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揉手
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もみで
ふりがな文庫
“
揉手
(
もみで
)” の例文
二番番頭が
揉手
(
もみで
)
をしながら「この度は、何とも、はや」と悔みのようなことを言って絹一匹金一封を添えたものを置いて帰りました。
生々流転
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
繩
暖簾
(
のれん
)
をくぐったところをズブ六になった中間体が無暗にポンポンいうのを、亭主がおさえておいて、取ってつけたような
揉手
(
もみで
)
。
顎十郎捕物帳:21 かごやの客
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
と、
揉手
(
もみで
)
をするのです。筋肉質の確りした中老人で、柔弱だつたといふ伜の菊次郎に比べて、これはまた、武家あがりと言つた
恰幅
(
かつぷく
)
です。
銭形平次捕物控:321 橋場の人魚
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
『あの染之助さんが、是非
一寸
(
ちょっと
)
奥さんにお目にかかりたいと云うのですが、……』と、モジモジ
揉手
(
もみで
)
をしながら云うのでした。
ある恋の話
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
と、一斉にひき受けてから、しばらくがやがや手分けの評議をしていたが、やがて一名の代表者が前へ出て、
揉手
(
もみで
)
をしながら
宮本武蔵:06 空の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
健は待つてましたと言はぬ許りに急に難しい顔をして、
霎時
(
しばし
)
、
眤
(
じつ
)
と校長の
揉手
(
もみで
)
をしてゐるその手を見てゐた。そして言つた。
足跡
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
ほかの折助が、これもまたワザとらしい身ぶりと声色で、
揉手
(
もみで
)
をしながら、お銀様の方へとかたまって来るのであります。
大菩薩峠:13 如法闇夜の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
婆さんは一人で、きかぬ気らしく
頭振
(
かぶ
)
りを振りながら言い続けるのである。私は、
揉手
(
もみで
)
をせんばかりに、はいはいして
霜凍る宵
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
昔は弱者には同類の親しみを寄せ、強者に空うそぶいてゐたが、近頃はあべこべで、強者に同類の親しみを寄せ、
揉手
(
もみで
)
をしてオアイソ笑ひを浮べる。
金銭無情
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
『
天守
(
てんしゆ
)
の
上
(
うへ
)
から
御覧
(
ごらん
)
なされ、
太夫
(
たいふ
)
ほんの
前芸
(
まへげい
)
にござります、ヘツヘツヘツ』とチヨンと
頭
(
かしら
)
を
下
(
さ
)
げて
揉手
(
もみで
)
を
為
(
し
)
て
言
(
い
)
ふ。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
びっくりして王様が剣へ手をかけながら起き返っていると、裾の方に、だんだら縞の着物を着た一寸法師が
揉手
(
もみで
)
をして、お追従笑いをしながら立っている。
地は饒なり
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
三左衛門は僧を
後
(
うしろ
)
にしないようにと用心して
草履
(
ぞうり
)
を
穿
(
は
)
いた。若党は
揉手
(
もみで
)
をして立っていた。
竈の中の顔
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
『それこそ
大事
(
だいじ
)
な
證據
(
しようこ
)
の
一
(
ひと
)
つである』と
王樣
(
わうさま
)
は
揉手
(
もみで
)
をしながら、『さらば
陪審官
(
ばいしんくわん
)
に——』
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
「何故つて……」男は一寸
揉手
(
もみで
)
をした。「実をいふと、
貴女
(
あなた
)
に惚れつちまつたのでさ。」
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
揉手
(
もみで
)
をすることも教えられ、われながらあさましかったが、目立って世帯じみてきた友子のことを考えると、婦人客への頭の下げ方、物の言い方など申分ないと
褒
(
ほ
)
められるようになった。
雨
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
番頭が、金離れのいい庄吉へ、
揉手
(
もみで
)
をして御叩頭した。
南国太平記
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
