんきたつて、しろあかみどり燈光とうくわう闇夜やみきらめく魔神まじん巨眼まなこのごとく、本船ほんせん左舷さげん後方こうほうやく四五百米突メートルところかゞやいてる。
参加機は、この文字レター発見と同時に、水平飛行に移り、同標識を中心に直径二百米突メートルの円を三回連続して画く。第三回目の終りに、地上より第二の目的地を
高さも清水峠の方が二百米突メートル以上も抜いているから、自分は清水連嶺と呼ぶ方へ賛成するのである、この連嶺の主軸の東端をなしているのが平ヶ岳である
平ヶ岳登攀記 (新字新仮名) / 高頭仁兵衛(著)
中隊長は指揮刀を幾度か動かそうとして躊躇ちゅうちょした。そして遂に、その多数の黒影が、百米突メートルあまりに近づいたとき、斥候の一人がせ戻って来て報告した。
戦争雑記 (新字新仮名) / 徳永直(著)
その杖の長さが一米突メートル九四九で、近代なら、アルペンストック、さては西園寺陶庵和尚の杖、昔なら、モリエールにわらわれた馬鹿貴族等の杖を想像させるが
愛書癖 (新字新仮名) / 辰野隆(著)
此処ここは別山と劍山との中間地で黒部の上流へ落合う渓流が幅三米突メートルばかり、深さ六、七尺もありました、なおその地方は落葉松からまつ等の周囲一丈ばかりもある巨樹
越中劍岳先登記 (新字新仮名) / 柴崎芳太郎(著)
地上五百米突メートルの高さから見晴した文明都市の光景は、それこそ一番素晴らしいパノラマの眺めである。
風船美人 (新字新仮名) / 渡辺温(著)
高さはやっと二千米突メートル内外で、その上に傾斜が極めて緩慢であるから、上諏訪町附近の人が、春から夏秋にかけての登山は、丁度日曜の遠足に、恰適位な程度である。
女子霧ヶ峰登山記 (新字新仮名) / 島木赤彦(著)
濕つたつちをぴたぴたと踏みながら我等二人は、いま漸く旅の第一歩を踏み出す心躍りを感じたのである。地圖を見ると丁度その地點が一二〇八米突メートルの高さだと記してあつた。
みなかみ紀行 (旧字旧仮名) / 若山牧水(著)
袖切坂を登ってしまうと行手に大菩薩峠の山が見えます、いわゆる大菩薩嶺だいぼさつれいであります。標高千四百五十米突メートルの大菩薩嶺を左にしては、小金沢、天目山、笹子峠がつづきます。
大菩薩峠:14 お銀様の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
米突メートル以上の山の上にゐれば、いつだつて暑いなんていふ気はしませんからね。
談片 (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
海抜約二千米突メートル以上は、雑木次第に減じ、ミヤマカンバ、ミヤマハンノキ、ミヤマナナカマド等の粗く生えたる土地、ここをぬけると上宮川原かみみやがわら「信濃、上宮川原、嘉門次」、左の方数丁には
穂高岳槍ヶ岳縦走記 (新字新仮名) / 鵜殿正雄(著)
そのぐるりは、まあ日本ではいちばんすごく、そしていい岩山だし、高さも二千五百米突メートル以上はある。これほど高くて、自由で、感じのいい泊り場所はめったにない。人臭くないのがなによりだ。
五千数百米突メートルの露営地からKの頂上を霧の上に仰いだ素的なのや、熱帯の密林の間に氷河を望んだ奇抜な写真が非常に多い。
スウィス日記 (新字新仮名) / 辻村伊助(著)
近来珍らしい二百二十だよ。夜半よなか過ぎたら風速四十米突メートルを越すかも知れん。……おまけにここは朝鮮最南端の絶影島まきのしまだ。
爆弾太平記 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
米突メートルばかりの薄い皮であるが、サクラメントへ流れるシャスタ熔岩の厚さは、五十フイートから二、三百呎に達している。
火と氷のシャスタ山 (新字新仮名) / 小島烏水(著)
邸より五百米突メートルの間は血跟けっこんが点々と落ち、なお附近に血染ちぞめの襟巻が捨ててあった。これより見て、不幸なレイモンド嬢は殺害せられたりと信ぜらる。
ある真夜なかの事、ジヤンは敵の偵察を言ひつかつて、独逸軍の塹壕から、やつと十米突メートルばかりの近間ちかままでうかゞひ寄つた。
左右に広げた翼はおよそ二米突メートルに余り、全身真黒な羽毛に包まれ、鷲のような鋭い爪のある両足をふみひらいている。
廃灯台の怪鳥 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
そうすれば、文字に接近した前後左右の何れかに百米突メートル以内の滑走で着陸すれば、何の事故も起り得ない訳だ。
左は大明神山の急斜面が水際から例の屏風を押し立てているのであるが、此処では二百米突メートルもあろうと思う程の高さに切り立って、それこそ峻噌の大屏風だ。
黒部川奥の山旅 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
二百米突メートルから、だんだん近づいて百米突メートル…………と、近づいて来たが、中隊長は次の命令を発さなかった。
戦争雑記 (新字新仮名) / 徳永直(著)
