トップ
>
大通
>
おおどおり
ふりがな文庫
“
大通
(
おおどおり
)” の例文
兎角
(
とかく
)
するうちに馬車は早やクリチーの坂を登り其外なる
大通
(
おおどおり
)
を横に切りてレクルース
街
(
まち
)
に入り約束の番地より少し手前にて停りたり
血の文字
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
種彦は遠くもあらぬ
堀田原
(
ほったわら
)
の住居まで、是非にもお供せねばという門人たちの
深切
(
しんせつ
)
をも無理に断り、
夜涼
(
やりょう
)
の茶屋々々
賑
(
にぎわ
)
う並木の
大通
(
おおどおり
)
を
横断
(
よこぎ
)
って
散柳窓夕栄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
そしてとうとう、自分でその幻燈の中へ
這入
(
はい
)
って行った。私は町の或る狭い
横丁
(
よこちょう
)
から、胎内めぐりのような
路
(
みち
)
を通って、繁華な
大通
(
おおどおり
)
の中央へ出た。
猫町:散文詩風な小説
(新字新仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
そこで、ことによると、だれか
通
(
とお
)
りがかりの人が気のどくに思って承知してくれるかもしれないと、そんなことを当てにして、
大通
(
おおどおり
)
へ腰をおろしました。
死神の名づけ親(第二話)
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
心
(
こころ
)
は
不覚
(
そぞろ
)
、
気
(
き
)
は
動顛
(
どうてん
)
して、いきなり、
室
(
へや
)
を
飛出
(
とびだ
)
したが、
帽
(
ぼう
)
も
被
(
かぶ
)
らず、フロックコートも
着
(
き
)
ずに、
恐怖
(
おそれ
)
に
駆
(
か
)
られたまま、
大通
(
おおどおり
)
を
真
(
ま
)
一
文字
(
もんじ
)
に
走
(
はし
)
るのであった。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
▼ もっと見る
砂地の
灼
(
や
)
けつくような
陽
(
ひ
)
の直射や、
木蔭
(
こかげ
)
の
微風
(
びふう
)
のそよぎや、
氾濫
(
はんらん
)
のあとの
泥
(
どろ
)
のにおいや、
繁華
(
はんか
)
な
大通
(
おおどおり
)
を行交う白衣の人々の姿や、
沐浴
(
もくよく
)
のあとの
香油
(
こうゆ
)
の
匂
(
におい
)
や
木乃伊
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
小さな中学生達の航海は、
大通
(
おおどおり
)
を
真
(
まっ
)
すぐに歩くことよりも、人の知らないような航路をとる方が面白いに違いないと思われました。それで、二人はそうしました。
誰が・何時・何処で・何をした
(新字新仮名)
/
竹久夢二
(著)
みな
表町
(
おもてまち
)
なる
大通
(
おおどおり
)
の富有の家に飼われしなりき。
夕越
(
ゆうごえ
)
くれば一斉に
塒
(
ねぐら
)
に帰る。やや人足繁く、
戸外
(
おもて
)
を
往来
(
ゆきか
)
うが皆あおぎて見つ。楓にはいろいろのもの結ばれたり。
照葉狂言
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
この身の
周囲
(
まわり
)
の生活が、突然自分を
嘲笑
(
あざわら
)
って、敵意を
表
(
ひょう
)
しているように感ぜられて、切なかったのである。女は男の手を引っ張って、
大通
(
おおどおり
)
を
除
(
よ
)
けて静かな横町から内へ帰り掛けた。
みれん
(新字新仮名)
/
アルツール・シュニッツレル
(著)
その辺に
軒
(
のき
)
を並べている夜店の屋台が、ドーッと彼の方へ押寄せて来るような気がした。彼は明るい
大通
(
おおどおり
)
をなるべく往来の人たちの顔を見ないように、あごを胸につけてトットと公園の方へ歩いた。
一寸法師
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
大通
(
おおどおり
)
いずれもさび、
軒端
(
のきば
)
暗く、
往来
(
ゆきき
)
絶え、石多き
横町
(
よこまち
)
の道は
氷
(
こお
)
れり。
源おじ
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
大通
(
おおどおり
)
や広い辻がある。10145
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
平坦なる
大通
(
おおどおり
)
は歩いて滑らず
躓
(
つまず
)
かず、車を走らせて安全無事、荷物を運ばせて賃銀安しといえども、
無聊
(
ぶりょう
)
に苦しむ
閑人
(
かんじん
)
の散歩には余りに単調に
過
(
すぎ
)
る。
日和下駄:一名 東京散策記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
過年
(
いつか
)
、水天宮様の縁日の晩でしたっけ、
大通
(
おおどおり
)
のごッた返す処をちっとばかり横町へ遠のいて明治座へ
