つげ)” の例文
得ず然らば途中の御用心こそ專要せんえうなれど心付るを平兵衞は承知しようちせりといとまつげて立出れば早日は山のかたぶきやゝくれなんとするに道を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
時に悪霊あくれい余につげていわく、「汝祈祷の熱心を以て不治の病者を救いし例を知らざるか、汝の祈祷の聴かれざりしは汝の熱心足らざりしが故なり」
基督信徒のなぐさめ (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
また一事を行うにも先祖へつげたてまつりて後行うようにすべし。すれば自然邪事なく、する事なす事みな道理に叶いてその家おのずから繁昌するものなり。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
おつぎは多少羨しさうな樣子はありながら、何時もの通りにこにこして、三田のお給仕をしながらつげるのであつた。
大阪の宿 (旧字旧仮名) / 水上滝太郎(著)
今より後われ爾曹なんじらしもべいわず。そは僕は其の主のなすことを知らざれば也。我さきに爾曹を友と呼べり。我爾曹に我が父より聞きし所のことを尽くつげしにる。
イエスキリストの友誼 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
アテナ女神の社に眠って金のたづなを授かり、そのつげに由って飛馬の父ポセイドンにいけにえを献じ、その助力でかの馬泉水を飲みに来たところを捉え騎りて鵺をたお
犬はこのおつげに力を得て、さらば諸国の霊場を巡礼して、一は、自分が喰い殺したる姨の菩提をとむらい、一は、人間に生れたいという未来の大願を成就じょうじゅしたい、と思うて
(新字新仮名) / 正岡子規(著)
ですから気の利いた先達がいるとその講中はなかなか繁昌するそうです。中座は物を言わない場合の方が多いようですが、中にはおごそかな句調で神意をつげるものもある。
木曾御岳の話 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
よつ其駁雑そのはくざつけづり、校訂かうてい清書せいしよし、豚児とんじ京水にゑがゝしめしもの三巻、書賈しよかこひおうじ老人につげゆるもつてしきしに、発販はつはん一挙いつきよして七百余部よぶひさげり。これより書肆しよし後編こうへんふ。
こうじ果ててうかうか日を送ると、昨夜又々摩訶毘盧遮那仏まかころしゃなぶつ夢枕に現じてのおつげに、大伝馬町の佐久間勘解由のもとをなぜ訪ねて参らぬのじゃ、怠慢至極——ともっての外の御叱りじゃ
よつ其駁雑そのはくざつけづり、校訂かうてい清書せいしよし、豚児とんじ京水にゑがゝしめしもの三巻、書賈しよかこひおうじ老人につげゆるもつてしきしに、発販はつはん一挙いつきよして七百余部よぶひさげり。これより書肆しよし後編こうへんふ。
これを持って熊かしゝかは知らぬが殺して出よという、神様のおつげか知らん、あゝ有難し有難し、いやしかし此の穴の深さはのくらいあるか知れぬ、ことけものも沢山いる様子ではあり
後の業平文治 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
ロミオ たのもしらしいゆめつげまことならば、やがてよろこばしい消息たよりがあらう。わがむねぬし(戀の神)もいと安靜やすらかに鎭座ちんざめされた、さればいつになくうれしうて/\、がな一日ひとひこゝろかるゝ。
一郎が夢のおつげを受けて石切場に行ったら、巻物が高岩の蔭に置いてあったんだとか、その時がちょうど日暮狭暗ひぐれさぐれ逢魔おうまときだったとか云ってね……又、そんな迷信を担がない連中は
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
おやそうと急にすゝまぬ顔色かおつき、それでもお馴染だと思ってさと婢が云えば、儂はあの方だと思って、無理に幹事さんに頼んで貰って来たの、どんな方と尋ねるにこう/\とつげる婢の詞が
油地獄 (新字新仮名) / 斎藤緑雨(著)
母にてそうろふ者子無きことを悲み、此十王堂に一七日こもり、満ずるあかつきに霊夢のつげあり、懐胎して十八月にしてそれがし誕生せしに、骨柄こつがらたくましく面の色赤く、向ふ歯あつて髪はかぶろなり。
山の人生 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
そしてたしかに、それが薬師やくしのおつげであると信じたですね。
薬草取 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
おう駄目だめであるとのおつげでございました。
つげ後藤五左衞門秀盛入道は此時五十五歳にてまづくわん八州をこゝろざし再び武者修行にぞ立出たちいでける扨又後に殘りし後藤半四郎秀國ひでくには丸龜の道場を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
我に土石を変じて「パン」となすの力あり、億万の空腹たちどころにみたすべし」と、されども聖霊彼につげていわく
基督信徒のなぐさめ (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
『記』に由って考うるに、この肥長比売は大物主神の子か孫で、この一件すなわち品地別命がかの神のつげにより、出雲にかの神をいついだ宮へ詣でた時の事たり。
「ところがね、同窓會に出たのも、みんなに袂別をつげるつもりだつたらしい。細君の話によると、此の一週間ばかり、のべつに親類や友達のうちを訪問してゐたさうだ。」
大阪の宿 (旧字旧仮名) / 水上滝太郎(著)
ソクラトスは霊魂不滅について論究しつつ死せり、老牧師ロビンソン医師より危急の報を聞くや彼の友人につげていわく「死とはかく平易なるものなるや」と
基督信徒のなぐさめ (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
つげ其日は我が家へ立戻り覺悟かくごの如く用意なしやがて約束の日になりしかば長庵の來るのをまちて彼五十兩を渡しけるに長庵は是を懷中くわいちうして彌々いよ/\明後日迄には小夜衣を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
◯進んで八節において「もし我ならんには我は必ず神につげもとめ、わが事を神に任せん」
ヨブ記講演 (新字新仮名) / 内村鑑三(著)