きゃしゃな姝な顔をした、どこか貴公子然たるところのある男であった。それは清明の節に当る日のことであった。
蛇性の婬 :雷峰怪蹟 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
蛇性の婬 :雷峰怪蹟 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
それにそこには姝な女がたくさんいて、それが何か唄いながら踊ってたのですが、それが私の方を見て、いっしょに踊らないかと云って招くものですから、ついその気になって
売卜者は姝な男であった。長者の女はこの噂を侍女の口から聞いて心をそそられた。そして、その侍女の計いで、一室で書見している売卜者の美しい姿を透して見ることができた。
蛇性の婬 :雷峰怪蹟 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
南北の東海道四谷怪談 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
神中に似て弱よわしてどこか夕顔の花のようなたよりないその顔が浮かんでくると、その女はどうしているだろう、姝な女であったから、早く良縁があって結婚でもしているかも判らないと思った。