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景物
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けいぶつ
ふりがな文庫
“
景物
(
けいぶつ
)” の例文
樣子
(
やうす
)
を
聞
(
き
)
くと、
汽船會社
(
きせんぐわいしや
)
の
無錢
(
たゞ
)
で
景物
(
けいぶつ
)
は、
裏切
(
うらぎ
)
られた。
何
(
ど
)
うも
眞個
(
ほんたう
)
ではないらしいのに、がつかりしたが、
此
(
こ
)
の
時
(
とき
)
の
景色
(
けしき
)
は
忘
(
わす
)
れない。
麻を刈る
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
こんなのを通り抜けて出ることが出来れば、
反物
(
たんもの
)
を
景物
(
けいぶつ
)
に出すなどが大いに流行ったもので、怪談師の眼吉などいうのが最も名高かった。
江戸か東京か
(新字新仮名)
/
淡島寒月
(著)
あわせて歳晩の
巷
(
ちまた
)
を
彩
(
いろど
)
る一種の
景物
(
けいぶつ
)
で、芝居を愛する人も愛せざる人も、絵双紙屋の店さきに立って華やかな双六のいろいろをながめた時
明治劇談 ランプの下にて
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
彼
(
かれ
)
は
今
(
いま
)
から
數時間
(
すうじかん
)
の
後
(
のち
)
又
(
また
)
年中
(
ねんぢゆう
)
行事
(
ぎやうじ
)
のうちで、
尤
(
もつと
)
も
人
(
ひと
)
の
心
(
こゝろ
)
を
新
(
あらた
)
にすべく
仕組
(
しく
)
まれた
景物
(
けいぶつ
)
に
出逢
(
であ
)
はなければならなかつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
さなきだに
不思議
(
ふしぎ
)
な
妖精界
(
ようせいかい
)
の
探検
(
たんけん
)
に、こんな
意外
(
いがい
)
の
景物
(
けいぶつ
)
までも
添
(
そ
)
えられ、
心
(
こころ
)
から
驚
(
おどろ
)
き
入
(
い
)
ることのみ
多
(
おお
)
かった
故
(
せい
)
か、その
日
(
ひ
)
の
私
(
わたくし
)
はいつに
無
(
な
)
く
疲労
(
つかれ
)
を
覚
(
おぼ
)
え
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
▼ もっと見る
この一切の
景物
(
けいぶつ
)
は皆黄いろい蝋燭の火で照し出されてゐる。大きい影を天井に
印
(
いん
)
してゐる蝋燭の火である。併しこんな物よりは若いよめのリイケの方が余程目を悦ばせる。
聖ニコラウスの夜
(新字旧仮名)
/
カミーユ・ルモンニエー
(著)
取敢えずこれだけの前芸は、米友がエッと言えば、見物がアッというだけの
景物
(
けいぶつ
)
でありました。
大菩薩峠:17 黒業白業の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
資本
(
もとで
)
として是より見世の者へ云付
代物
(
しろもの
)
に色を付
景物
(
けいぶつ
)
に
手拭
(
てぬぐひ
)
等を添て
商
(
あきな
)
ひ或は金一分以上の
買人
(
かひて
)
には
袖口
(
そでくち
)
か
半襟
(
はんえり
)
などを
負
(
まけ
)
て
賣
(
うり
)
ければ是より人の思ひ付よく
追々
(
おひ/\
)
繁昌
(
はんじやう
)
なすに隨ひ見世を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
噴水からは、とびきり上等のぶどう酒がふきだしていました。パン屋で一シリングの堅パンひとつ買うと、大きなビスケットを六つ、しかも
乾
(
ほし
)
ぶどうのはいったのを、お
景物
(
けいぶつ
)
にくれました。
旅なかま
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
六千坪の草原は半ば以上拓かれて、
趣
(
おもむき
)
のある日本式の庭園になっていた。そしてその中に小さく建っている茅葺の家まで、庭園の一つの
景物
(
けいぶつ
)
となっているのにも、伯父らしい用意が
偲
(
しの
)
ばれた。
由布院行
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
中硝子
(
なかがらす
)
の
障子
(
しやうじ
)
ごしに
中庭
(
なかには
)
の
松
(
まつ
)
の
