白牡丹しろぼたん)” の例文
その薪から立つやわらかな焔は、ちょうど白牡丹しろぼたんの風に吹かれているようで、時折、紫金色の光と鮮紅な炎とが入り交じって、めらめらと燃え狂うのであった。
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いきなりお富の部屋へ、一歩踏み込むと、血潮の中に崩折れた、白牡丹しろぼたんの花のやうな、世にも痛々しいお富の死體を取卷いて、主人の茂三郎始め、一同たゞウロウロするばかりです。
銭形平次捕物控:050 碁敵 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
夏は岩が根、白牡丹しろぼたん
海豹と雲 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
咲き崩れた大輪の白牡丹しろぼたんのように倒れて居ります。
青い眼鏡 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)