“白牡丹”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
はくぼたん66.7%
しろぼたん33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
白牡丹はくぼたんで買ったばかりの古渡こわたりの珊瑚さんごの根掛けや、堆朱ついしゅ中挿なかざしを、いつかけるような体になられることやらと、そんなことまで心細そうに言い出した。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
と見ると花壇に五六本の白牡丹はくぼたんが今を盛りと咲いていた,その花の下に飼猫の「コロ」が朝日を一杯背中に受けて、つくねんとうずくまッていた「日向ひなたぼこりをしているのか、 ...
初恋 (新字新仮名) / 矢崎嵯峨の舎(著)
その薪から立つやわらかな焔は、ちょうど白牡丹しろぼたんの風に吹かれているようで、時折、紫金色の光と鮮紅な炎とが入り交じって、めらめらと燃え狂うのであった。
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いきなりお富の部屋へ、一歩踏み込むと、血潮の中に崩折れた、白牡丹しろぼたんの花のやうな、世にも痛々しいお富の死體を取卷いて、主人の茂三郎始め、一同たゞウロウロするばかりです。
銭形平次捕物控:050 碁敵 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)