姿
(
すがた
)
をかしと
見
(
み
)
し
絹布
(
けんぷ
)
の
四布蒲團
(
よのぶとん
)
すつぽりと
炬燵
(
こたつ
)
の
内
(
うち
)
あたゝかに、
美人
(
びじん
)
の
酌
(
しやく
)
の
舌鼓
(
したつゞみ
)
うつゝなく、
門
(
かど
)
を
走
(
はし
)
る
樽
(
たる
)
ひろひあれは
何處
(
いづこ
)
の
小僧
(
こそう
)
どん
雪中
(
せつちゆう
)
の
一
(
ひと
)
つ
景物
(
けいぶつ
)
おもしろし
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
自分は
仏蘭西
(
フランス
)
の女の姿態の醇化せられて気の利いたのと、
仏蘭西
(
フランス
)
の風物の明るくして幽静なのとを愛します。
併
(
しか
)
し
未
(
ま
)
だ自分は
仏蘭西
(
フランス
)
の
景物
(
けいぶつ
)
に
就
(
つい
)
て製作を持ちません。
唯
(
た
)
だ目を見開いて驚く
許
(
ばか
)
りです。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
それが思い通りだったので、楽しかったのに違いない。お
景物
(
けいぶつ
)
に、わたしが、それがなんなの? といった顔をして、呆れている友達たちの顔を見たことまでが、予期した通りの好結果であったのだ。
朱絃舎浜子
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
俳諧
(
はいかい
)
では花火を秋の季に組み入れているが、どうもこれは夏のものらしい。少なくとも東京では夏の宵の
景物
(
けいぶつ
)
である。
綺堂むかし語り
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
こう山の中へ来て自然の
景物
(
けいぶつ
)
に接すれば、見るものも聞くものも面白い。面白いだけで別段の苦しみも起らぬ。起るとすれば足が
草臥
(
くたび
)
れて、
旨
(
うま
)
いものが食べられぬくらいの事だろう。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
……
聞
(
き
)
いて、
眞實
(
ほんたう
)
にはなさるまい、
伏木
(
ふしき
)
の
汽船
(
きせん
)
が、
兩會社
(
りやうくわいしや
)
で
激
(
はげ
)
しく
競爭
(
きやうさう
)
して、
乘客
(
じようきやく
)
爭奪
(
さうだつ
)
の
手段
(
しゆだん
)
のあまり、
無賃銀
(
むちんぎん
)
、たゞでのせて、
甲會社
(
かふくわいしや
)
は
手拭
(
てぬぐひ
)
を
一筋
(
ひとすぢ
)
、
乙會社
(
おつくわいしや
)
は
繪端書
(
ゑはがき
)
三枚
(
さんまい
)
を
景物
(
けいぶつ
)
に
出
(
だ
)
すと
言
(
い
)
ふ。
麻を刈る
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「とんだお
景物
(
けいぶつ
)
だ」と、七兵衛は思った。しかしそのお景物の口から七兵衛は一つの手がかりを見つけ出した。
半七捕物帳:18 槍突き
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
白牡丹
(
はくぼたん
)
へ
這入
(
はい
)
つて、
景物
(
けいぶつ
)
の
金時計
(
きんどけい
)
でも
取
(
と
)
らうと
思
(
おも
)
つたが、
何
(
なに
)
も
買
(
か
)
ふものがなかつたので、
仕方
(
しかた
)
なしに
鈴
(
すゞ
)
の
着
(
つ
)
いた
御手玉
(
おてだま
)
を
一箱
(
ひとはこ
)
買
(
か
)
つて、さうして
幾
(
いく
)
百となく
器械
(
きかい
)
で
吹
(
ふ
)
き
上
(
あげ
)
られる
風船
(
ふうせん
)
を
一
(
ひと
)
つ
攫
(
つか
)
んだら
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
ほかに二番目に「因果灯籠」というのを出していたが、それは単にお
景物
(
けいぶつ
)
に過ぎないのであった。
明治劇談 ランプの下にて
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
“景物”の意味
《名詞》
景物(けいぶつ)
四季折折の情趣ある風物。
賞品。
開店や売り出しの際に、買い上げの商品に添えるおまけの品。販促物。
(出典:Wiktionary)
景
常用漢字
小4
部首:⽇
12画
物
常用漢字
小3
部首:⽜
8画
“景物”で始まる語句
景物連