彼は、実直らしく
揉手
(
もみで
)
をしながら、応接間へ通つた。
落葉日記
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
ゴリラは柄にもなく
揉手
(
もみで
)
をせんばかりである。
恐怖王
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
お縫
揉手
(
もみで
)
をしながら
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
と、
揉手
(
もみで
)
をするのです。筋肉質の確りした中老人で、柔弱だったという伜の菊次郎に此べて、これはまた、武家あがりと言った
恰幅
(
かっぷく
)
です。
銭形平次捕物控:321 橋場の人魚
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
チョーク縞の、すごいダブルのスーツを着たヘンリ清水という紳士は、むかし下町の商人がやったような、いかにも古風な
揉手
(
もみで
)
をしながら
我が家の楽園
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
ヂュプラは名優がアンコールされたときの態度のように少し首を傾げ上目使いに
揉手
(
もみで
)
しながら気取って答礼をしている。
食魔に贈る
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
「
難有
(
ありがと
)
う様で、へい、」と
前掛
(
まえかけ
)
の腰を
屈
(
かが
)
める、
揉手
(
もみで
)
の
肱
(
ひじ
)
に、ピンと
刎
(
は
)
ねた、
博多帯
(
はかたおび
)
の
結目
(
むすびめ
)
は、赤坂
奴
(
やっこ
)
の
髯
(
ひげ
)
と見た。
菎蒻本
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
砕けた腰がまた
箝
(
はま
)
ると、
揉手
(
もみで
)
をして取りつき、右が入って抱き込んだかと思うと、勝手が悪いと見えて捲き直してみたり、
諸差
(
もろざ
)
しになったから、もうこっちのものと思っている途端に
大菩薩峠:19 小名路の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
客の部屋の
閾際
(
しきいぎわ
)
で
揉手
(
もみで
)
をしている時とは別人のように口汚く
宮本武蔵:05 風の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
町人平次——お上の御用を勤めてゐるには相違ありませんが、武士の髷切り騷ぎには、内々
揉手
(
もみで
)
をして喜んで居るのでした。
銭形平次捕物控:174 髷切り
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
入交って亭主柏屋金蔵、
揉手
(
もみで
)
をしながらさきに挨拶に来た時より、打解けまして
馴々
(
なれなれ
)
しく
湯女の魂
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
せんぶりの千太は
呆気
(
あっけ
)
にとられて、気味悪そうにもじもじと
揉手
(
もみで
)
をしながら
顎十郎捕物帳:06 三人目
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
揉手
(
もみで
)
しながら、亭主は縁へ
退
(
さが
)
りかけた。
宮本武蔵:05 風の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
池上に向い
揉手
(
もみで
)
をして
生々流転
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
町人平次——お上の御用を勤めているには相違ありませんが、武士の髷切り騒ぎには、内々
揉手
(
もみで
)
をして喜んで居るのでした。
銭形平次捕物控:174 髷切り
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「ああ、
忝
(
かたじけの
)
うござります。何たる、神様か、仏様か、お
庇
(
かげ
)
で清く死なれまする。はいはい、
私
(
わたくし
)
風情にここと申す
住所
(
すみか
)
もござりませぬ。もう
御暇
(
おいとま
)
を下されまし。」と
揉手
(
もみで
)
をしつつ
後退
(
あとじさり
)
。
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
揉手
(
もみで
)
をして、また平伏した。
新書太閤記:08 第八分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
八五郎はまた、
揉手
(
もみで
)
をして喜んで居ります。有名な美人に逢つて見るのを、役得と心得て居る八五郎です。
銭形平次捕物控:321 橋場の人魚
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
と
沓脱
(
くつぬぎ
)
の
傍
(
そば
)
へ
蹲
(
うづくま
)
つて、
揉手
(
もみで
)
をしながら、
圖々
(
づう/\
)
しい
男
(
をとこ
)
で、ずツと
顏
