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駈込
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かけこ
ふりがな文庫
“
駈込
(
かけこ
)” の例文
大きな雨になったので、坂をあがりつめた処にあった家の
簷下
(
のきした
)
へ
駈込
(
かけこ
)
んでみると、その戸口に
半紙
(
はんし
)
を
貼
(
は
)
ってあるのが見えた。
指環
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
これはとばかりに、若者は
真蒼
(
まっさお
)
になって
主家
(
しゅか
)
へ
駈込
(
かけこ
)
んで来たが、この時
既
(
すで
)
に娘は、哀れにも息を
引取
(
ひきと
)
っていたとの事である。
テレパシー
(新字新仮名)
/
水野葉舟
(著)
人
(
ひと
)
の
知
(
し
)
らない
行
(
ぎやう
)
をします——
其
(
そ
)
の
晝
(
ひる
)
の
寢床
(
ねどこ
)
から
當番
(
たうばん
)
の
女
(
をんな
)
を
一人
(
ひとり
)
、
小脇
(
こわき
)
に
抱
(
かゝ
)
へたまゝ、
廣室
(
ひろま
)
に
駈込
(
かけこ
)
んで
來
(
き
)
たのですが、
皆
(
みんな
)
來
(
こ
)
い! と
呼立
(
よびた
)
てます。
みつ柏
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
百
弗
(
ドル
)
の報酬を得てホテルに
駈込
(
かけこ
)
んだ時には、食卓にむかった誰れもかれも、嬉し泣に、
潸々
(
さめざめ
)
としないものはなかったという。
マダム貞奴
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
それも
関心
(
きがかり
)
ではあるが、
猶
(
なお
)
一方には気を失っているお杉が有る。市郎は
倉皇
(
あたふた
)
として内へ
駈込
(
かけこ
)
んだ。塚田巡査も続いて入った。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
▼ もっと見る
そんなことがあるものかね。大きな声じゃいえないが、ゆうべは何か変ったことでもあったと見えて、夢中で
駈込
(
かけこ
)
んでくると、そのままあたしに
床
(
とこ
)
を
歌麿懺悔:江戸名人伝
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
今ならば巡査が居るとか人の家に
駈込
(
かけこ
)
むとか云うこともあるが、
如何
(
どう
)
して/\騒々しい時だから不意に人の家に入られるものでない、
却
(
かえっ
)
て戸を
閉
(
たっ
)
て
仕舞
(
しまっ
)
て
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
これは居ちや面倒だと思つたから、家中大騒を遣つてゐる
隙
(
すき
)
を見て、
窃
(
そつ
)
と飛出した事は飛出したけれど、別に
往所
(
ゆきどころ
)
も無いから、丹子の
阿母
(
おつか
)
さんの処へ
駈込
(
かけこ
)
んだの。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
その時、
艶麗
(
えんれい
)
、竜女のごとき、おばさんの姿を幻に
視
(
み
)
たために、大笹の可心寺へ
駈込
(
かけこ
)
んで出家した。これが二代の堂守です。
河伯令嬢
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
その乱暴者の一人が長州の屋敷に
駈込
(
かけこ
)
んだとか何とか
云
(
い
)
う話を聞て、私はその時始めて心付いた、成るほど長州藩も
矢張
(
やは
)
り攘夷の仲間に
這入
(
はいっ
)
て居るのかと
斯
(
こ
)
う思たことがある。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
大学生は七兵衛に誘われつつ、威勢よく奥へ
駈込
(
かけこ
)
んだ。彼は吉岡家の長男忠一である。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
行
(
ゆ
)
くこと
未
(
いま
)
だ
幾干
(
いくばく
)
ならず、予に先むじて
駈込
(
かけこ
)
みたる犬は奥深く進みて見えずなりしが、
哬呀
(
あなや
