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曉方
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あけがた
ふりがな文庫
“
曉方
(
あけがた
)” の例文
新字:
暁方
曉方
(
あけがた
)
からの雨は
午
(
ひる
)
少し過ぎに
霽
(
あが
)
つた。庭は飛石だけ先づ乾いて、子供等の散らかした草花が生々としてゐる。池には鯉が跳ねる。
鳥影
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
今朝も
曉方
(
あけがた
)
に歸つて來て、物置の
梯子
(
はしご
)
から屋根へ飛付き、格子を外してそつと入つた事を話して了つた方が宜くはありませんか
銭形平次捕物控:048 お藤は解く
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
曉方
(
あけがた
)
のはつきりした夢の中で私は彼女がソーンフィールドの門を私の前に
閉
(
し
)
め、別の路に行けと
指
(
ゆびさ
)
してゐるのを見た。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
其
(
そ
)
の
雲
(
くも
)
が
時雨
(
しぐ
)
れ/\て、
終日
(
ひねもす
)
終夜
(
よもすがら
)
降
(
ふ
)
り
續
(
つゞ
)
くこと
二日
(
ふつか
)
三日
(
みつか
)
、
山陰
(
やまかげ
)
に
小
(
ちひ
)
さな
青
(
あを
)
い
月
(
つき
)
の
影
(
かげ
)
を
見
(
み
)
る
曉方
(
あけがた
)
、ぱら/\と
初霰
(
はつあられ
)
。
寸情風土記
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
明日
(
あした
)
は歸れまい、明日は雨かも知れないと意味深く顏を見合して、其れなりぐつすり寢込んでしまふと、やがて
曉方
(
あけがた
)
から突然變る氣候の寒さを感じてふと目を覺す。
歓楽
(旧字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
▼ もっと見る
曉方
(
あけがた
)
になると、せまい家の
中
(
なか
)
から、
寢間着
(
ねまき
)
のまま出て來ては、電柱に恁りかかつて、うつらうつら眠る
角
(
かど
)
の
平家
(
ひらや
)
の少女も、蚊帳のなかに手足を伸ばしてゐるのだらう。
夏の夜
(旧字旧仮名)
/
長谷川時雨
(著)
【即ち事を】
曉方
(
あけがた
)
の夢しば/\未來の出來事を告ぐ(地、二六・七—一二並びに註參照)
神曲:02 浄火
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
もさゝず
曉方
(
あけがた
)
に平川天神の裏門通りにて
行逢
(
ゆきあひ
)
たりと云忠兵衞とかの方へ
赴
(
おもむ
)
き證據人に必ず立と云處を
突留
(
つきとめ
)
其上
玄關
(
げんくわん
)
へ
委細
(
ゐさい
)
を申し立
若
(
もし
)
取上て
呉
(
くれ
)
ぬ時は
駈込
(
かけこみ
)
願ひを
爲
(
な
)
すべし又
幾度
(
いくたび
)
駈込
(
かけこみ
)
願ひを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
紫水晶色
(
アメチストいろ
)
の
薔薇
(
ばら
)
の花、
曉方
(
あけがた
)
の星、
司教
(
しけう
)
のやうな優しさ、
紫水晶色
(
アメチストいろ
)
の
薔薇
(
ばら
)
の花、信心深い柔かな胸の上におまへは寢てゐる、おまへは
瑪利亞樣
(
マリヤさま
)
に捧げた寶石だ、噫
寶藏
(
はうざう
)
の
珠玉
(
しゆぎよく
)
、
僞善
(
ぎぜん
)
の花よ、
無言
(
むごん
)
の花よ。
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
……
更
(
かう
)
闌
(
た
)
けて
曉方
(
あけがた
)
近く……
カンタタ
(旧字旧仮名)
/
ポール・クローデル
(著)
それは宵だつたり
曉方
(
あけがた
)
だつたり、
此方
(
こつち
)
の監視の隙を狙つての縱横無盡の活躍で、全く手のつけやうがなかつたのです。
銭形平次捕物控:194 小便組貞女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
漸
(
や
)
つと
梢
(
こずゑ
)
が
靜
(
しづ
)
まつたと
思
(
おも
)
ふと、チチツ、チチツと
鳴
(
な
)
き
立
(
た
)
てて
又
(
また
)
パツと
枝
(
えだ
)
を
飛上
(
とびあが
)
る。
曉方
(
あけがた
)
まで
止
(
や
)
む
間
(
ま
)
がなかつた。
間引菜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
ロチスター氏は厚い窓掛を引いて
麻布
(
リネン
)
の日除けを引き上げ、出來るだけの外光を入れた。そして私は
曉方
(
あけがた
)
がもうすつかり近づいてゐるのを見て驚きもし歡びもした。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
夏の
一夜
(
ひとよ
)
をある女と、小舟に明した
曉方
(
あけがた
)
に、自分の方を振返つては頻に微笑む女の樣子の美しさ氣高さ、さては目覺める自然の美に打たれ、愛の心をも解して呉れたのかと思へば、何たる滑稽ぞ
歓楽
(旧字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
紙
(
かみ
)
へ
伸
(
のべ
)
て
腫物
(
しゆもつ
)
の上に
貼置
(
はりおき
)
けるに其
夜
(
よ
)
亥刻頃
(
よつごろ
)
より痛む事甚だ
敷
(
しく
)
曉方
(
あけがた
)
に成て
自然
(
しぜん
)
と
潰
(
つひ
)
え
膿
(
うみ
)
の出る事
夥多敷
(
おびたゞしく
)
暫時
(
しばらく
)
有て
痛
(
いたみ
)
は
忘
(
わす
)
れたる如く
去
(
さり
)
ければ少しづつ
動
(
うご
)
かし見るに是迄
寢返
(
ねがへ
)
りも自由に成ざりし足が
膝
(
ひざ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
晩飯も拔きまして、
葛根湯
(
かつこんたう
)
を二杯も呑んで、一寢入りとすると、
曉方
(
あけがた
)
御店から小僧が飛んで來ました。旦那樣が——
銭形平次捕物控:154 凧の詭計