(
かほ
)
を
突出
(
つきだ
)
した。
片しぐれ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
八五郎はまた、
揉手
(
もみで
)
をして喜んでおります。有名な美人に逢って見るのを、役得と心得ている八五郎です。
銭形平次捕物控:321 橋場の人魚
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
と
沓脱
(
くつぬぎ
)
の
傍
(
かたはら
)
へ
蹲
(
うづくま
)
つて
揉手
(
もみで
)
をしながら、
※々
(
づう/\
)
しい
男
(
をとこ
)
で、づツと
顏
(
かほ
)
を
突出
(
つきだ
)
した。
二た面
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
四十そこ/\、まだ用人摺れのする年ではありませんが、主人大村兵庫の
脂切
(
あぶらぎ
)
つたのと違つて、ひどく氣の弱さうな菊内は、御用聞風情の前に
揉手
(
もみで
)
をして居るのでした。
銭形平次捕物控:040 兵庫の眼玉
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
柔和
(
やわら
)
かなちっとも
気取
(
きどり
)
っけのない四十ぐらいな——後で聞くと主人だそうで——質素な男が出迎えて、
揉手
(
もみで
)
をしながら、
御逗留
(
ごとうりゅう
)
か、それともちょっと御入浴で、と
訊
(
き
)
いた時、客が、一晩お世話に
みさごの鮨
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
谷五郎はさう言つて
揉手
(
もみで
)
をするのです。いかにも男を賣る稼業らしい豪快な感じのする男でした。
銭形平次捕物控:318 敵の娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「へい、
殿樣
(
とのさま
)
へ、
御免
(
ごめん
)
なせいまし。」と
尻
(
しり
)
からげの
緊
(
しま
)
つた
脚絆
(
きやはん
)
。もろに
揃
(
そろ
)
へて
腰
(
こし
)
を
屈
(
かゞ
)
めて
揉手
(
もみで
)
をしながら、ふと
見
(
み
)
ると、
大王
(
だいわう
)
の
左右
(
さいう
)
の
御傍立
(
おわきだち
)
。
一
(
ひと
)
つは
朽
(
く
)
ちたか、
壞
(
こは
)
れたか、
大破
(
たいは
)
の
古廟
(
こべう
)
に
形
(
かたち
)
も
留
(
と
)
めず。
みつ柏
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
八五郎が
揉手
(
もみで
)
をしながら入つて來たのは、この季節にしては生暖かい、曇り日のある朝でした。
銭形平次捕物控:316 正月の香り
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
と腰を
屈
(
かが
)
め、
揉手
(
もみで
)
をして、ひたすら頼めどいっかな
肯
(
き
)
かず
活人形
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
揉手
(
もみで
)
をしながら喜ぶ八五郎。若い女を仲に挾んで、神田明神下から深川西町への道々、ポツリポツリと語る女の言葉を綜合して、平次は事件の輪郭だけでも
纒
(
まと
)
めて行きます。
銭形平次捕物控:269 小判の瓶
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「へい、
四階
(
しかい
)
でございます。」と横に開いて
揉手
(
もみで
)
をする。
革鞄の怪
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
甚助は口の過ぎたのに氣が付いたものか、
揉手
(
もみで
)
をし乍ら尻込みをして居ります。
銭形平次捕物控:060 蝉丸の香爐
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
と亭主は前へ出て、
揉手
(
もみで
)
をしながら
歌行灯
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
庭に降りて
昨夜
(
ゆふべ
)
勘七の刺された場所を見て、そこから一間ほど先にある庭木戸の輪鍵の具合などを見てゐると、主人の宗助は
揉手
(
もみで
)
などをしながら後ろから
鬼瓦
(
おにがはら
)
のやうな顏を出すのでした。
銭形平次捕物控:210 飛ぶ女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
伝九郎は
揉手
(
もみで
)
でびたびたお辞儀する。
わか紫
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
佐助は臆病らしく
揉手
(
もみで
)
をしながら、考え考え三郎兵衛のために弁ずるのです。
銭形平次捕物控:107 梅吉殺し
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
揉
漢検1級
部首:⼿
12画
手
常用漢字
小1
部首:⼿
4画
“揉”で始まる語句
揉
揉上
揉合
揉込
揉烏帽子
揉事
揉消
揉立
揉潰
揉療治