)
何事
(
なにごと
)
の
起
(
おこ
)
りしぞ、
乳虎
(
にうこ
)
一声
(
いつせい
)
高く吠えて
藪中
(
さうちう
)
俄
(
にはか
)
に
物騒
(
ものさわ
)
がし
妖怪年代記
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
で、二台、月に
提灯
(
かんばん
)
の
灯
(
あかり
)
黄色に、
広場
(
ひろっぱ
)
の端へ
駈込
(
かけこ
)
むと……
石高路
(
いしたかみち
)
をがたがたしながら、板塀の小路、土塀の辻、
径路
(
ちかみち
)
を縫うと見えて、寂しい処幾曲り。
歌行灯
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
家名
(
いえな
)
も何も構わず、いまそこも閉めようとする一軒の旅籠屋へ
駈込
(
かけこ
)
みましたのですから、場所は町の
目貫
(
めぬき
)
の
向
(
むき
)
へは遠いけれど、鎮守の方へは近かったのです。
雪霊続記
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
家名
(
いへな
)
も
何
(
なに
)
も
構
(
かま
)
はず、いま
其家
(
そこ
)
も
閉
(
し
)
めようとする一
軒
(
けん
)
の
旅籠屋
(
はたごや
)
へ
駈込
(
かけこ
)
みましたのですから、
場所
(
ばしよ
)
は
町
(
まち
)
の
目貫
(
めぬき
)
の
向
(
むき
)
へは
遠
(
とほ
)
いけれど、
鎭守
(
ちんじゆ
)
の
方
(
はう
)
へは
近
(
ちか
)
かつたのです。
雪霊続記
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
妻
(
つま
)
の
皓體
(
かうたい
)
が
氣懸
(
きがか
)
りさに、
大盡
(
だいじん
)
ましぐらに
奧
(
おく
)
の
室
(
ま
)
へ
駈込
(
かけこ
)
むと、
漸
(
やつ
)
と
颯
(
さつ
)
と
赤
(
あか
)
く
成
(
な
)
つて、
扱帶
(
しごき
)
を
捲
(
ま
)
いて
居
(
ゐ
)
る
處
(
ところ
)
。
物狂
(
ものくる
)
はしく
取
(
と
)
つて
返
(
かへ
)
せば、
畫師
(
ゑし
)
も
其
(
そ
)
の
畫
(
ゑ
)
も
何處
(
どこ
)
へやら。
画の裡
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
今朝東京なる本郷病院へ、
呼吸
(
いき
)
も
絶々
(
たえだえ
)
に
駈込
(
かけこ
)
みて、玄関に着くとそのまま、打倒れて絶息したる男あり。年は二十二三にして、
扮装
(
みなり
)
は
好
(
よ
)
からず、
容貌
(
かおかたち
)
いたく
憔
(
やつ
)
れたり。
活人形
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
その晩、かねて口を利いた浜町の
骨董屋
(
こっとうや
)
の内へ
駈込
(
かけこ
)
んで、(あい。)と返事をしたんだって。
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
雨宿りに
駈込
(
かけこ
)
んだ知合の男が一人と、
内中
(
うちじゅう
)
、この店に居すくまった。
霰ふる
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
雨宿
(
あめやど
)
りに
駈込
(
かけこ
)
んだ
知合
(
しりあひ
)
の
男
(
をとこ
)
が
一人
(
ひとり
)
と、
内中
(
うちぢう
)
、
此
(
こ
)
の
店
(
みせ
)
に
居
(
ゐ
)
すくまつた。
霰ふる
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
駈込
(
かけこ
)
んで、
一呼吸
(
ひといき
)
吐
(
つ
)
いた頃から、
降籠
(
ふりこ
)
められた
出前
(
でさき
)
の雨の心細さに、親類か、友達か、浅草辺に番傘一本、と思うと共に、ついそこに、目の前に、路地の出窓から、
果敢
(
はか
)
ない顔を出して格子に
縋
(
すが
)
って
第二菎蒻本
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
駈
漢検準1級
部首:⾺
15画
込
常用漢字
中学
部首:⾡
5画
“駈込”で始まる語句
駈込訴訟
駈込訴
駈込願
駈込訴人