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牡丹雪
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ぼたんゆき
ふりがな文庫
“
牡丹雪
(
ぼたんゆき
)” の例文
冬になってから二度めであるが、その季節にしては珍らしく、形も量も多い
牡丹雪
(
ぼたんゆき
)
で、門から寮の戸口さえ見えないくらいであった。
五瓣の椿
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
でもさすがに正月だ。門松しめ飾り、松の内の八百屋町をぱったり人通りが
杜絶
(
とだ
)
えて、
牡丹雪
(
ぼたんゆき
)
が音も立てずに降っている。
愛と認識との出発
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
花びらのような大きい
牡丹雪
(
ぼたんゆき
)
が、ふわりふわり降りはじめていたのだ。私は、障子をあけ、お母さまと並んで坐り、
硝子戸
(
ガラスど
)
越しに伊豆の雪を眺めた。
斜陽
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
はッとして
四辺
(
あたり
)
を見ましたが、大きな
牡丹雪
(
ぼたんゆき
)
が降りしきっているのと、雪をかぶった樹木の枝と、ヨハンの居ない石牢の鉄の格子が見えるばかり……。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「大降りだつた割りに早く
霽
(
は
)
れたやうですね。
牡丹雪
(
ぼたんゆき
)
で二た刻ばかりの間にうんと積つたんでせう、
寅刻
(
なゝつ
)
(四時)前に小用に起きた時は、小降りになつてましたよ」
銭形平次捕物控:117 雪の夜
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
たちまち八百八町は二寸厚みの
牡丹雪
(
ぼたんゆき
)
にぬりこめられて、見渡すかぎりただひと色の銀世界でした。
右門捕物帖:27 献上博多人形
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
「ロシヤ
更紗
(
サラサ
)
の毛蒲団を、そっとぬけでてつむ雪を、銀のかざしでさしてみる、お染の髪の
牡丹雪
(
ぼたんゆき
)
」
古句を観る
(新字新仮名)
/
柴田宵曲
(著)
ガラス戸越しに、大きな
牡丹雪
(
ぼたんゆき
)
が忙しそうに降っている。午後二時、ほかに客の姿は見えない。
五階の窓:04 合作の四
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
朝から降り
歇
(
や
)
まない雪のなかを、子供をおぶった芳ちゃんと出かける。積もるとみせかけて、
牡丹雪
(
ぼたんゆき
)
は案外なところで消えてゆく。寛永寺坂の途中で、恭次郎さんに逢う。
新版 放浪記
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
牡丹雪
(
ぼたんゆき
)
のような雪片のことを compound snow flake といって、snow crystal という言葉は、ざらめ雪のためにしまって置こうというのである。
雪雑記
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
戸外
(
そと
)
は嵐が吹き巻いて、桜の花の盛りだというに、さっきから降っている
牡丹雪
(
ぼたんゆき
)
は、嵐に
雑
(
まじ
)
り吹雪となり、窓の
外部
(
そと
)
から横撲りに凄じい音を立てて襲っている。しかし屋内は静かである。
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
降りしきる
牡丹雪
(
ぼたんゆき
)
のなかを、いそいそした足どりで、原田雲井がやって来た。
花と龍
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
お
染
(
そめ
)
の
髪
(
かみ
)
の
牡丹雪
(
ぼたんゆき
)
。
どんたく:絵入り小唄集
(新字旧仮名)
/
竹久夢二
(著)
「大降りだった割りに早く
霽
(
は
)
れたようですね。
牡丹雪
(
ぼたんゆき
)
で二た刻ばかりの間にうんと積ったんでしょう、
寅刻
(
ななつ
)
(四時)前に小用に起きた時は、小降りになってましたよ」
銭形平次捕物控:117 雪の夜
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
日の暮れかたからちらちらしはじめ間もなくおおきい
牡丹雪
(
ぼたんゆき
)
にかわり三寸くらい積ったころ、宿場の六個の
半鐘
(
はんしょう
)
が一時に鳴った。火事である。次郎兵衛はゆったりゆったり家を出た。
ロマネスク
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
これが即ちわれわれによって
牡丹雪
(
ぼたんゆき
)
あるいは綿雪と呼ばれているものである。
雪
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
廂
(
ひさし
)
から外のふかい闇を、春にはめずらしい
牡丹雪
(
ぼたんゆき
)
が、ぼとぼとと音を立てて降りしきっている。その
黒繻子
(
くろじゅす
)
のような闇に光る雪の
縞
(
しま
)
の中に、
禿
(
かむろ
)
たちの姿が四つ、帯のうしろを見せて並んでいた。
宮本武蔵:05 風の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
戦い半ばの頃から大きな
牡丹雪
(
ぼたんゆき
)
が降り出して、
朔風
(
さくふう
)
凛々
(
りんりん
)
、次第にこの地方特有な吹雪となりだしていたが、今しも姜維の兵は、その
霏々
(
ひひ
)
たる雪片と異ならず、みな先を争って、陣門の内へ逃げ入り
三国志:11 五丈原の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
雪である——
牡丹雪
(
ぼたんゆき
)
が降ってきた。
鳴門秘帖:02 江戸の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
牡
漢検準1級
部首:⽜
7画
丹
常用漢字
中学
部首:⼂
4画
雪
常用漢字
小2
部首:⾬
11画
“牡丹”で始まる語句
牡丹
牡丹餅
牡丹花
牡丹色
牡丹刷毛
牡丹燈籠
牡丹屋
牡丹餅大
牡丹餅判
牡丹亭