Lの字を逆立ちさせたような矢標やじるしのついた道路標識を越して、二十米突メートルも走った時だった。なにを見たのか大月氏は不意にギクッとなって慌しく腰を浮かしながら
白妖 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
湿ったつちをぴたぴたと踏みながら我等二人は、いま漸く旅の第一歩を踏み出す心躍りを感じたのである。地図を見ると丁度その地点が一二〇八米突メートルの高さだと記してあった。
みなかみ紀行 (新字新仮名) / 若山牧水(著)
わたくし印度洋インドやう海底かいてい有樣ありさま精密くわしくはらぬがこのやう全面積ぜんめんせき二千五百※方哩にせんごひやくまんほうマイルふかところ底知そこしれぬが、處々ところ/\大暗礁だいあんせうまた海礁かいせうよこたはつてつて、水深すいしん五十米突メートルらぬところもあるさうな。
千九百六十米突メートルの白岩山がある。二千十八米突の雲取山がある。それから武州御岳との間に、甲斐かいの飛竜、前飛竜がある。御前と大岳おおたけを前立てにして、例の大菩薩連嶺が悠久に横たわる。
大菩薩峠:26 めいろの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
サン・モリッツも似たようなもので、氷河こそあるが、近所の山はやっと三千米突メートルぐらいなものだから、雄大な景色は求められよう筈がない。
スウィス日記 (新字新仮名) / 辻村伊助(著)
そうして、あとには二千五百米突メートルを示す高度計と、不思議なほど静かなプロペラのうなりと、何ともいえず好調子なスパークの霊感だけが残っていた。
怪夢 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
既に東天は明け始めている——この島と五十米突メートルの間隔で左手に突出した岬には、松が一面に茂っていて、その樹間このまからあからみかかる東の空が絵のように見える。
廃灯台の怪鳥 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
鍋冠山なべかむりやまだのという、二千五百米突メートル以下のりょく鬱葱うっそうたる山に名があって、奥常念一帯の三千米突を出入する大山脈に、無名の山が多いのは、下から仰ぎられないから
奥常念岳の絶巓に立つ記 (新字新仮名) / 小島烏水(著)
六十米突メートルのところに南室の窓から見えるのと同じような形の一群の木立があるにはあるが、これは明かに白緑色ではなく、明るい日光の下にハッキリと暗緑色を呈していた。
闖入者 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
し退却し始めた。その足音が手摺てすりから伝わって来る。彼はますます神経を尖らして次第に接近しきたる怪敵を待ち受けた。突如、数米突メートル彼方かなたに敵の黒影らしいものを認めた。
水晶の栓 (新字新仮名) / モーリス・ルブラン(著)
岩にすがり付いて大汝の最高点に立った。立山三峰の中では雄山が一番低いかも知れぬ、少くとも此処の方が五米突メートルばかりも高いように想ったのは、必ずしも眼の誤りではないであろう。
黒部川奥の山旅 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
米突メートル——二米突メートル——三米突メートル——端艇ボートならばすくなくも半艇身はんていしん以上いじやうふね乘越のりこした。
と、二百米突メートルあまり向うから、「ワァ、ワァ」と云う大勢の喚声が聞え出した。
戦争雑記 (新字新仮名) / 徳永直(著)
白金しろがね高輪台たかなわだいあたりか、或いは市中の会社商店等のビルヂィングの高塔の上に身を置いて、天候の至極よろしい日——例えば初冬から早春に至る間の快晴の日、東京では秒速七八米突メートルから
大菩薩峠:26 めいろの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
米突メートルばかりを隔てて向い合った二列の中央に来ると軍医大佐は、又も二つ三つ揚がった光弾の光りを背に受けながら、毅然として一同を見まわした。
戦場 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
もう五百米突メートルも高くて、氷河の小塊が出来るという想像が、れられるとしたら、まあこんなものだろうと推測せられるだけに、何となく、捨てがたく思われるのである。
火と氷のシャスタ山 (新字新仮名) / 小島烏水(著)
中天に懸った富士の姿と云い、目前五、六十米突メートルの近景にある白緑色の木立と云い、朝と夕方とでは色彩の上に多少の変化があるとは云え、全く疑うことの出来ない風景だった。
闖入者 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
そこは恐ろしいほど切り立った崖で、下を見下みおろすと約百米突メートルばかりの深い絶壁で、その下には大きないわに波が恐ろしいいきおいで打ちつけている。たぶんそこへ投げ捨てたものと思われる。