“麺麭屋”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
パンや40.0%
ぱんや20.0%
ベイカリー20.0%
ベエカリー20.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
真赤まっか達磨だるま逆斛斗さかとんぼを打った、忙がしい世の麺麭屋パンやの看板さえ、遠い鎮守の鳥居めく、田圃道たんぼみちでも通る思いで、江東橋の停留所に着く。
陽炎座 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
とほりを二丁目ちやうめほどて、それを電車でんしや方角はうがくまがつて眞直まつすぐると、乾物屋かんぶつや麺麭屋ぱんやあひだに、古道具ふるだうぐつてゐるなりおほきなみせがあつた。御米およねはかつて其所そこあしたゝめる食卓しよくたくつた記憶きおくがある。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
何という反食慾的な腐爛した臭気! そして、これはまた、何と悲しい麺麭屋ベイカリーだ! 店頭のぱんは、数度の発疹に蒼白く横たわって息づいている。不潔と醜怪。狭い往来は病気の展覧会だ。
黒人の額には黒い汗の粒々がにじみ、その一つ一つをかっと照りつけて、ポウト・サイドの太陽は麺麭屋ベエカリーの仕事場のように暑い——「がら・がら・がら・がら」船客中の子供達のあいだに