大菩薩峠:36 新月の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
知らない外国語を流暢に喋る——そんなことがと、一時は耳を疑いながらまえへ廻って、座間はマヌエラをじっと見つめはじめた。
人外魔境:01 有尾人 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
「深く聞くことは存じませぬが、ただわけもなく好きなのでございます」お綱は自分でも気がつかない間に少し流暢になりながら
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
学校の説:(一名、慶応義塾学校の説) (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
H. G. Wells が、流暢な、直接な文章を書く人として知られて居るらしいが、種類に於て、まるで異うと思う。
日記:09 一九二三年(大正十二年) (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
幕末維新懐古談:26 店初まっての大作をしたはなし (新字新仮名) / 高村光雲(著)
あたかもころがるようになめらかで流暢であって、これを読むものの心持をしてたのしく快くさせるものである。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語 (新字新仮名) / 上田秋成(著)
ジャン・クリストフ:10 第八巻 女友達 (新字新仮名) / ロマン・ロラン(著)
と、すこししゃがれた声で、流暢にきいた。そっちを見ると、いぜんここに家があったじぶん、花畑になっていたらしい一角に、小さな赤黒いさびしげな花が、二、三本あった。
最初に先生は、当の患者を連れて来て、一通りその病歴を御話しになり、子宮繊維腫と診断なさった理由を、いつもの通りの、歯切れのよい、流暢な言葉で御述べになりました。
流暢さと身のしまりがなくなり、妙にだらしがなくなって、何か事を始めても、前後がすっかり食い違い、すべてが投げやりになって、いよいよ頻繁に深酒に浸るようになった。
カラマゾフの兄弟:01 上 (新字新仮名) / フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー(著)
明治劇談 ランプの下にて (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
それで『源氏物語』を見てとてもこういう流暢なる文は書けないと思い、マコーレーの文を見てとてもこれを学ぶことはできぬと考え、山陽の文を見てとてもこういうものは書けないと思い
お雪になかなかの読書力があって、読み方が流暢なものですから、竜之助も引入れられて、こころよい心持で聞いていました。
大菩薩峠:23 他生の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)