白牡丹はくぼたん)” の例文
白牡丹はくぼたんで買ったばかりの古渡こわたりの珊瑚さんごの根掛けや、堆朱ついしゅ中挿なかざしを、いつかけるような体になられることやらと、そんなことまで心細そうに言い出した。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
と見ると花壇に五六本の白牡丹はくぼたんが今を盛りと咲いていた,その花の下に飼猫の「コロ」が朝日を一杯背中に受けて、つくねんとうずくまッていた「日向ひなたぼこりをしているのか、 ...
初恋 (新字新仮名) / 矢崎嵯峨の舎(著)
「……おおこの絵燈籠えどうろうはおもしろい。芙蓉燈籠ふようどうろう、れんげ燈籠、百合ゆり燈籠、白牡丹はくぼたん燈籠。これも街の衆が、筆を競ったのか。……玉梅の図、金蓮きんれんの意匠、とりどり余技とも思えんな」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
白牡丹はくぼたん這入はいつて、景物けいぶつ金時計きんどけいでもらうとおもつたが、なにふものがなかつたので、仕方しかたなしにすゞいた御手玉おてだま一箱ひとはこつて、さうしていく百となく器械きかいあげられる風船ふうせんひとつかんだら
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
白牡丹はくぼたんちつつなぎ久し自界荘厳のきはにあらむか
黒檜 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
白牡丹はくぼたんといふといへどもこうほのか
五百句 (新字旧仮名) / 高浜虚子(著)
白牡丹はくぼたん這入はいって、景物の金時計でも取ろうと思ったが、何も買うものがなかったので、仕方なしに鈴の着いた御手玉おてだまを一箱買って、そうして幾百となく器械で吹き上げられる風船を一つつかんだら
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
白牡丹はくぼたん、大きに満ち
海豹と雲 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
白牡丹はくぼたん、宇宙なり。
海豹と雲 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)