“各自(かくじ)” の例文
この爲(ため)に兩少年(りようしようねん)は各自(かくじ)の家屋(かおく)のみならず、重幸少年(しげゆきしようねん)の如(ごと)きは隣接(りんせつ)した小學校(しようがつこう)と二十戸(にじゆつこ)の民家(みんか)とを危急(ききゆう)から救(すく)ひ得(え)たのであつた。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
四人の背の高い女の子が各自(かくじ)の卓子(テエブル)から立ち上つて、卓子(テエブル)を𢌞りながら本を集めて片附けた。ミラア先生はまた命令をした。
苟且(かりそめ)にも血液(けつえき)の循環(じゆんくわん)が彼等(かれら)の肉體(にくたい)に停止(ていし)されない限(かぎ)りは、一旦(たん)心(こゝろ)に映(うつ)つた女(をんな)の容姿(かたち)を各自(かくじ)の胸(むね)から消滅(せうめつ)させることは不可能(ふかのう)でなければならぬ。
土 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
問題(もんだい)は各自(かくじ)その懷抱(くわいほう)する所(ところ)を遠慮(えんりよ)なく披瀝(ひれき)した處(ところ)のものが、所謂(いはゆる)建築(けんちく)の根本義(こんぽんぎ)の解決(かいけつ)に對(たい)して如何(いか)なる暗示(あんじ)を與(あた)へるか、如何(いか)なる貢献(こうけん)を致(いた)すかである。
建築の本義 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
さりながら應(おう)が影(かげ)をも止(とゞ)めざる時(とき)だに、厭(いと)ふべき蛇喰(へびくひ)を思(おも)ひ出(いだ)さしめて、折角(せつかく)の愉快(ゆくわい)も打消(うちけ)され、掃愁(さうしう)の酒(さけ)も醒(さ)むるは、各自(かくじ)が伴(ともな)ひ行(ゆ)く幼(をさな)き者(もの)の唱歌(しやうか)なり。
蛇くひ (旧字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
故(ゆゑ)に余(よ)は此(この)攝養法(せつやうはふ)の廣(ひろ)く行(おこな)はれ、戰後(せんご)てふ大任(たいにん)を負(お)へる我(わが)國民(こくみん)の體力(たいりよく)を一層(いつそう)強固(きやうこ)ならしめ、各自(かくじ)の職責(しよくせき)を遺憾(ゐかん)なく遂行(すゐかう)せられんことを深(ふか)く希望(きばう)する處(ところ)なり。
命の鍛錬 (旧字旧仮名) / 関寛(著)
他(た)の村落(むら)の人々(ひと/″\)が聞(き)き傳(つた)へて田圃(たんぼ)や林(はやし)を越(こ)えて、其(そ)の間(あひだ)に各自(かくじ)の體力(たいりよく)を消耗(せうまう)しつゝ驅(か)けつけるまでには大(おほ)きな棟(むね)は熱火(ねつくわ)を四方(はう)に煽(あふ)つて落(お)ちた。
土 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
勿體(もつたい)ないが、俗(ぞく)に言(い)ふ上潮(あげしほ)から引上(ひきあ)げたやうな十錢紙幣(じつせんしへい)が蟇口(がまぐち)に濕々(じめ/\)して、金(かね)の威光(ゐくわう)より、黴(かび)の臭(にほひ)を放(なは)つた折(をり)から、當番(たうばん)の幹事(かんじ)は決(けつ)して剩錢(つりせん)を持出(もちだ)さず、會員(くわいゐん)は各自(かくじ)九九九(くうくうくう)の粒(つぶ)を揃(そろ)へて
九九九会小記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
彼等(かれら)は平生(へいぜい)でもさうであるのに酒(さけ)の爲(ため)に幾分(いくぶん)でも興奮(こうふん)して居(ゐ)るので、各自(かくじ)の口(くち)から更(さら)に聞(き)くに堪(た)へぬ雜言(ざふごん)が吐(は)き出(だ)された。
土 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)