大半たいはん)” の例文
はたして、その、このまち大火たいかこりました。そして、ほとんど、まち大半たいはん全滅ぜんめつして、また負傷ふしょうしたひとがたくさんありました。
あほう鳥の鳴く日 (新字新仮名) / 小川未明(著)
これが西暦せいれき千八百八十三年せんはつぴやくはちじゆうさんねん大爆裂だいばくれつをなして、しま大半たいはんばし、あとにはたかわづか八百十六米はつぴやくじゆうろくめーとる小火山島しようかざんとうのこしたのみである。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
しかしながら金解禁きんかいきん準備じゆんびとしては在外正貨ざいぐわいせいくわ潤澤じゆんたくたことはその準備じゆんび大半たいはん目的もくてきたつしたとつて差支さしつかへないのである。
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
たちま山岳さんがく鳴動めいどうし、黒烟こくゑん朦朧もうろう立昇たちのぼる、その黒烟こくゑん絶間たえまながめると、猛狒ゴリラ三頭さんとうとも微塵みじんになつてくだんだ、獅子しゝ大半たいはん打斃うちたをれた、途端とたん水兵すいへい
さうつぶやきながら、わたし部屋へやすみからまくらめぐらして、あかるい障子しやうじはうにそのおもてけた。南向みなみむきといふことなんといふ幸福かうふくことであらう、それはふゆ滋養じやう大半たいはん領有りやういうする。
日の光を浴びて (旧字旧仮名) / 水野仙子(著)
(ハ)温帶林おんたいりんまたは、椈帶ぶなたい)。 このたい暖帶林だんたいりんのつぎにつくもので、本州ほんしゆう北部ほくぶから北海道ほつかいどう大半たいはん西南せいなんおよ朝鮮ちようせん大部分だいぶぶんにもあり、同温線どうおんせん六度ろくど以上いじよう十三度じゆうさんど以下いか土地とちです。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
さつきから空の大半たいはん真青まつさをに晴れて来て、絶えず風の吹きかよふにもかゝはらず、ぢり/\人のはだ焼附やきつくやうな湿気しつけのある秋の日は、目の前なる大川おほかはの水一面にまぶしく照り輝くので
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
次はS大学の工科教授室の連中が、悪性あくせいちょうチブスでみな死ぬし、第三番目には先月、鉄道省の技術官連が大島旅行をしたときに、汽船爆沈で大半たいはん溺死できししましたし、これで四度目です。
国際殺人団の崩壊 (新字新仮名) / 海野十三(著)
などとその小屋にはいちいち木札きふだがうってあって、各所かくしょものものしいありさま、すでに明日あすとせまってきた大講会広前だいこうえひろまえ試合しあいのしたくやなにかに活気かっきだっていたが、いま、天下大半たいはんのあるじ
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ヴェスヴィオは西暦せいれき七十九年しちじゆうくねん大噴火前だいふんかぜんまでは、このソムマの外側そとがはのばしたほどの一箇いつこ偉大いだい圓錐状えんすいじよう火山かざんであつたのが、あのをりの大噴火だいふんかのために東南側とうなんがは大半たいはんばし
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
端艇競漕ボートレース本職ほんしよくことだから流行はやるのも無理むりいが、大事かんじん端艇ボートかつおこつた大颶風だいぐふうめに大半たいはん紛失ふんしつしてしまつたので、いまのこつてるのは「ギク」一さう、「カツター」二さうで、オール餘程よほど不揃ふぞろひなので