“牡丹雪”の読み方と例文
読み方割合
ぼたんゆき100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
冬になってから二度めであるが、その季節にしては珍らしく、形も量も多い牡丹雪ぼたんゆきで、門から寮の戸口さえ見えないくらいであった。
五瓣の椿 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
でもさすがに正月だ。門松しめ飾り、松の内の八百屋町をぱったり人通りが杜絶とだえて、牡丹雪ぼたんゆきが音も立てずに降っている。
愛と認識との出発 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
花びらのような大きい牡丹雪ぼたんゆきが、ふわりふわり降りはじめていたのだ。私は、障子をあけ、お母さまと並んで坐り、硝子戸ガラスど越しに伊豆の雪を眺めた。
斜陽 (新字新仮名) / 太宰治(著)