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凛然
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りんぜん
ふりがな文庫
“
凛然
(
りんぜん
)” の例文
と秀子さんは
凛然
(
りんぜん
)
として謝絶した。新太郎君は又冷汗三斗だった。それから
種々
(
いろいろ
)
と御機嫌を取ったが更に効果が見えなかった。帰りには
脱線息子
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
「待て!」とこの時頼正は、
凛然
(
りんぜん
)
として抑え付けた。「帰館する事
罷
(
まか
)
り成らぬ! 誰かある、湖中へ飛び入り灘兵衛の生死を見届けるよう!」
八ヶ嶽の魔神
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
お
定
(
きま
)
りの
魚軒
(
さしみ
)
と
言
(
い
)
ふと、だいぶ
水氣立
(
みづけだ
)
つたとよりは、
汗
(
あせ
)
を
掻
(
か
)
いて、
角
(
かど
)
を
落
(
おと
)
して、くた/\と
成
(
な
)
つて、つまの
新蓼
(
しんたで
)
、
青紫蘇
(
あをじそ
)
ばかり、
濃
(
こ
)
い
緑
(
みどり
)
、
紫
(
むらさき
)
に、
凛然
(
りんぜん
)
と
立
(
た
)
つた
處
(
ところ
)
は
祭のこと
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
娘の時代に仕込み入れた人間としての教養と、
天稟
(
てんぴん
)
のしとやかな寂しいうちに包んだ
凛然
(
りんぜん
)
たる気象は、彼女をただのくだらない肉欲の犠牲者とのみはしておかなかった。
地上:地に潜むもの
(新字新仮名)
/
島田清次郎
(著)
颯爽
(
さっそう
)
としたその英姿!
凛然
(
りんぜん
)
としたその
弓姿
(
ゆんすがた
)
! 土壇のあたり、
皎々
(
こうこう
)
としてまばゆく照り栄え、矢場のここかしこ仙台藩士の色めき立って、打ち睨むその目、にぎりしめる
柄頭
(
つかがしら
)
旗本退屈男:07 第七話 仙台に現れた退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
▼ もっと見る
僕は好んでプルタークの『英雄列伝』を読む、読んでいるあいだに古代の英雄豪傑の勇気
凛然
(
りんぜん
)
たること、いわゆる強いことに何もかも忘れて
震
(
ふる
)
い上がるごとく感ずることがある。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
彼
(
かの
)
邦
(
くに
)
の制、天子の
屋
(
おく
)
は、
葺
(
ふ
)
くに
黄瓦
(
こうが
)
を以てす、旧瓦は用無し、まさに黄なるに
易
(
かわ
)
るべし、といえる道衍が一語は、時に取っての活人剣、燕王宮中の士気をして、
勃然
(
ぼつぜん
)
凛然
(
りんぜん
)
、
糾々然
(
きゅうきゅうぜん
)
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
彼の表情にある効果の表われたことも
慥
(
たし
)
かめて、誇らかに
凛然
(
りんぜん
)
とそこを離れた。
風流化物屋敷
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
絶食しつづけた彼れらが、重い
鎧
(
よろい
)
を着て、勇気
凛然
(
りんぜん
)
たる顔附きをして、雪の大路を
濶歩
(
かっぽ
)
するその悲惨なる心根——それは実際の困窮を知らぬものには想像もつきかねるいたましさである。
マダム貞奴
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
その間を押しわけて前に出てみると、ホテルの建物はひどく
傾
(
かたむ
)
き、今にも
転覆
(
てんぷく
)
しそうに見えていた。その前に、蟹寺博士が、まるで生き残りの
勇士
(
ゆうし
)
のように只一人、
凛然
(
りんぜん
)
とつっ立っていた。
○○獣
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「そうさな。俺も見たわけでないが、
嗅
(
か
)
ぎつけた部下のはなしによると、まだ若いみすぼらしい
風態
(
ふうてい
)
の男だが、どこか
凛然
(
りんぜん
)
としているから、油断のならない人間かも知れないといっていたが」
三国志:02 桃園の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
イソ/\として燃え上がる火影に
凛然
(
りんぜん
)
たる
姪
(
をひ
)
の
面
(
かほ
)
ながめて「
何時
(
いつ
)
も丈夫で結構だの、余り
身体
(
からだ
)
使ひ過ぎて病気でも起りはせぬかと、私ヤ其ればかりが心配での」と言ひつゝ
見遣
(
みや
)
る伯母の
面
(
おもて
)
は
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
意気
(
いき
)
の
凛然
(
りんぜん
)
たる一行中尤
著
(
いちじ
)
るし、木村君は
初
(
はじ
)
め一行に
向
(
むか
)
つて
大言放語
(
たいげんはうご
)
、利根の
険難
(
けんなん
)
人力の
及
(
およ
)
ぶ所に
非
(
あら
)
ざるを談じ、一行の元気を
