冷水れいすゐ)” の例文
ところで、のくらゐあつやつを、とかほをざぶ/\と冷水れいすゐあらひながらはらなか加減かげんして、やがて、る、ともうあめあがつた。
城崎を憶ふ (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
彼等かれらあじはふのではなくてえうするに咽喉のどあなうづめるのである。冷水れいすゐそゝいでのぼろ/\な麥飯むぎめしとき彼等かれら一人ひとりでも咀嚼そしやくするものはない。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
現今げんこんでは精神病者せいしんびやうしや治療ちれう冷水れいすゐそゝがぬ、蒸暑むしあつきシヤツをせぬ、さうして人間的にんげんてき彼等かれら取扱とりあつかふ、すなは新聞しんぶん記載きさいするとほり、彼等かれらために、演劇えんげき舞蹈ぶたふもよほす。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
なほらざるとき全身ぜんしん冷水れいすゐそゝぎてそのいたみまつたりしゆゑに、其後そのご頭痛づつうおこごと全身ぜんしん冷水灌漑れいすゐくわんがいおこなひしが、つひ習慣しふくわんとなり、寒中かんちゆうにも冷水灌漑れいすゐくわんがいゆるをたり。
命の鍛錬 (旧字旧仮名) / 関寛(著)
いへ敷居しきゐまたいだ宗助そうすけは、おのれにさへ憫然びんぜん姿すがたゑがいた。かれ過去くわこ十日間とをかかん毎朝まいあさあたま冷水れいすゐらしたなり、いまかつくしとほしたことがなかつた。ひげもとよりいとまたなかつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
すこまるみをいた十三にちつきしろの一つ/\の茗荷めうがうへひかつた。冷水れいすゐつたやうかきがゆら/\とうごいてうしろはやしたけこずゑもさら/\とつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
其後そののち數年間すうねんかん春夏しゆんかさい折々をり/\おこなふにぎざりしが、二十五六さいころもつつるにおよび、日夜にちや奔走ほんそうさい頭痛づつうはなはだしきとき臥床ふしどきしことしば/\なりしが、そのさいには頭部とうぶ冷水れいすゐもつ冷却れいきやく
命の鍛錬 (旧字旧仮名) / 関寛(著)
かれ冷水れいすゐの一ぱいをさへむなしくもとめつゝあつたのである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)