郷愁の詩人 与謝蕪村 (新字新仮名) / 萩原朔太郎(著)
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
私たちの役割に残されたものは何があるかと思うようだが、幸いに因縁があったからコカワラヒワの一些事を記録して置こう。
野草雑記・野鳥雑記:02 野鳥雑記 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
崇拝する——人生の些事の中にも偉大を考える禅の考え方が茶道の理想となる——道教は審美的理想の基礎を与え禅道はこれを実際的なものとした
茶の本:04 茶の本 (新字新仮名) / 岡倉天心、岡倉覚三(著)
銭形平次捕物控:238 恋患い (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
斧をどこで手に入れるか、というようなことに至っては、てんで問題にもならないような些事であった。これほど容易なことはなかったからである。
罪と罰 (新字新仮名) / フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー(著)
彼の丁寧周密、一些事たりとも粗略にしなかった夫の気質を熟知している夫人の胸中には、次の如き思想が往来した。
法窓夜話:02 法窓夜話 (新字新仮名) / 穂積陳重(著)
レ・ミゼラブル:08 第五部 ジャン・ヴァルジャン (新字新仮名) / ヴィクトル・ユゴー(著)
些事といえば些事だが、都会に育ったものには、これこそほんとに想像も出来ないことであろう。それはこの部落では決して便所で紙を使わないということである。
何が私をこうさせたか:――獄中手記―― (新字新仮名) / 金子ふみ子(著)
彼の闘争は世界の大戦闘の一部をなしていた。彼の敗北は些事であって、すぐに回復されるものだった。彼は万人のために戦っていたし、万人も彼のために戦っていた。
ジャン・クリストフ:11 第九巻 燃ゆる荊 (新字新仮名) / ロマン・ロラン(著)
まるで問題にならない些事のようにも考えられたし、また、その反対に、そういう事態になるような国情だからこそ、かえって軽視できない、というふうにも考えられた。
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア (旧字旧仮名) / シャーロット・ブロンテ(著)
霊訓 (新字新仮名) / ウィリアム・ステイントン・モーゼス(著)
俳句はかく解しかく味う (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
再三述懐して居られるので、最初私はひどく意外に感じたのであるが、後になると、馬鹿正直の私は、一挙手一投足の労に過ぎなかったあんな些事を、それほどまで恩に感じていられるのかと
銭形平次捕物控:238 恋患ひ (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
レ・ミゼラブル:04 第一部 ファンテーヌ (新字新仮名) / ヴィクトル・ユゴー(著)
茶道いっさいの理想は、人生の些事の中にでも偉大を考えるというこの禅の考えから出たものである。道教は審美的理想の基礎を与え禅はこれを実際的なものとした。
茶の本:04 茶の本 (新字新仮名) / 岡倉天心、岡倉覚三(著)
彼女はいつも長々とクリストフに夢の話をした。そのちょっとした些事を忘れても、幾時間もかかって思い出そうとした。ただ一つの事柄も彼に聞かせないではおかなかった。
ジャン・クリストフ:05 第三巻 青年 (新字新仮名) / ロマン・ロラン(著)
野草雑記・野鳥雑記:01 野草雑記 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
銭形平次捕物控:084 お染の歎き (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
記憶のうちに下らない日付を針で止めることばかりをやってる些事収集家らは、前世紀一七七〇年頃、コルボーにルナールというシャートレー裁判所付きの二人の検事が
レ・ミゼラブル:05 第二部 コゼット (新字新仮名) / ヴィクトル・ユゴー(著)
茶の本:04 茶の本 (新字新仮名) / 岡倉天心、岡倉覚三(著)
しかしこの数年間彼は、職務上のいろんな煩わしい些事や、同僚または生徒との間の不正や不公平や不愉快などから、しだいに多く心を奪われていった。彼は気むずかしくなった。
ジャン・クリストフ:10 第八巻 女友達 (新字新仮名) / ロマン・ロラン(著)