行
(
ゆ
)
こうという
麺麭屋
(
パンや
)
の物置の前に、
常店
(
じょうみせ
)
で今でも出ていまさ
三枚続
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
すると、こんどは
大通
(
おおどおり
)
から横町の方へ風が吹きまわしたので、幸太郎の帽子も、風と一しょに、横町へ曲ってしまいました。そしてそこにあったビール
樽
(
たる
)
のかげへかくれました。
風
(新字新仮名)
/
竹久夢二
(著)
今
(
いま
)
から
大凡
(
おおよそ
)
十三四
年
(
ねん
)
以前
(
いぜん
)
、この
町
(
まち
)
の一
番
(
ばん
)
の
大通
(
おおどおり
)
に、
自分
(
じぶん
)
の
家
(
いえ
)
を
所有
(
も
)
っていたグロモフと
云
(
い
)
う、
容貌
(
ようぼう
)
の
立派
(
りっぱ
)
な、
金満
(
かねもち
)
の
官吏
(
かんり
)
があって、
家
(
いえ
)
にはセルゲイ
及
(
およ
)
びイワンと
云
(
い
)
う
二人
(
ふたり
)
の
息子
(
むすこ
)
もある。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
けれども夕日と東京の美的関係を論ぜんには、
四谷
(
よつや
)
麹町
(
こうじまち
)
青山
(
あおやま
)
白金
(
しろかね
)
の
大通
(
おおどおり
)
の如く、西向きになっている一本筋の長い街路について見るのが一番便宜である。
日和下駄:一名 東京散策記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
すぐ電車で帰りましょうと、
大通
(
おおどおり
)
……辻へ出ますと、電車は十文字に往来する。自動車、自転車。
菊あわせ
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
アスフヮルト敷きつめた銀座日本橋の
大通
(
おおどおり
)
、やたらに
溝
(
どぶ
)
の水を
撒
(
ま
)
きちらす
泥濘
(
ぬかるみ
)
とて一向驚くには及ぶまい。
日和下駄:一名 東京散策記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
蝙蝠
(
こうもり
)
が黒く、見えては隠れる横町、総曲輪から裏の
旅籠町
(
はたごまち
)
という
大通
(
おおどおり
)
に通ずる小路を、ひとしきり
急足
(
いそぎあし
)
の
往来
(
ゆきき
)
があった後へ、もの
淋
(
さみ
)
しそうな姿で
歩行
(
ある
)
いて来たのは、大人しやかな学生風の
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
車の音が
俄
(
にわ
)
かに激しい。調子の合わない楽隊が再び聞える。
乃
(
すなわ
)
ち銀座の
大通
(
おおどおり
)
を横切るのである。乗客の中には三人
連
(
づれ
)
の
草鞋
(
わらじ
)
ばき
菅笠
(
すげがさ
)
の田舎ものまで
交
(
まじ
)
って、また一層の
大混雑
(
おおこんざつ
)
。
深川の唄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
大通
(
おおどおり
)
へ抜ける暗がりで、甘く、且つ
香
(
かんば
)
しく、
皓歯
(
しらは
)
でこなしたのを、口移し……
売色鴨南蛮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
仕方がないので重吉は玉子と共に四谷の
大通
(
おおどおり
)
へ出て、やっと歯医者をさがし、再び診察してもらうと、今度はいよいよ重症ということで、歯科医が附添って
慶応義塾
(
けいおうぎじゅく
)
の病院へ患者を送った。
ひかげの花
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
見物は
未
(
いま
)
だ
来
(
きた
)
り集わず。木戸番の
燈
(
ともしび
)
大通
(
おおどおり
)
より吹きつくる風に揺れて、肌寒う覚ゆる折しも、三台ばかり
俥
(
くるま
)
をならべて、東より
颯
(
さっ
)
と乗着けしが、一斉に
轅
(
ながえ
)
をおろしつ、と見る時、女一人おり立ちたり。
照葉狂言
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
物案顔
(
ものあんじがお
)
に
俯向
(
うつむ
)
いて行く種彦をば
直様
(
すぐさま
)
広い並木の
大通
(
おおどおり
)
へと導いた。
散柳窓夕栄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
“大通(
大通り
)”の解説
大通り、大通(おおどおり)とは、街の中心部を貫くその街の中心となる通りのことである。都市部では交通の基軸となるため、多くの自動車が往来できるようその道幅は広く取られている。地方部では商店街などを大通りと称している場合がある。大通りの中でも、最も人通りが多く中心的な通りのことを目抜き通りと言う。
(出典:Wikipedia)
大
常用漢字
小1
部首:⼤
3画
通
常用漢字
小2
部首:⾡
10画
“大通”で始まる語句
大通り
大通詞
大通漫歩
大通智勝国師