沮喪
(
そさう
)
せしめんとしたる人なれ共、
本
(
も
)
と水上村の産にして
体脚
(
たいきやく
)
強健
(
きやふけん
)
利根水源探検紀行
(新字旧仮名)
/
渡辺千吉郎
(著)
『これ、
稻妻
(
いなづま
)
、
汝
(
おまへ
)
は
世
(
よ
)
に
勝
(
すぐ
)
れたる
犬
(
いぬ
)
だから、
總
(
すべ
)
ての
事情
(
じじやう
)
がよく
分
(
わか
)
つて
居
(
を
)
るだらう、よく
忍耐
(
しんぼう
)
して、
大佐
(
たいさ
)
の
家
(
いへ
)
に
達
(
たつ
)
して
呉
(
く
)
れ。』と、いふと、
稻妻
(
いなづま
)
は
恰
(
あだか
)
も
私
(
わたくし
)
の
言
(
げん
)
を
解
(
げ
)
し
得
(
え
)
た
如
(
ごと
)
く、
凛然
(
りんぜん
)
として
尾
(
を
)
を
掉
(
ふ
)
つた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
が、そのとき、紅琴の
凛然
(
りんぜん
)
たる声を背後に聞いたのだった。
紅毛傾城
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
答えずに黙々として右門はしばらくの間考えていましたが、と、
俄然
(
がぜん
)
そのまなこはいっそうにらんらんと輝きを帯び、しかも同時に
凛然
(
りんぜん
)
として突っ立ち上がると、鋭くいいました。
右門捕物帖:04 青眉の女
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
団君は決して見惚れたんじゃないと言うが、誰が判定しても
凛然
(
りんぜん
)
とはしていない。
ぐうたら道中記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
言葉つきも態度も堂々たるものだし、殊に
相貌
(
そうぼう
)
が際立って
凛然
(
りんぜん
)
としてきた。「こいつは占めた上々吉だ」勝負はこっちのものだと思い、末席にいる紋太夫などは貧乏揺ぎをしたくらいである。
若殿女難記
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
もとよりあのくらいの
潟
(
かた
)
だから、誰だッて
漕
(
こ
)
げるさ、けれどもね、その
体度
(
たいど
)
だ、その
気力
(
きあい
)
だ、
猛将
(
もうしょう
)
の
戦
(
たたかい
)
に
臨
(
のぞ
)
んで馬上に
槊
(
さく
)
を
横
(
よこた
)
えたと謂ッたような、
凛然
(
りんぜん
)
として
奪
(
うば
)
うべからざる、いや実にその立派さ
取舵
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
資朝の言葉は
凛然
(
りんぜん
)
としていた。
あさひの鎧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
右門は
凛然
(
りんぜん
)
として、もはやむっつり右門にかえり、江戸から用意の
雪駄
(
せった
)
をうがち、
天蓋
(
てんがい
)
を深々と面におおい、腰には尺八をただ一つおとし差しにしたままで、すうと表のやみの中へ
右門捕物帖:03 血染めの手形
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
涼しく澄みとおった
双眸
(
そうぼう
)
、鼻も口も耳も頬も、
雑作
(
ぞうさく
)
のすべてが選りぬきの資材と極上の磨きでととのえられている、しかも潤沢な水分と弾力精気に充満した肉躰、
駘蕩
(
たいとう
)
としてしかも
凛然
(
りんぜん
)
典雅なる風格
艶妖記:忍術千一夜 第一話
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
兵衛はいかにも
凛然
(
りんぜん
)
と云った。
あさひの鎧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
九尺柄タンポ槍の敵の得物をぴたりと片手正眼に受けとめたあざやかさ! ——
双頬
(
そうきょう
)
、この時愈々ほのぼのと美しく
紅
(
べに
)
を散らして、匂やかな
風情
(
ふぜい
)
の四肢五体、
凛然
(
りんぜん
)
として今や香気を放ち
旗本退屈男:09 第九話 江戸に帰った退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
脱兎のごとくに走り去ったのを見送りながら、突如、
凛然
(
りんぜん
)
として手にせる鉄扇を取り直すと、声と共に凄しい一撃が、呆然としてそこに佇んでいる道場主釜淵番五郎のところに飛んでいきました。
旗本退屈男:09 第九話 江戸に帰った退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
ですから、瞬時のうちに、迷うところなく進むべき道が決心つきましたので、右門は
凛然
(
りんぜん
)
として立ち上がると、ただちにはせ向かったところは、ほかならぬ松平
伊豆守信綱
(
いずのかみのぶつな
)
のお下屋敷でありました。
右門捕物帖:02 生首の進物
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
凛
漢検1級
部首:⼎
15画
然
常用漢字
小4
部首:⽕
12画
“凛”で始まる語句
凛々
凛
凛烈
凛乎
凛冽
凛寒
凛凛
凛々敷
凛〻
凛凄