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
風
(
かぜ
)
は
凪
(
や
)
んでも
雨
(
あめ
)
にも
成
(
な
)
らず……
激
(
はげ
)
しい
暑
(
あつ
)
さに
寢
(
ね
)
られなかつた、
唯吉
(
たゞきち
)
は
曉方
(
あけがた
)
に
成
(
な
)
つてうと/\するまで、
垣根
(
かきね
)
一重
(
ひとへ
)
の
隔
(
へだ
)
てながら、
産聲
(
うぶごゑ
)
と
云
(
い
)
ふものも
聞
(
き
)
かなかつたのである。
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
曉方
(
あけがた
)
に私は起きた。一時間か二時間、私は寢室で自分の持物を整理するのに
忙
(
せは
)
しかつた。短い留守の間、それらを其處に殘して置かうと思つて、
抽斗
(
ひきだし
)
や衣裳戸棚を片附けたのである。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
「小屋で殺された晩も、本人の又六は緑町の自分の家で、
曉方
(
あけがた
)
まで
鑿
(
のみ
)
を使つて居たつて——近所の衆は言つたらう」
銭形平次捕物控:028 歎きの菩薩
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
前兆
(
ぜんてう
)
だつたぜ——
俺
(
おら
)
あ
確
(
たしか
)
に
前兆
(
ぜんてう
)
だつたと
思
(
おも
)
ふんだがね。あの
前
(
まへ
)
の
晩
(
ばん
)
から
曉方
(
あけがた
)
までの
椋鳥
(
むくどり
)
の
騷
(
さわ
)
ぎやうと
言
(
い
)
つたら、なあ、
婆
(
ばあ
)
さん。……ぎやあ/\ぎやあ/\
夜一夜
(
よつぴて
)
だ。——お
前
(
まへ
)
さん。
間引菜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
左衞門河岸の半九郎の家へ着いて間もなく、四方は次第に明るくなつて、初夏の
曉方
(
あけがた
)
らしい清々しさでした。
銭形平次捕物控:263 死の踊り子
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
曉方
(
あけがた
)
なんどにや、やつと
消
(
き
)
えた。
間引菜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
全く飛んだ災難で——昨夜と申しても、今朝
曉方
(
あけがた
)
でございました。物音に眼を覺すと、枕元に大きな男が、ニヤニヤし乍ら突つ立つて居るぢやございませんか。
銭形平次捕物控:181 頬の疵
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
それにお袖も一晩寢付けなかつたやうで、——
尤
(
もつと
)
も
曉方
(
あけがた
)
から疲れが出て私もついウトウトしました、眼を覺した時はもう陽は高くなつて、お袖は起きて居りました
銭形平次捕物控:156 八千両異変
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
消えてゐたにしても、夜中に吹き消したものか、油がなくなつて、
曉方
(
あけがた
)
消えたものか——いや行燈の皿に油は殘つてゐるやうだから、滅多に獨りで消える筈はない。
銭形平次捕物控:314 美少年国
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
それつきりでございます。——變な音がしたので起き出しました。
曉方
(
あけがた
)
近かつたと思ひます。雨戸を
銭形平次捕物控:224 五つの壺
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
與三郎の殺された晩は、そつと家を拔出して
曉方
(
あけがた
)
歸つてゐるし、お此の殺された日は、晝頃から人目に隱れて、
田圃
(
たんぼ
)
傳ひに江戸の方へ行つたと村の者がいつてましたよ。
銭形平次捕物控:159 お此お糸
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
それに
曉方
(
あけがた
)
まで
確
(
たし
)
かに床の中に人が居たやうだから、——な、女中さん、それに相違あるまい
銭形平次捕物控:002 振袖源太
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
曉方
(
あけがた
)
近く、物音を聽いたやうに思ひます。でも、すぐ眠つてしまひました」
銭形平次捕物控:103 巨盗還る
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
曉方
(
あけがた
)
の冷えを勘定に入れて大火鉢へ埋火二杯、煙草盆と茶と、菓子と、足の踏みどころもなく配つた上、百日
蝋燭
(
らふそく
)
を點けた
大燭臺
(
おほしよくだい
)
が四
基
(
き
)
、二つは榮三郎の左右へ、女中のお千代が護つて
控
(
ひか
)
へ
銭形平次捕物控:002 振袖源太
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「泥棒が入つたのは宵か、夜中か、それとも
曉方
(
あけがた
)
かえ、叔母さん」
銭形平次捕物控:239 群盗
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
大成功で御船手屋敷まで引いて來たのは
曉方
(
あけがた
)
近くでした。
銭形平次捕物控:043 和蘭カルタ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「泥棒の入つたのは
曉方
(
あけがた
)
だと言つたね、番頭さん」
銭形平次捕物控:014 たぬき囃子
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「それも
如才
(
じよさい
)
なく訊きました、すると、何よりの道樂は
釣
(
つり
)
だけ、昨夜も夜釣に行つて
曉方
(
あけがた
)
歸つたといふことでしたよ、こいつは突つ込みやうがありませんよ、尤も連れがあつたわけでないから、疑へば疑へるわけだ」
銭形平次捕物控:311 鬼女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
曉
部首:⽇
16画
方
常用漢字
小2
部首:⽅
4画
“曉”で始まる語句
曉
曉天
曉星
曉凪
曉闇
曉近
曉露
曉風
曉寅刻
曉月夜