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くちをし
ふりがな文庫
“
口惜
(
くちをし
)” の例文
これぎり
空
(
むなし
)
く相成候が、
余
(
あまり
)
に
口惜
(
くちをし
)
く
存候故
(
ぞんじさふらふゆゑ
)
、一生に一度の
神仏
(
かみほとけ
)
にも
縋
(
すが
)
り候て、此文には私一念を巻込め、
御許
(
おんもと
)
に
差出
(
さしいだ
)
しまゐらせ候。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
蒙り候事
口惜
(
くちをし
)
き次第に存じ奉つり候右新藤市之丞なる
者
(
もの
)
住所
(
ぢうしよ
)
相知
(
あひし
)
れ候へば私し
虚言
(
きよげん
)
に之なき
旨
(
むね
)
御分り相成べき儀に付何卒
御威光
(
ごゐくわう
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
それをお
怨
(
うら
)
み
申
(
まを
)
すのではない。
嫉妬
(
ねたみ
)
も
猜
(
そね
)
みもせぬけれど、……
口惜
(
くちをし
)
い、
其
(
それ
)
がために、
敵
(
かたき
)
から
仕事
(
しごと
)
の
恥辱
(
ちじよく
)
をお
受
(
う
)
け
遊
(
あそ
)
ばす。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
彼
(
かれ
)
は
依然
(
いぜん
)
として
無能
(
むのう
)
無力
(
むりよく
)
に
鎖
(
と
)
ざされた
扉
(
とびら
)
の
前
(
まへ
)
に
取
(
と
)
り
殘
(
のこ
)
された。
彼
(
かれ
)
は
平生
(
へいぜい
)
自分
(
じぶん
)
の
分別
(
ふんべつ
)
を
便
(
たより
)
に
生
(
い
)
きて
來
(
き
)
た。
其
(
その
)
分別
(
ふんべつ
)
が
今
(
いま
)
は
彼
(
かれ
)
に
祟
(
たゝ
)
つたのを
口惜
(
くちをし
)
く
思
(
おも
)
つた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
然るを先生余を目して先生の態度の不眞面目なるを甚しく攻撃するものとなす、馬鹿々々しとて思ひ捨てんにはあまりに
口惜
(
くちをし
)
く此の一文を草するに至りぬ。
貝殻追放:003 「文明一周年の辞」を読みて
(旧字旧仮名)
/
水上滝太郎
(著)
▼ もっと見る
おもふにはゝが
筒
(
つゝ
)
をもてといひしゆゑ、母の
片足
(
かたあし
)
を雪の山
蔭
(
かげ
)
にくらひゐたる
狼
(
おほかみ
)
をうちおとして母の
敵
(
かたき
)
はとりたれど、二疋をもらししはいかに
口惜
(
くちをし
)
かりけん。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
第一の所化 (一歩前に踏み出し乍ら)やれ、
口惜
(
くちをし
)
や、南蛮寺の妖術めに
化
(
ばか
)
されておぢやつたとは。
南蛮寺門前
(新字旧仮名)
/
木下杢太郎
(著)
立
(
たゝ
)
んとするに左の足痛みて一歩も引きがたしコハ
口惜
(
くちをし
)
と我手に
揉
(
もみ
)
つ
擦
(
さす
)
りつして漸やく五六町は我慢したれど
終
(
つひ
)
に
堪
(
こら
)
へきれずして車
乘詰
(
のりづめ
)
の貴族旅となりぬ雨は上りたれど
昨日
(
きのふ
)
も
一昨日
(
をとゝひ
)
も降り續きたる
泥濘
(
ぬかるみ
)
に車の輪を
木曽道中記
(旧字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
無念と
謂
(
い
)
はうか、
口惜
(
くちをし
)
いと謂はうか、宮さん、僕はお前を
刺殺
(
さしころ
)
して——驚くことは無い! ——いつそ死んで了ひたいのだ。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
受るも
口惜
(
くちをし
)
と父樣はとても
浮
(
うか
)
まれまじきにより私し
事
(
こと
)
早々
(
さう/\
)
江戸
(
えど
)
へ參り實否を
承
(
うけた
)
まはり自然此書中の如くに候へば
骨
(
ほね
)
を拾ひ
御跡
(
おんあと
)
を
弔
(
とぶら
)
ひ申さんと云を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
おもふにはゝが
筒
(
つゝ
)
をもてといひしゆゑ、母の
片足
(
かたあし
)
を雪の山
蔭
(
かげ
)
にくらひゐたる
狼
(
おほかみ
)
をうちおとして母の
敵
(
かたき
)
はとりたれど、二疋をもらししはいかに
口惜
(
くちをし
)
かりけん。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
此
(
この
)
腰元は
春
(
はる
)
といひて、もとお村とは朋輩なりしに、お村は
寵
(
ちよう
)
を得てお部屋と
成済
(
なりすま
)
し、常に
頤
(
あご
)
以
(
も
)
て召使はるゝを
口惜
(
くちをし
)
くてありけるにぞ、今
斯
(
か
)
く偶然に枕を並べたる
二人
(
ににん
)
が
態
(
すがた
)
を見るより
妖怪年代記
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
御贔負にしてゐやはつたのか、ほんまに
口惜
(
くちをし
)
いと、みなで云ふてまつせ。
大阪の宿
(旧字旧仮名)
/
水上滝太郎
(著)
奉公に出さん事も
口惜
(
くちをし
)
けれども外に
工面
(
くめん
)
の致し方なく此上は一人の口を
減
(
へら
)
すより外なしと
近所
(
きんじよ
)
の口入を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
其
(
その
)
室
(
しつ
)
は当時
家中
(
かちう
)
に
聞
(
きこ
)
えし美人なりしが、
女心
(
をんなごころ
)
の
思詰
(
おもひつ
)
めて一途に家を明渡すが
口惜
(
くちをし
)
く、
我
(
われ
)
は
永世
(
えいせい
)
此処
(
このところ
)
に
留
(
とゞ
)
まりて、外へは
出
(
い
)
でじと、
其
(
その
)
居間に
閉籠
(
とぢこも
)
り、内より
鎖
(
ぢやう
)
を
下
(
おろ
)
せし
後
(
のち
)
は、
如何
(
いかに
)
かしけむ
妖怪年代記
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
同業者のこれに
係
(
かか
)
りては、
逆捩
(
さかねぢ
)
を
吃
(
く
)
ひて
血反吐
(
ちへど
)
を
噴
(
はか
)
されし者
尠
(
すくな
)
からざるを、鰐淵は
弥
(
いよい
)
よ憎しと思へど、彼に対しては
銕桿
(
かなてこ
)
も折れぬべきに持余しつるを、
克
(
かな
)
はぬまでも
棄措
(
すてお
)
くは
口惜
(
くちをし
)
ければ
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
……
對手
(
あひて
)
が
百日紅
(
さるすべり
)
だと
燒討
(
やきうち
)
にも
及
(
およ
)
ぶ
處
(
ところ
)
、
柳
(
やなぎ
)
だけに
不平
(
ふへい
)
も
言
(
い
)
へぬが、
口惜
(
くちをし
)
くない
事
(
こと
)
はなかつた——
其
(
それ
)
さへ、
何
(
なん
)
となく
床
(
ゆか
)
しいのに、
此
(
こ
)
の
邊
(
あたり
)
にしては
可
(
か
)
なり
廣
(
ひろ
)
い、
其
(
そ
)
の
庭
(
には
)
に
石燈籠
(
いしどうろう
)
が
据
(
すわ
)
つたあたりへ
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
口
常用漢字
小1
部首:⼝
3画
惜
常用漢字
中学
部首:⼼
11画
“口惜”で始まる語句
口惜涙
口惜紛